雁夜おじさんが○○を召喚しました   作:残月

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復活の死神

 

 

間桐家の屋敷の地下に二人の男の姿があった。

 

一人は黒いパーカーを着た白髪の男。

 

もう一人は和服を着たどこか化け物染みた雰囲気を纏った老人。

 

白髪の男は魔法陣らしきものに手をかざしながら呪文のようなものを詠唱していた。

 

 

 

 

 

「ぐっ……がっ……」

 

 

 

 

 

呪文の言葉を詠唱する度に、白髪の男『間桐雁夜』の体に激痛が走った。

 

体の至る所から血を流し、端から見ている者の方が気分を害してしまう程に。

 

しかし雁夜は詠唱をやめなかった。

 

雁夜には果たさねばならない誓いが有った。

 

叶わなければならぬ願いが思いが有った。

 

守らねば成らぬ少女が居た。

 

 

 

 

 

それら全てが雁夜を突き動かし、今にも壊れそうな体を支えていた。

 

唱えていた呪文が終わり、地下室に描かれた陣から光が増し、地下室を照らした。

 

召喚に上手くいっていたのか、隣に居た老人『間桐臓硯』は皺だらけの顔を歪ませ笑った。

 

 

 

 

光が収まり、描かれた陣の中心には自身が召喚したサーヴァントが居た。

 

 

『ちっ……面倒な所に喚ばれたらしいな』

「な、なんだ……コイツは……」

 

 

雁夜は光の中から現れたサーヴァントに眉を潜めた。

その姿はフードを被り巨大な鎌を担いだ文字通りの死神のような様相。だが、そのフードの下に見える顔はまるで骸骨。否、骸骨そのものだった。

 

 

『なんだコイツはねぇだろ。喚び出しておいてよ』

「体が機械で出来て……ロボットなのか!?」

 

 

バサリとフードを脱いだサーヴァントの体を見て雁夜は驚愕した。過去の英霊を召喚する儀式をしたのに現れたのが何故かロボットなのだから。

 

 

『ちっ……バーサーカーか。俺の生きざまに嫌な因縁が重なったか』

「かかかっ……まさかロボットの英霊とはな」

 

 

その最中、今まで口を閉じていた臓硯が口を開いた。

 

 

「待て、ジジイ!」

「かかかっ……何もせんぞ雁夜よ。約束通り、貴様が聖杯戦争を勝ち抜けば桜は解放しよう。勝てればの話だがな」

 

 

臓硯が何かしようとしているのを察知した雁夜は臓硯を止めようとしたが、臓硯は笑みを浮かべるだけだった。

 

 

「そもそも、遠坂に棄てられた小娘を救おうなぞ……笑わせよるわ。貴様が間桐の家から逃げねば桜もこの様な目には合わなかっただろうに」

「黙れ!俺は桜ちゃんを救う!時臣も許さない!お前もだジジイ!お前が余計な事をしなければ桜ちゃんは苦しまずに済んだ!」

『ほぅ、棄てられた……ね』

 

 

臓硯の挑発にアッサリと乗る雁夜は、自身の心情を吐露すると共に叫んだ。そしてそのやり取りを見ていたバーサーカーは『棄てられた』と言う言葉に反応を示した。

 

 

『おい、棄てられたってのはどういう意味だ』

「バーサーカー?」

 

 

ガシッと力強く雁夜の肩を掴むバーサーカーに、雁夜は振り向きながら驚愕した。バーサーカーの瞳からは明らかなほどの怒りが溢れていたからだ。

 

 

「桜ちゃんは遠坂の家から間桐の家に売られたんだ。魔術師の家において二人目の子供は後継者争いが発生するなんて理由だけで!」

「それが魔術師の家に生まれた者の宿命よ。もっともワシが桜の力を調整する為に蟲蔵に放り込んだ事は否定せんがな」

『どんな理由であれ……棄てられたってのに変わりはねぇな』

 

 

雁夜の言葉にバーサーカーは掴んでいた雁夜の肩から手を離した。

 

 

『こんなくだらねぇ戦いなんざゴメンだったが気が変わった。その桜ってのを救う戦いに俺も入れろ。一方的に棄てられる気持ちは分かるんでな』

「やってくれるのかバーサーカー!」

 

 

バーサーカーの発言に雁夜は喜んだ。まさかこんなにも真っ直ぐに話を受け入れてくるとは思わなかったからだ。

 

 

『だが……テメェは別だ。話を聞くと桜が苦しんでるのはテメェが原因だろ』

「ぐおっ!?」

 

 

するとバーサーカーは手を臓硯の方に向ける。その手の甲から銃口が現れ、光が放たれると臓硯の体は四散した。バーサーカーの手の甲から銃口から煙が立ち上がる中、雁夜は顎が外れるくらい口が開いていた。まさかこんなにも早く臓硯を殺す機会が現れるとは思わなかったからだ。

 

 

「無駄じゃ無駄じゃ!ワシはこの蟲達で体を構成しとる。その銃の威力がいくら高かろうがこの場の蟲を全て殺すことなぞ……」

『なら纏めて消してやるさ』

 

 

しかし、体を蟲で作ってる臓硯には大したダメージにはなっていなかった。それどころかこの場の蟲がいる限り、死なないと公言したのだ。たが、それに対してバーサーカーはボソリと一声出すと、体の中からはガシャンと機関砲が現れたのだ。それも十六門も。そしてそこから弾が飛び出すと部屋の中の蟲達を一斉に破壊し始めたのだ。

 

 

「な、待て!止めろ!」

『知らなかったのか?俺は破壊者だ』

 

 

臓硯の制止の声を無視してバーサーカーは破壊を続けた。蟲蔵を全て破壊し尽くすまで。

因みに雁夜はバーサーカーの後ろでその光景を嫌と言う程にまで見せ付けられていた。

そして全てが終わった後にバーサーカーと雁夜は蟲蔵から外に出た。途中から臓硯の声も聞こえなくなったので恐らくは死亡したのだろう。

 

 

「バーサーカー……ジジイは死んだが俺は聖杯戦争をやらなきゃならない。桜ちゃんの為に」

『なら約束しろ。聖杯戦争とやらには勝ってやるが、お前は桜を一方的に棄てんとな』

 

 

雁夜の言葉にバーサーカーは約束を取り付けた。自分自身が棄てられた記憶のあるバーサーカーの桜に対する優しさが垣間見えた。

 

 

『それと……俺の事はバーサーカーと呼ぶな。俺の名はスカルマン。兄弟達が呼んでくれた名だ』

 

 

雁夜とバーサーカーの契約は繋がれた。一度は死んだ死神が復活した瞬間である。

 

 

 




『スカルマン(有賀ヒトシ版)』
ロックマン4のボス。武器は両腕のバスターにスカルバリア。内部に機関砲十六門が仕込まれている。
コサックがワイリーに脅迫されていた時に作ったロボット。ロックマン4の事件の後にその力の暴走を恐れてコサックに封印されるが、その事によって彼は長年に渡り孤独を味わう。
ワイリーによって開放された際には自分を封印したコサックを誘拐、更にカリンカとロールをも誘拐。
復讐が目的だと思われたが、本当はコサックに優しい言葉をかけて欲しかっただけであった。
ロックマンの一撃によって大破し、仲間に見守られながら機能を停止した。
その後に起こったスペースルーラーズとの戦いにおいては、幻影となりリングマンを助けた。

有賀ヒトシ版ロックマンではキャラの心情や葛藤がシリアスに描かれており、特にスカルマンの話は屈指のエピソードとなっている。
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