アーマード・コア for Answer -mutiny by infinity- 作:銀塩
「んー……とりあえず、君たちのことを教えてくれないかな?」
博士の提案に、おそらく一番情報を持つリリウムがうなずく。そう、彼女はリンクスであるが、本来は
「まず、我々はリンクスであり、ウィン・D・ファンションとメイ・グリンフィールドと共謀してランク1の首輪付きを偽りの依頼で誘い出し攻撃。そのさなかで首輪付きがアサルトアーマーを使用したところ、突然ここへ飛ばされた、というわけです」
簡潔で要点をまとめた説明は、彼女らしい。その言葉に博士はうなずき、そして口を開く。
「うん、今の説明でわからなかったのは、リンクス、アサルトアーマーの二つだね」
部屋を支配する沈黙。常識ともいえるリンクスという言葉の指すものを知らないという彼女の告白。彼女の高い技術力から当然知っていて、かつネクストに関連する人物と想定していたが、それは全くの大外れであることになる。
「えっと……ほんとうにご存じありませんか?」
「うん、全く知らないね。ついでに言うとあの巨大な人型兵器、ネクストっていうのも全く知らない」
メイの疑問に胸を張る博士。次いで動いたのはウィンだった。
「い、いや、これだけの要塞を築くことのできるような技術者を企業が放っておくわけがない。他言はするような真似はしないと約束するので、どこの所属か教えてもらえないだろうか」
ウィンの一言。それに対して博士は首をかしげた。
「所属? 私はどこの企業にも就職してない、というか逃亡の身だよ?」
「そんな……」
ウィンが額を抑える。リリウムは眉ひとつ動かしていないものの、自身のデータベースを根こそぎ洗っているようだ。
「……博士、いくつかお聞きしたいことが」
そんなとき、首輪付きが手を挙げる。
「……BFF、GA、オーメル、インテリオル、テクノクラート、レイレナード、有澤重工、アルゼブラ。これらの名前に聞き覚えは?」
口にした名前は、特に名前の知られているネクスト関連の企業。リンクスのみならずネクスト関係者なら知らないものはないだろう。
「んー……全部聞いたことないなぁ。なにかの企業?」
しかし、彼女はそれを知らなかった。
「……」
その答えに顎に手を当てて考える首輪付き。そして、一通り思案して、再び口を開く。
「……では博士、あなたのことをお教え願えませんか」
その言葉に驚く博士。
「えっと、ほんとに? 篠ノ之束って名乗ったよね?」
「ええ、そうですね。ですが、我々にはその名前に心当たりはありません」
「そう……」
今度は博士が悩む番だった。
「まず、君たちは主力兵器がなにか知っているかな?」
その言葉に顔を見合わせるリンクスたち。
「まず、我々の扱うネクストですね」
「次点で言えば、
「我々にかなわないにしも、出回ってる兵器としてはノーマルACでしょうか」
「……自律兵器や航空機なんかもある」
彼らが例に出すのは、やはり各企業が用意している通常兵器と大型兵器だった。
「ふむ……」
再び思案する博士。そして,すぐに顔を上げる。
「今君たちが口にした兵器、航空機は別にしても、ネクスト、AF、ノーマルACなんかはこの世界には一つとして存在していない兵器だよ」
「なに……?」
その言葉を疑う一同。
「あれだけの大きさの人型兵器を動かすだけの技術を持つ企業や国は、残念ながら一つとして存在していないんだ。そして、この世界の主力兵器は戦車、航空機はもちろんなんだけど、それ以外に一つあるんだ」
博士がコンソールを開いて見せる。そこに映ったのは、
「そう、この世界に君臨する絶対兵器はこれ。女性のみの扱える兵器、インフィニット・ストラトスだ」
果てなき大空の名前のついた、小型人型兵器だった。
2017/03/06 句読点を変更、表現や内容を一部修正
2017/11/28 企業名としてラインアークを挙げていたので、アルゼブラ社に変更