間桐家の屋敷の地下に二人の男の姿があった。
一人は黒いパーカーを着た白髪の男。
もう一人は和服を着たどこか化け物染みた雰囲気を纏った老人。
白髪の男は魔法陣らしきものに手をかざしながら呪文のようなものを詠唱していた。
「ぐっ……がっ……」
呪文の言葉を詠唱する度に、白髪の男『間桐雁夜』の体に激痛が走った。
体の至る所から血を流し、端から見ている者の方が気分を害してしまう程に。
しかし雁夜は詠唱をやめなかった。
雁夜には果たさねばならない誓いが有った。
叶わなければならぬ願いが思いが有った。
守らねば成らぬ少女が居た。
それら全てが雁夜を突き動かし、今にも壊れそうな体を支えていた
唱えていた呪文が終わり、地下室に描かれた陣から光が増し、地下室を照らした。
召喚に上手くいっていたのか隣に居た老人『間桐臓硯』は皺だらけの顔を歪ませ笑った。
光が収まり、描かれた陣の中心には自身が召喚したサーヴァントが居た。
「ふむ、聖杯戦争とは……私に依頼をなされるからには それなりに楽しませてもらいますよ。仕事の過程を……ね」
「バーサーカー……なのか?」
其処に居たのは黒い帽子にラテックスの手袋、黒衣に身を包み、涼しげな風貌に微笑を浮かべる男性だった。しかし問題なのは其処ではなくバーサーカーが口を利いたという事である。バーサーカーは狂化のスキルで能力の底上げを行うのだが理性があるという事は狂化が失敗した事に他ならない。
「かかかっ……狂化の付与も録に出来ぬ出来損ないのサーヴァントか。雁夜よ、此度の聖杯戦争は絶望じゃの」
「このクソ爺ぃ……」
臓硯は雁夜の聖杯戦争における苦難を想像して笑みを溢し、雁夜は体を蝕む痛みも手伝って顔を歪ませた。その時だった。
「な、なんじゃ……あ、が……あ?」
「やれやれ……見知らぬ土地に未知の戦い。どの様な結末を見れるのかと胸を踊らせていたのですが……良い気分が台無しですよ」
「な……バーサーカー!?」
気が付けば臓硯の体は十七分割されていた。バーサーカーの手にはいつの間にか手術で使用されるメスが握られており、バラバラになった臓硯をゴミでも見るかのような視線を送るバーサーカーに雁夜は恐怖を覚えた。
「こ安心を。マスターであるキミは殺しません。それに貴方を見ているのも楽しそうですし」
バーサーカーは細目を更に細めて愉快そうに微笑んだ。整えられた顔立ちからその顔は美しいとさえ思えるのだが雁夜にはその笑みが悪魔のようにも見えた。
「それと……ご挨拶が遅れました私の名は赤屍蔵人。こうみえても医者です」
バーサーカー・赤屍蔵人はニコリと笑みを浮かべて雁夜に微笑んだ。
雁夜は後にこう語る『アレは人の手に納められるサーヴァントではない』と。
『赤屍蔵人』
通称Dr.ジャッカル。本人曰くこう見えて医者。
『GetBackers-奪還屋』の登場人物で作中きっての最強キャラ。運び屋を生業とするのも依頼品に釣られた「獲物」との戦闘を目的としている。史上最強・最悪の運び屋。
作品の垣根を越えて強いキャラランキングをした場合、上位に確実に食い込む程の強さとチートっぷりを持つ。