アーマード・コア for Answer -mutiny by infinity- 作:銀塩
「さてさてさーって、機体の検査結果だよ」
意気揚々と紙束を持ってくる博士。そう、ACの検査結果が出たのだ。首輪付きたちはそれを受け取ると、その内容に目を走らせる。とはいえ、フリーランスのリンクスであるセレンと首輪付き以外は、さほど専門的なことはわからないのだが。
「ふむ、レイテルパラッシュは小破、といったところか。それでも装甲を換装すればどうにかなる」
「メリーゲートは損傷軽微ですね。とはいえ、残弾数が心もとないですが」
「同じくアンビエントも損傷軽微です」
「やはり、ストレイドは大破。各パーツの交換が必要か。内燃系が無事なのは救いだな」
各自のACの被害状況は想定内というところ。しかし、その想定内の中でも最悪の事態が記されていた。
「想定していた最悪の事態だな」
「ええ、コジマ粒子貯蔵量がゼロ、ですか」
「これではOBどころかPAすら張れませんね」
そう、コジマ粒子の残量がゼロなのだ。これはネクストのNEXTたる所以の一つがつぶされたことに他ならない。とはいえ、通常兵器に比べても圧倒的な優位性を誇るのもまた事実なのだが。
「博士、本当にコジマ粒子はこの世界にて発見されていないのでしょうか」
「そうだねぇ、それらしいものと言えば毒性なんかで言うとウランとかそういう核物質なんだけど、燃料としての効率、そもそもの運用方法からすると絶対に違うんだよねぇ」
博士の言葉通り、コジマ粒子やそれに類する物質は現状発見されていない。もし発見されていれば博士はそれを研究して無害化したのちにISのエネルギー源としただろうし、各企業も発電方法の一つとしてそれを利用しただろう。
「まぁ、ないものは仕方あるまい。幸い、通常兵器に比べれば装甲は厚いし機動性も高い。火力も十分だ」
博士への武力提供については問題はないだろう。そう提言するウィンに、博士は笑みを浮かべる。
「あ、ACについてはちょっと思いついたことがあるから、一週間ほど待っててね」
そう、さわやかなほどの笑み。その中に見出せるのが悪戯を思いついたかのような少年の色でなければ、リンクスたちも安心できただろうが。
――――――――
数日が過ぎた。現状、迂闊に動くわけにもいかない彼らはインターネットを介して各国の情勢などの政治的な情報から、家庭で簡単に作れるお菓子といった他愛のない情報まで,様々にそして思いのまま情報を得ていた。
<さて、みんな、第二倉庫に来てくれるかな>
博士が館内に設置した通信装置で、ACを運び込んでから占有された倉庫の代わりに増設された第二倉庫へ来るように伝える。
その声に従って第二倉庫へ向かい、そこに入るが、中の照明はすべて落とされ、暗闇だけがそこにあった。
「博士、我々になにを見せるつもりだ?」
<ふっふーん、さぁて、扉を閉めてね!>
得意げな博士の指示に従い、扉を閉める。
<さぁ! 遠からんものは音に聞け、近くば寄って目にも見よ! 全世界初公開!>
と,照明が光る。そのまぶしさに目を細め、そして慣れたころに目を見開く。
<ネクスト技術とIS技術の融合! どこの誰にもマネできない世界最強の人型兵器だ!>
そこにあったのは、四つの人型。それぞれの機体色とそれぞれのパーツ、武装。そしてエンブレム。そう、それこそ。
「アーマード、コア……」
リリウムのアンビエントが。ウィンのレイテルパラッシュが。メイのメリーゲートが。首輪付きのストレイドが。主を待つ騎士のごときに佇んでいた。
「博士、これはいったい?」
<君たちのACの検査と並行して行った解析で得られた技術をISに転用して作った機体だよ! いわば、この世界におけるNEXTだね!>
差異があるとすれば、その全長。ACが巨大人型兵器なのに対し、これは人型兵器であることは同じとしても、その大きさが人より少し大きい程度になっていた。博士の言葉通り、これは博士の開発したISに、ネクストの技術をつぎ込んだからである。
<各パーツはそれぞれ別のパーツに換装が可能で、武装も自由! 既存ISのものから、これから開発していくACの再現武装まで! 内燃系は全部ISのものにネクストの技術を組み込んで高出力高効率高容量! 今現在開発されてるどのISよりも強いこと間違いなし!>
興奮した様子の博士が一息に話す。
<さぁ、鎧と空の合作! さっそくミッションブリーフィングだよ!>
博士の口調を改定(某のほほんさんと混じってた)。
なお、首輪付きのストレイドについて描写が一切ないのは仕様ですのであしからず。
2017/03/06 句読点を変更、一部内容を加筆修正