アーマード・コア for Answer -mutiny by infinity-   作:銀塩

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鈴のセリフはこうじゃないかなと書き出したものなので、原作とだいぶ違うかもしれませんが、ご了承願います。


2017/08/11 タイトルを変更


激戦の幕

 騒がしいほどのざわめき、収容人数ギリギリに詰め込まれた観客席、異様な熱気に包まれたドーム。そう、今日は件のクラス対抗戦当日である。普段なら、熱気こそあれど、ここまでのものではない。しかし、今年の、特に一年生のクラス対抗戦ともなれば、話は別である。

 

「・・・・・・一夏、とりあえず冷静になれればどうにかなる」

 

「それアドバイスって言わないからな・・・・・・」

 

 事も無げに言うアルバートに、一夏は肩を落とす。

 

「・・・・・・今まで散々訓練しただろう?」

 

「あれは訓練じゃなくてリンチだろ?!」

 

「・・・・・・立派な訓練」

 

「しかもお前が誘発してたよな?!」

 

 言い返す一夏に、アルは、ふっと笑った。

 

「・・・・・・安心しろ、わざとだ」

 

「やめろよ! どんだけ大変だったと!」

 

 そして、アルはふたたび笑う。

 

「・・・・・・それで、どうだ。緊張はなくなったか?」

 

「え、あ・・・・・・おう」

 

 一夏はハッとしてうなずいた。

 

「・・・・・・ならいい。忘れるなよ、常に冷静に、だ」

 

 そうして、アルは自分の観客席へと戻っていく。一夏は、その背を見て、大きくうなずいた。

 

 

――――――――

 

 

 「どうでした?」

 

 自身の席に戻ったアルに、さっそくメイが話しかける。特に何をするとも言っていないのに確信を持った問い方をしているあたり、アルを良く理解している証拠なのかもしれない。

 

「・・・・・・緊張していたみたいだから、少しからかっただけだよ」

 

「なるほど、新兵が陥りがちな視野狭窄とかを起こしてろくに戦えずに負け、はさすがにかわいそうでもあるものな」

 

「とはいえ、変なハイ状態になっていないのはまだマシでしたね」

 

 やはり、彼女らにも覚えがあるようだ。

 

「・・・・・・あいつにも頑張ってもらわないとな」

 

 そう、アルはつぶやいた。

 

 

 

――――――――

 

 

 

 「よく逃げずに来たわね」

 

 辛辣な言葉をかけるのは、先にフィールドで待機していた凰鈴音。

 

「逃げ帰ると思ったわ」

 

 不敵に振り返るその様子に、一夏は言い返す。

 

「なんで理不尽に怒られたのか、結局わかってないからな」

 

「だからそれはアンタが悪いって言ってるでしょ!」

 

「それがわかんないって言ってるんだろ!」

 

 怒鳴り合い、そして、域を落ち着かせる。

 

「絶対に、アンタに謝らせるから。ぼっこぼこにして!」

 

「とにかく理由を教えるまでは謝らない!」

 

 開始のブザーがなる。

 

 

――――――――

 

 

 中国の開発した第三世代IS、甲龍。その設計は燃費と安定性を第一とされている。カラーは赤みがかかった黒。その手には大型の実体剣、双天牙月を持つ。一方、対峙する白色のIS、白式は、雪片弐型というエネルギーソード一本である。必然、激しい剣戟が繰り広げられる。

 

「一夏! 思ってた以上にやるじゃない!」

 

「これでもしっかり訓練させられてきたからな!」

 

 剣戟の腕は互角。多少過去に剣道を習っていた一夏が優勢といったところだろう。それはおそらく、一夏も鈴もわかっていることだ。

 

「なら、これはどう?!」

 

 一瞬の隙をついて、距離を引き離す鈴。一夏はそれを追って突進し、

 

「ぐあっ!」

 

 突如衝撃を受けて揺さぶられた。

 

「な、なんだ・・・・・・?」

 

「ほらほら、休んでる暇はないわよっ」

 

 一瞬だけ動きを止めた一夏を、再び襲うなにか。一夏は急いでISを動かし、それを免れる。

 

「くそ、いったいなんなんだ!」

 

 

――――――――

 

 

 「ほう、なるほど」

 

 観客席、ではなく、IS学園職員が集まるアリーナ司令室の中で、ぼそりとセレン・ヘイズはつぶやく。

 

「どうかしたのか?」

 

 そのつぶやきを拾ったのであろう、織斑千冬が声をかける。

 

「いやなに、ずいぶんと珍しい技術を使っているな、と思ってね」

 

「これは・・・・・・中国の甲龍か。なるほど、確かにこれに類する技術を見たことはないな」

 

 測定を行う画面を見つめる美女二人。そのまま、頭の中で戦力解析を行う。

 

「これをどうにか見破らなければ、一夏に勝ち目はないな」

 

「ほう? 弟ならば、と言うと思ったのだが」

 

「まさか。弟だからこそ厳しくせねばなるまいよ」

 

「なるほど、手厳しいことだな」

 

 セレンはくっくっくと肩を震わせ笑う。それを見咎めた千冬は、

 

「だが、やれないとは言っていないがな」

 

 と眉を曲げた。

 

 

――――――――

 

 

 (くそ、なにが起きてるのかぜんぜんわからない・・・・・・!)

 

 一方、アリーナ。そこでは相変わらず一夏が得体の知れない攻撃にさらされていた。

 

(というか、いったいどこから!)

 

 なんとか避けることこそできているものの、このままではジリ貧である。一夏はまず、甲龍の装甲に着目することにした。

 

(装甲、は特に変わったところはない。あの武器にも、特に変わったところは見られない)

 

 冷静にひとつずつ確認しているところは、やはり日常的なリンチ、ではなく、訓練の賜物か。

 

(鈴から離れてても攻撃がくる。ということは射撃系の武器に間違いはないけど、手には何も持ってない・・・・・・)

 

 そこで、ひとつ気づいた。そのまま稼動するには、不合理な装甲の形状に。

 

(肩のあれはなんだ? 球を覆ってたなにかが、少し開いて・・・・・・そうか、まさか!)

 

 確信を得て、一夏は、突貫する。

 

「うおおおおおおおっ!」

 

「バカね、血迷ったの?」

 

 鈴はそれを冷静に狙い、そして消えた一夏に驚いた。

 

「な、消えたっ?!」

 

「もらったぁっ!」

 

 一撃。一夏はその手ごたえを期待し、次いで襲ってくる衝撃に吹き飛ばされた。

 

「どうやら、見破ったようね。でも、おあいにくさま、この龍砲はね、どんな角度にだって撃てるのよ」

 

 得意げに告げる鈴に、その衝撃を受けた一夏は少し顔が強張っている。

 

「そこまでは、わからなかったけど、あとは少し気をつければ俺の勝ちだ」

 

「へぇ? でも、そんなことはさせないけどね」

 

 軽い掛け合いのもと、さらなる攻撃をしようと、身をかがめ。

 

「「なっ?!」」

 

 突如発生した爆発に、気をとられた。




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