アーマード・コア for Answer -mutiny by infinity- 作:銀塩
鋭い眼光を持って睨む首輪付き。他四人もすぐさま臨戦態勢を取るが、なんと、その方向には人影が一切なかった。
「……」
場は一瞬で緊張に包まれる。小動物くらいなら軽く殺せるような気配を放ち続ける。すると、軽い笑い声が聞こえる。
「何者だ!」
ウィンが一歩前に出る。
「フフ……。いや~、ごめんね~。私が隠れてる島に突然巨大質量の物体が四つも現れたからなにがあったか見に来たんだよねぇ」
間延びしたような不思議なしゃべり方。ただ、よく聞けばわかる、相手に掴ませないためのしゃべり方。歴戦の強者たちは警戒を高める中、一人だけ臨戦態勢を解いた。
「おや、まさか臨戦態勢を解くなんてねぇ。不用心なのかな?」
臨戦態勢を解いたのは首輪付き。そんな彼の行動に、声は疑問を投げる。
「……殺すつもりならすぐにできたはず。なのにわざわざ気配を漏らした。敵対するのは得策じゃないと判断した」
首輪付きの判断に、四人は逡巡を見せつつも従った。
「うんうん、賢い子は好きだよ~」
と、目の前の空間がゆがんでいく。その歪みはどんどんと大きくなり、やがて人間大になったとき、一人の女性が現れる。
「はい、これでおあいこかな」
某童話のアリスをイメージするような、水色と白の服と、なぜかつけている機械式のウサギの耳。どことなく柔和な雰囲気を醸し出すも、気配の一端には狂気もうかがえる。
「攻撃しようとしてすまない。私はセレン・ヘイズだ」
セレンは四人を代表して女性に声をかける。
「見た所軍人、というより傭兵さんかな? だったら仕方ないよね~」
女性は軽く笑いながら答える。
「私はウィン・D・ファンション。驚かせてすまない」
「リリウム・ウォルコットです。大変申し訳ありません」
「メイ・グリンフィールドです。申し訳ありませんでした」
ウィンたちも銃を下す。女性は気にしてないと流す。
「さて、わたしがいる島だとわかっての狼藉かなー?」
途端に加わる圧倒的な威圧。数々の修羅場をくぐったリンクスをしてここまで威圧するのは、並大抵なことではない。しかし、首輪付きは彼女を見据えて伝える。
「……こちらとしても異常事態であり、ついては情報の交換を行いたいと考える」
またしても突然、威圧が止む。見れば、女性は顎に手を当てて考えていた。
「ふーん……まぁ、別にいいか。とりあえず近くに基地があるからおいでー」
そうして、踵を返す女性。と、思い出したかのように振り返る。
「あ、そうそう、私は篠ノ之束。みんな大好き束さんだよ~」
天災と呼ばれる女性との、邂逅である。
2017/03/05 句読点を変更、一部表現を変更