雁夜おじさんが○○を召喚しました   作:残月

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本当は2月14日までに仕上げようと思っていましたが間に合いませんでした。


嫉妬の炎は父心

 

 

間桐家の屋敷の地下に二人の男の姿があった。

 

 

一人は黒いパーカーを着た白髪の男。

 

もう一人は和服を着たどこか化け物染みた雰囲気を纏った老人。

 

白髪の男は魔法陣らしきものに手をかざしながら呪文のようなものを詠唱していた。

 

 

「ぐっ……がっ……」

 

 

呪文の言葉を詠唱する度に、白髪の男『間桐雁夜』の体に激痛が走った。

 

 

体の至る所から血を流し、端から見ている者の方が気分を害してしまう程に。

 

 

しかし雁夜は詠唱をやめなかった。

 

雁夜には果たさねばならない誓いが有った。

 

叶わなければならぬ願いが思いが有った。

 

守らねば成らぬ少女が居た。

 

 

それら全てが雁夜を突き動かし、今にも壊れそうな体を支えていた

 

唱えていた呪文が終わり、地下室に描かれた陣から光が増し、地下室を照らした。

 

召喚が上手くいったのか隣に居た老人『間桐臓硯』は皺だらけの顔を歪ませ笑った。

 

すると魔法陣の中から何故か光が溢れだし始める。あまりの眩しさに雁夜も臓硯も目を細め、眩しさに耐えながらサーヴァントを見ようとした。そこには筋肉質で悪役プロレスラーの様なマスクを被った男が立っていた。

 

 

「ふっふっふっ……問おう貴様が俺のマスターか?」

「な、こ……コイツは!?」

 

 

雁夜は驚愕した。召喚したバーサーカーが喋ったのだ。バーサーカーは狂化のステータスで理性が無く意思の疎通など本来は不可能。にも拘らず、目の前のバーサーカーは普通に喋り始めたのだから。

 

 

「感じるぞ……貴様の中から凄まじい嫉妬エナジーがな!」

「し、嫉妬エナジー?魔力じゃなくて?」

 

 

バーサーカーの発言の中の『嫉妬エナジー』に疑問を抱く雁夜。バーサーカーはそんな雁夜の話も聞かずに力を滾らせていた。

 

 

「マスターよ。憎いのだろう?恨むがいい……妬むがいい。それが俺の力になるのだ!」

「な、なんだかよくわからんが頼もしいぞバーサーカー!」

 

 

雁夜はバーサーカーが妙に自身を推してくれている事に頼もしさを感じる雁夜。この二人の相性、実はかなり良いのである。

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

日が沈みきった倉庫街にて二人の騎士がお互いの技と力をぶつけ合っていた

 

一人は長短異なる二本の槍を操るランサー。

対するは小柄で可憐な少女でありながらも最優のセイバー。

どちらも互いに英雄を関する名を持つサーヴァント。

戦いは一進一退の互角。

 

 

「流石だな、セイバー。最優のサーヴァントの名に違わぬ見事な力だ」

「貴殿の槍捌きこそ称賛に値する。貴方のような騎士との勝負に名乗りすら許されないことが悔やまれる」

「それは光栄だなセイバー」

 

 

互いの技を讃え合うセイバーとランサー。

しかし、その戦いに更なる乱入者が現れた。自分のマスターを引き連れて(無理矢理)現れたライダーである。

そしてライダーは驚くべき提案をする。

なんとライダーはセイバーとランサーを配下に加えようと勧誘したのだ。

 

 

「俺が聖杯を捧げると決めたマスターはただ一人。それは断じて貴様ではないぞライダー!」

「そもそも貴様はそんな事を言いに現れたのか。戯れ言が過ぎるぞ!」

 

 

セイバーとランサーに断られたライダー。そしてそこに新たにアーチャーまで現れたのだ。黄金の鎧を身に纏ったアーチャーは『王の財宝』から無数の宝具を撃ち放ち始め、セイバー、ランサー、ライダーを追い詰め始める。圧倒的な力の前に満身創痍になり始めたセイバー達だが次の瞬間、アーチャーの背後に気配も感じさせずに突如、一つの影が舞い降りた。

 

 

「フライング……チェアードロップ!」

「がふっ!?」

 

 

アーチャーの背後からバーサーカーが手に持ったパイプ椅子でアーチャーの頭を思いっきり殴ったのだ。全身を黄金の鎧で固めているアーチャーだが、頭だけは鎧を装着していなかった為にパイプ椅子攻撃は効いた様だ。

 

 

「貴様……バーサーカーか?」

 

 

あまりにも突然の事態にその場に居た全員が呆気に取られていたが、いち早く正気を取り戻したライダーが場を代表して口を開いた。

 

 

「……それは世の為に」

「なに?」

 

 

口を開いたバーサーカーはパイプ椅子をポイッと投げ捨てると、背を見せる様に立ち上がる。その発言にランサーは眉を潜めた。

 

 

「……それはブサメン達の為に」

「お、おい……何を言って……」

 

 

此方に反応もせずに語りを続けるバーサーカーにセイバーが話し掛けようとするが、バーサーカーは自身に与えられた役を全うするのみ。それは彼が生前から生業としていた事に他ならない。

 

 

「……悪と戦い今日も行く」

「ほほぅ……」

 

 

怒りと悲しみとその他諸々の想いが込められたマスクを被る運命の戦士……その男の名は……

 

 

 

「愛と正義と希望の戦士……しっとマスク、ただ今参上!全国のモテない男たちの想いを背に、お前達の罪を裁きに来たぞ!」

 

 

己の真名を叫ぶバーサーカー改め、しっとマスクの背後に炎が舞い上がる。

 

 

「この世のモテない男達よ、お前達の強い嫉妬の炎を俺に分けてくれ!この身を嫉妬の炎で包み込み、イケメン&モテる男を、そしてアベックを殲滅してくれるぞ!」

「いや、聖杯は!?」

 

 

聖杯戦争となんら関係の無い事を叫ぶ、しっとマスクにウェイバーがツッコミを入れた。

 

 

「聖杯……なんでも願いが叶うんだったな。ならばイケメン共を駆逐させるか」

「最低だ!最低の願いを引っ提げて聖杯戦争に来てるよコイツ!」

 

 

しっとマスクの願いにツッコミが追い付かないウェイバー。

 

 

 

「ク、ククッ……フハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 

 

そんな中、漸くパイプ椅子のダメージが収まったアーチャーが高笑いをしながら立ち上がる。

 

 

「つまりは嫉妬か?惨めだなぁ雑種!男の醜い嫉妬というものは!まぁ、俺は誰もが羨む美男!貴様のような下賤な者が羨むのも仕方ないかもしれん……だが。まさか、我にこんなことをしてただで帰れるとは思ってないだろうなぁ?」

「……関係ないな。このしっとマスクが来たからにはやることはただ一つ。イケメンとモテる男の殲滅だ」

 

 

王の財宝から剣や槍を射出する体勢を取るアーチャーに、しっとマスクは覆面の炎が本当に燃えているかの様な闘志を燃やす。

因にだが、しっとマスクがアーチャーを真っ先に狙ったのはイケメン&モテる男+雁夜の時臣を恨み妬む嫉妬エナジーがしっとマスクに流れている為であり、それが無ければ、しっとマスクはランサーを標的としていただろう。

 

 

 

「貴様にはエヌマ・エリシュをくれてやる!受けとるがいい!」

「俺のこの手が恨んで叫ぶ!イケメン潰せと狂って妬む!嫉妬究極天驚拳!」

 

 

 

アーチャーは乖離剣エアを抜き放ち、しっとマスクは嫉妬エナジーと嫉妬の炎を混ぜ合わせた色んな意味で危ない技を放っていた。

 

 

 

これが後に嫉妬戦争と呼ばれる最悪の聖杯戦争となる事を誰も知る術はなかった。

 

 

 




『しっとマスク』
「突撃パッパラ隊」「逆襲パッパラ隊」の登場キャラ。宮元幸弘が、モテない自分の境遇への憤りと、アベックへの強烈な嫉妬心により変身した姿で見た目は完全に悪役レスラー。
当初は単なるプロレス技でイケメンやモテる男、アベックを潰していたが段々、超人的な力や技を使い始めた(バイオ3のネメシスの様にバズーカや触手を駆使した)最終的には石破天驚拳の様な物を放つまでに至り、死んでも嫉妬の炎に呼ばれて復活する事も可能らしく突撃→逆襲までで100年以上経過したにも係わらず地獄(本人は天国と言い張った)から復活を遂げた。
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