久し振りの更新ですね。
はい!
それでは今回も、のんびりしていってね!
時刻は昼下がり。五時限目の授業も中盤に差し掛かろうかといったところだ。数学教師である石田が、抑揚のない声で淡々と問題の解説を行ってる。
俺はそんな石田の解説を、いつ意識が飛んでもおかしくない極限の状態で聞いていた。
五時限目は、最も奴の活動が盛んになる時間帯。午前を乗り切り疲れた心身、昼食で腹を満たし愉悦に浸った昼休み。そんな気の緩み、満身こそが奴の糧となる。
奴は待っていたんだ、この状況を。自分のパフォーマンスが最高潮に達するその瞬間まで、静かに爪を研ぎ牙を磨き、確実に獲物を仕留める算段を立てて。
そう、一度隙を見せれば最後。もう奴の独壇場さ。いかなる策も技も、奴には通用しない。後は時間の問題だ。じりじりと追い詰められる、崖っぷちまで。
まるで、蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶のように。深く絡まった糸に自由を奪われた蝶は、もう待つしかないのだ。忍び寄る捕食者の牙が、その身を穿つのを。
もう……駄目だ。俺は背後で荒ぶる大波を見て悟った。後一歩でも下がろうものなら、俺は崖から落ちて荒波に飲まれる。下がらずとも、いずれは前方より迫り来るる
しかし、負け方は選べる。同じ負けにしたって、意味は違う。
結果が全てだと言い張る奴がいるが、俺はそうは思わない。結果へと辿り着くまでのプロセスにこそ、全てが詰まっている。
そう、結果あっての過程ではない! 結果を築くプロセスがあるからこそ、結果は成り立つのだ!
お前に決定権はない。俺の最後は俺が決める! 貴様なんぞに終わらされてたまるか!
覚悟を決め、俺は跳んだ。思いっきり、ベッドに倒れ込むみたいに、背後の大海へ。なんだか気持ち良い。晴れやかな気分だ。これが有終の美ってやつなのかな。
「じゃあこの問題を……流先できるか? おーい流先、――ざき、――き」
途切れ行く意識の中、そんな声が聞こえた。すみません先生、俺もう限界っす。
そうして、まるでテレビの電源のように、俺の意識はプツンと切れた。
肩を揺すられた。顔を上げると、眼鏡をかけた男と目が合う。
「おはよう」
「え、誰?」
どっと、笑い声が上がる。見渡すと、クラスの生徒達が笑いながらこちらを見ていた。
そして、私は瞬時に状況を把握すると共に、失っていた記憶を取り戻す。
そうだ。これと同じ体験を、私は前にもしている。新太という男との入れ替わりを。
なのに、私はその事を今の今まで忘れていた。どういう事なの? というより、これって完璧に異変じゃない!
「で、流先。あの問題は解けるのかね」
眼鏡をかけた男は黒板まで行くと、チョークでコンコンと式を叩いた。
正直、私の心境としては問題どころじゃないのだが、仕方ない。天才の片鱗ってやつを見せつけて上げるわ。
えーと、何あれ? 二と五って数字以外は訳分からん符号じゃないの。そんなの解ける訳ないじゃんよ! 何考えてんの全く。
私が途方に暮れていると、不意に腰あたりをつつかれた。そして、振り向くより早く誰かが小声――女の子の声だ――で私に問題の答えを教えてくれた。
「エックスイコール、マイナス二分の五」
「はい、正解です」
ふぅ、助かった。名も顔も知らないけど、感謝するわ後ろの人!
それから十分程で鐘の音が鳴り、授業は終わった。
さっきの人に礼を言わなきゃ。
この前は結局いつも通りだったから、今回は自然に、男っぽくしよう。そうだ、魔理沙っぽいしゃべり方をすれば良いんだ。
後ろを向くと、少女と目が合った。肩まで伸びた黒髪にたれ目。おっとりしたオーラを纏った少女だ。
「あー、さっきは助かったぜ」
「いいえ、気にしないで下さい。後、居眠りはいけないんですよ」
少女はクスクスと笑いながら言った。
「おう、今度から気をつけるんだぜ」
そう返事をすると、少女は再びクスクスと微笑んだ。
「そのしゃべり方どうしたんですか?」
「なんか変なのぜ?」
「おかしいですよ、っふふ」
少女はツボにハマってしまったらしく、笑いに悶えている。
どうやら、魔理沙のしゃべり方は外の世界だとおかしいようだ。
誤算だったわ。侮る事なかれ、外の世界。
「なんだか、いつもの流先君とは別人ですね」
ひとしきり笑うと、少女は言った。私程でないが中々鋭い、こいつ出来る。
「まあそういう日もあるわ……ぜ」
またいつも通り話すとこだった。危ない危ない。
しかし考えてみれば、私はこの流先新太という人物像を全く知らない。ちょうど良い機会だし、聞いておこう。
「じゃあ、いつもの俺ってどんな感じ?」
「うーん、そんなに話しませんが、話しても何だか素っ気なくてすぐ会話が終わってしまいます。だから今日の流先君は、誰かと意識が入れ替わってるみたいです」
なるほど。素っ気ないの。てか、あんた本当に鋭いわね。私程ではないにしろ!
ここで、また鐘が鳴った。
私は前を向こうとして、ある事を思い出した。
「そういえばさ、名前なんて言うの?」
私が聞くと、少女は「酷いですよ!」と怒りながらも教えてくれた。
「
はい、ありがとうございました。
ちょっと蛇足が多かったりまとめが雑かもしれませんが、まあ仕方ないですね!
それでは次回も、のんびりしていってね!