幻想はやがて現実に   作:のんびり+

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はい、どうものんびり+です。
今回も、のんびりしていってね。


第三話 新太、霊夢

 私は今、起きた時の部屋にいる。あの女性からさっさと学校に行けと怒られたからだ。

 学校と言うのは人里にある寺子屋のようなものだと思う。

 

 全く、私は家でのんびりとしていたいのにどうして学校なんぞに行かなきゃいけないのよ……。

 私は心中愚痴りながら支度をする。

 制服と言う服を着て、机の脇に置いてあるバッグを手にする。

 着替える時分かったが、この男は流先新太(りゅうざきあらた)と言うらしい。だから多分、あの女性と男性はこの新太の両親なのだろう。

 考え難いが、どうやら私はこの男と入れ替わってしまったっぽい。外の世界に来れたのは嬉しいが、私は自分の身で来たかった。

 溜め息を溢しつつ部屋を出る。

 

 …………そう言えば、学校ってどこにあるのよ……。

 

 

 

 

 

 俺が放心状態で突っ立っていると、魔理沙のチョップが俺の脳天に直撃する。

 

「痛い!?」

 

 俺は正気を取り戻し、叩かれた所を撫でる。

 

「霊夢、お前本当に大丈夫か? 変な物でも食べたか?」

 

 魔理沙が顔をしかめて言う。

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「……お前そんな喋り方だっけ?」

 

 魔理沙に言われて俺は反射的に口を手で覆う。そうだ、俺は今は博麗霊夢なのだ。

 今、魔理沙は俺に違和感を感じている。いつもの霊夢では無いと言う違和感を。

 ……いや、ちょっと待てよ? 俺は霊夢じゃ無いと言う事をバラせば良いんじゃないか? そうだ! そうすればきっと……そうすれば……きっと……

 

「――何!? お前は霊夢じゃ無い!? 一体霊夢に何をした!? 許さないぜ!」

 

 …………止めておこう。俺が死ぬ未来が見えた。

 ――仕方が無い。今は全力で、博麗霊夢を演じるしか無い!

 

 

 

 

 

「よっす新太! 今日は早いな」

 

 私が玄関を出ると、私が来ているものと同じ制服を着た男がいた。

 

「え、誰?」

 

 私が言うと、男は笑って返す。

 

「おいおい誰とは酷いなぁ。お前の親友東城秀樹(とうじょうひでき)の名を忘れたとは言わせねぇぞ?」

 

「へ? ……ああ、悪かったわね。それじゃ行きましょう」

 

 私が言うと、秀樹はお腹を押さえながら大笑いした。

 

「ちょ、新太、何だよその喋り方!」

 

 ……忘れていた。今の私は流先新太なんだ。私が新太っぽく無いと周りの人から変な目を向けられるだろう。

 私は今日何度目になるか溜め息をついて決心する。不本意だが、今は私が流先新太を演じるしか無い。

 

 

 

 

 

「――む? ――いむ? 霊夢!」

 

 魔理沙に呼ばれて、俺は再び正気を取り戻した。

 

「お前、熱でもあるんじゃ無いか?」

 

 魔理沙が心配そうに言う。

 そんな魔理沙に、俺は霊夢になりきって答えた。

 

「いいえ大丈夫よ、ごめんね。少し考え事をしていただけよ」

 

「おおそうか。……無理はすんなよ?」

 

「分かってるわよ」

 

 良し、何とか乗りきった。俺の演技力も捨てたものじゃ無い。

 それはそうと、俺は一つ気になっている事がある。

 

「ところで、魔理沙はどうして此処に来たのよ?」

 

 俺が言うと魔理沙は笑顔で言った。

 

「何言ってんだよ霊夢、今日は博麗神社で宴会だろ?」

 

 ――――マジですか?

 

 

 

 

 

 外の世界、それは私の想像以上のものだった。大きな建造物が山の様に建ち並び、道には見た事も無い物体(車と言うらしい)が走り回っている。

 そうして気付けば、私は新太が通っていると言う学校まで来ていた。教室の中は生徒達の話声で賑わっている。

 

 私は教室に入り、自分の席がどこか分からないので、秀樹に席を尋ねる。秀樹は不思議そうな顔をしつつも、私に席を教えてくれた。

 私が席に着くと、鐘の音が学校に鳴り渡った。

 すると教室の中は、さっきまでの五月蝿さが嘘の様に一瞬で静まりかえった。

 暫くして、一人の男が教室に入って来る。そして男は咳払いをして言った。

 

「良し皆、今日はテストだな! 頑張ってくれ!」

 

 ――――え?

 

 

 

 

 

 




はい、お疲れ様でした!
次回も、のんびりしていってね!
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