雁夜おじさんが○○を召喚しました   作:残月

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麗しき仙人

 

 

間桐家の屋敷の地下に二人の男の姿があった。

 

 

一人は黒いパーカーを着た白髪の男。

 

もう一人は和服を着たどこか化け物染みた雰囲気を纏った老人。

 

白髪の男は魔法陣らしきものに手をかざしながら呪文のようなものを詠唱していた。

 

 

「ぐっ……がっ……」

 

 

呪文の言葉を詠唱する度に、白髪の男『間桐雁夜』の体に激痛が走った。

 

 

体の至る所から血を流し、端から見ている者の方が気分を害してしまう程に。

 

 

しかし雁夜は詠唱をやめなかった。

 

雁夜には果たさねばならない誓いが有った。

 

叶わなければならぬ願いが思いが有った。

 

守らねば成らぬ少女が居た。

 

 

それら全てが雁夜を突き動かし、今にも壊れそうな体を支えていた

 

唱えていた呪文が終わり、地下室に描かれた陣から光が増し、地下室を照らした。

 

召喚に上手くいっていたのか隣に居た老人『間桐臓硯』は皺だらけの顔を歪ませ笑った。

 

すると魔法陣の中から何故か光が溢れだし始める。あまりの眩しさに雁夜も臓硯も目を細め、眩しさに耐えながらサーヴァントを見ようとした

すると突如部屋の中の灯りが消え、スウッと元々暗かった部屋が真っ暗になった。 

 

 

「………歌声?」 

「妙だの……今までのサーヴァント召喚でこんな事は……」

 

 

どこからか多数の人間の歌声が響き、天から芳しい花弁と羽毛が降り注ぐ。この奇妙な状態に雁夜は首を傾げて臓硯は己の持つ知識から今まで、こんな事はなかったと自身の記憶を辿っていた。

そして次の瞬間、雁夜と臓硯は驚愕した。

 

なんも間桐家の地下室の地面から、踊り子風の衣装をしたケバい化粧の女性達が、整然と並んでせり上がって来たのだ。手にはリボンつきの丸い手楯を持ち、人形のように硬直した笑顔とポーズを取っている。

 

しかも彼女たちは劇場のセットのような『ひな壇』の上に列を作り、その中央上方を指している。 

ニュッとひな壇の一番上に台がせり出し、どこからともなくスポットライトが当たる。 

その強い光は、怪しいシルエットを浮かび上がらせた。

 

 

「誰だ……俺が召喚したサーヴァントなのか!?」

 

 

雁夜の叫びに、そのシルエットは、手を広げてポーズを取った長身の男のようだ。肩のところに二本、線のような影も見える。一昔前のテレビ演出の様だと雁夜は思っていると影は台の上に降り立った。

スポットライトが男の足元に照射され、そこで終わったかと思った瞬間、ドラムロールが流れ、男の顔にライトが当たる。 

 

その容姿は金髪碧眼の甘いマスクに、凛々しい眉毛と長い睫毛。長身で整った美しい体型。 

マントのような上着には大きなボタンと飾り紐が付けられ、体にフィットしたエレガントな衣服と靴。 

腰のベルトには乗馬用と思われるの鞭が吊るされていた。

 

 

「諸君、はじめまして。僕の名は趙公明。今回はバーサーカーなんてクラスで喚ばれたがバラの運命に生まれた気高き騎士さ!」

「戦えるのか……バーサーカー?」

 

 

ハッキリ言って戦いとは無縁の優男が聖杯戦争で戦えるのだろうか。そんな疑問を抱く雁夜に趙公明は笑みを浮かべた。

 

 

「任せたまえ、小羊の死をロココ調に演出してあげるから………さあっ、戦おうじゃないか!」

 

 

趙公明は背後から大量の山百合を咲かせ、花びらを散らせながら宣言した。

 

 

「うむ、雁夜よ。最早、今回は諦めよ」

「いや、桜ちゃんの事があるから諦めるなんて出来ないし」

「はーっははははっ!」

 

 

雁夜と臓硯の会話に趙公明は高笑いをしていた。

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