間桐家の屋敷の地下に二人の男の姿があった。
一人は黒いパーカーを着た白髪の男。
もう一人は和服を着たどこか化け物染みた雰囲気を纏った老人。
白髪の男は魔法陣らしきものに手をかざしながら呪文のようなものを詠唱していた。
「ぐっ……がっ……」
呪文の言葉を詠唱する度に、白髪の男『間桐雁夜』の体に激痛が走った。
体の至る所から血を流し、端から見ている者の方が気分を害してしまう程に。
しかし雁夜は詠唱をやめなかった。
雁夜には果たさねばならない誓いが有った。
叶わなければならぬ願いが思いが有った。
守らねば成らぬ少女が居た。
それら全てが雁夜を突き動かし、今にも壊れそうな体を支えていた。
唱えていた呪文が終わり、地下室に描かれた陣から光が増し、地下室を照らした。
召喚に選んだのは『狂化』のステータスを付属できるバーサーカーだった。
召喚に上手くいっていたのか隣に居た老人『間桐臓硯』は皺だらけの顔を歪ませ笑った。
そして召喚の義を見守りに来ていた桜は光の灯らぬ瞳でそれを見ていた。
と思われたが召喚した筈のサーヴァントは存在していなかった。
「なっ……いないのか!?」
「ふん、失敗しおったか」
詠唱は間違っていなかった筈だがサーヴァントはその場にいない。
雁夜は絶望に顔を歪ませ、臓硯は鼻を鳴らした。
「雁夜よ、桜の教育を一時期中断していたのは貴様が聖杯を間桐に齎すとほざきよったからじゃ。じゃが、サーヴァントすら召喚も出来ぬ様なら聖杯なぞ夢のまた夢。此度の聖杯戦争は期待せずに桜を教育して次回に掛けるとする」
「ま、待てジジィ!」
臓硯は雁夜に見切りをつけると桜の手を引いて地下室にある虫の苗床に桜を投げ入れ様としていた。それを見た雁夜は慌てて臓硯を止めようとするが虫に侵された体では止める事すら叶わない。
「ククク……憐れよな雁夜!」
「さ、桜ちゃぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
臓硯は無慈悲に桜を蟲の苗床へと投げ入れる。桜は重力に引かれて落下していく。桜は光の灯らぬ瞳で自身の落下地点の蟲蔵を見つめていた。『ああ、私はこれから虫に……』何処か他人事の様に思っていた桜だが、その光景は一瞬で覆された。
「トゥアアアアアアアアアッ!」
蟲蔵の地面が何故か正方形に開く。そもそも此処は地下室なのに何故、更なる地下室が存在するのか。更にその地下から謎の人物が飛び出してきたのか。
その人物は黒ずくめのボディに頭全体を覆うヘルメット、素顔を隠すためのマスクを付けている。
「コーホー」という機械的な呼吸音を発しながら蟲蔵に落下していく桜を片手で受け止めた後に雁夜の下へ降り立った。
「お、お前は……俺が召喚したサーヴァント……バーサーカーなのか?」
「………ああ。俺はバーサーカーのクラスで召喚されたサーヴァントだ」
黒ずくめのサーヴァントは桜を横抱きに抱えながら雁夜の問いに答えた。
「……サーヴァントなの?」
「ああ……俺の名はウォーズマン。ファイティングコンピューターだ」
黒ずくめのサーヴァント『ウォーズマン』はマスターである雁夜や桜の前で自身の真名を明かした。
◆◇NGシーン◇◆
何故か対峙する事になったウォーズマンとケイネス。
ウォーズマンはケイネスにベアークローを向けて放つ。ケイネスは自身の礼装である水銀でガードしようとするがベアークローは水銀の壁を突き抜け、ウォーズマンはケイネスに迫る。
「そっそんな、私の魔力を込めた水銀が……ウッウッウァァァァッ!」
ケイネスはこめかみに四つの穴を持つ中国超人のような叫びを上げ、ウォーズマンの爪がケイネスのこめかみに突き立てられた。
数日後、ケイネスは車椅子に乗り、物言わぬ身となってソラウとランサーの前に現れた。
この事態を重く見たランサーはケイネスの為に最高の医者を探しに行くとソラウに言い残して日本を離れた。
数ヵ月後、そこにはマスク(霊命木製)をつけて時計塔の講師をするケイネスの姿が見られたとか。
今回はファイティングコンピューター事ウォーズマンでした。
恐らく『狂化』が付与されるとウォーズマンスマイルが発動されます。
ウォーズマンが桜を救ったシーンはウォーズマンが超人墓場から復活してミート君を助けたシーンです。