雁夜おじさんが○○を召喚しました   作:残月

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甦る銃剣

間桐家の屋敷の地下に二人の男の姿があった。

 

一人は黒いパーカーを着た白髪の男。

 

もう一人は和服を着たどこか化け物染みた雰囲気を纏った老人。

 

白髪の男は魔法陣らしきものに手をかざしながら呪文のようなものを詠唱していた。

 

 

「ぐっ……がっ……」

 

 

呪文の言葉を詠唱する度に、白髪の男『間桐雁夜』の体に激痛が走った。

体の至る所から血を流し、端から見ている者の方が気分を害してしまう程に。

 

 

しかし雁夜は詠唱をやめなかった。

 

雁夜には果たさねばならない誓いが有った。

 

叶わなければならぬ願いが思いが有った。

 

守らねばならぬ少女が居た。

 

 

それら全てが雁夜を突き動かし、今にも壊れそうな体を支えていた。

唱えていた呪文が終わり、地下室に描かれた陣から光が増し、地下室を照らした。

召喚に選んだのは『狂化』のステータスを付属できるバーサーカーだった。

召喚に上手くいっていたのか隣に居た老人『間桐臓硯』は皺だらけの顔を歪ませ笑った。

 

 

しかし、それも束の間。

 

地下室に本のページのようなものが光を巻き上げながら渦を巻いて地下室の壁や床に貼り付いていく。

 

 

「な、なんだコレは!?」

 

 

雁夜が驚きの声を上げると渦の中心から人が歩み寄る。

その姿は教会の神父の格好で丸眼鏡を掛けた男性だった。

しかし彼から迸る殺気は只の神父で無いことを物語っていた。

 

「ほほぅ……雁夜ごときが召喚したにしては中々のサーヴァントの様じゃな」

 

 

臓硯は愉快そうに笑みを浮かべていた。しかし浮かべた笑みは直ぐに消える事になる。

召喚したサーヴァントは手に持つ銃剣で臓硯の身体を引き裂いたのだから。

 

 

「カカカッ!サーヴァント風情がワシを殺そうとするとはな」

 

 

皺だらけの顔を歪ませ笑う臓硯にサーヴァントは初めて口を開く。

 

 

「ガタガタ喋るな。無事で済むと思うなよ、化け物共にも劣る蟲が!」

 

 

サーヴァントは憎しみ籠もった声で臓硯を睨むと手にした銃剣で再度、臓硯を切り裂く。

 

 

「無駄じゃ無駄じゃ!ワシは不死身じゃ!」

 

 

愉快そうにサーヴァントの行動を笑う臓硯だったが、その直後。

臓硯は悲鳴を上げた。

 

 

「ば、馬鹿な!?何故再生されん!?」

 

 

なんと臓硯の体が崩れ始めた。

臓硯の体を構成する蟲達が苦しみ始め、体を保てなくなってきたのだ。

 

 

「貴様の様なフリークス(化物)を殺すための結界と神の加護を受けた銃剣だ。貴様の言う不死身など、あの吸血鬼に比べれば塵も同然よ」

 

 

どちらが悪役か解らなくなる様な笑みを浮かべるサーヴァントはトドメとばかりに無数の銃剣を臓硯に投擲する。

 

自身の視界を埋め尽くす程の銃剣。

それが間桐臓硯が見た最後の光景となった。

それに対して雁夜は呆然としていた。

 

まさか自分が召喚したサーヴァントが自分が憎む対象の一人を殺してしまったのだから

 

 

 

「お、お前はバーサーカー……なのか?」

「正解です、マスター」

 

 

雁夜の質問に先程とは打って変わり和やかに対応するサーヴァント。

 

 

「しかし私がキミを『マスター』と呼ぶのは今ので最後。私とキミは令呪の契約で主従となったが私が仕えるのは我が神のみ」

「バーサーカー……お前はいったい何者なんだ?」

 

 

何度目かになる雁夜の疑問にサーヴァントは二刀の銃剣を組み合わせ、十字架を象る。

 

 

「私は……ヴァチカン法王庁第13課イスカリオテ、アレクサンド・アンデルセン」

 

 

そして宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──我らは神の代理人──

 

 

 

 

──神罰の地上代行者──

 

 

 

 

──我らが使命は我が神に逆らう愚者を──

 

 

 

 

──その肉の最後の一片までも絶滅すること──

 

 

 

 

 

──amen──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬木の地に銃剣は蘇った。

 

 

 

 

 

アレクサンド・アンデルセンという銃剣が。

 

 

 




今回は『ヘルシング』より『アレクサンド・アンデルセン』でした。
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