魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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グレーゾーンのあたりで留めておかないと…。


エピローグ~男だけの遊戯会~第十話 大脱出

 「おい!!幹比古!!しっかりしろ!!」

 

 

 「う…、視界が…」

 

 

 「死ぬな~~!!」

 

 

 吐血し、倒れた幹比古を抱き起こし、声を掛け続けるレオのやり取りを無表情で見つめる達也。

 

 

 「……まったくこれくらいで動じていてはいざって時には動けないぞ?」

 

 

 「今がまさにその時だと思うが? ……そして一条、まずはお前の顔を見てから言った方がいい。」

 

 

 「何だと、司波! 俺が何か間違った事でも言ったと言いたいのか!?」

 

 

 「言ってはいないが、その顔では説得力も何もないぞ?」

 

 

 「あ、ホントだ。一条、鼻血出てるぜ?」

 

 

 「…………は?」

 

 

 レオからそう言われて、慌てて手を鼻に触れ、その手を見ると、そこには確かに見覚えのある赤い血が着いていた。

 

 

 「やっぱり一条もこういう所は興奮するんだな~!」

 

 

 「何を言うんだ!! それに西城も人の事は言えないはずだろ!? 」

 

 

 「俺も?なんでだ?」

 

 

 「西城も鼻血出しているじゃないか!!」

 

 

 「………一条君の言うとおりだよ、レオ。……鼻血どころか鼻の下伸びてる。」

 

 

 「うわあぁぁっ!!」

 

 

 何とか意識を保っている幹比古が下から覗きこむ形でレオの鼻血を確認する。二人の指摘を受け、レオは慌てて鼻血を拭き取る。

 

 

 「はぁ~…、三人ともそろそろいいか?早く先に進みたいんだが?幸いここが18歳以下は立ち入り禁止になっている場所だから、彼らも別の方へ行ったが、すぐに引き返してくるだろうし、いつまでもここに居座るのは嫌だろ?」

 

 

 「うん…、僕は達也の意見に賛成…。ここは…刺激が…強すぎる…。」

 

 

 「お、俺もいいぜ?」

 

 

 「俺も心に決めた相手がいるからな。こんなところは用はない。さっさとここから出よう。」

 

 

 「お前の告白をなぜ聞かないといけないんだ?」

 

 

 「な!! 俺は別に告白なんかしていない!!」

 

 

 「でもよ~、さっきのはどう言ったってそう聞こえるよな?幹比古?」

 

 

 「そうだね、深雪さんはもう達也と婚約している身なんだから、それを恋敵に向かっているのはちょっと…」

 

 

 「お前達まで…!」

 

 

 「二人とももういい。一条をからかうのは後にしろ。それよりも早くこのゲームセンターから抜け出す方が先だ。こうなったら、この中を通って、奥にある非常口から外に出るしかないな。」

 

 

 「え! ここから出てさっき言っていた道を行かないの?」

 

 

 「さっきの道は、彼らが既に向かって、見張りを何人かつけたようだ。もう使えない。だから、ここは戻らずに先に進むしかない。」

 

 

 「この先って…、まさかだと思うが、このエリアを抜けていくのか?」

 

 

 「他にどこを進むというんだ?入り口に集まりつつある彼らの中を飛び出して、あらぬ誤解を持たれたまま逃げるというのなら別に構わないぞ?」

 

 

 「「「いえ!! このままで結構です!!」」」

 

 

 見事なシンクロを見せたレオたちは達也の後を追って、非常口まで歩く事になった。

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 「ったく!!あいつら、どこに行ったんだ!!」

 

 

 「こっちに逃げてきたのは確かだ!!」

 

 

 「……という事は、後はここだけだな…。」

 

 

 達也たちを見失ったゲーマー集団はある一角を見つめる。そこは男の楽園とも言える領域のゲームが詰まった区域。相当の覚悟と引き換えにして、ようやく快楽を与えられる聖域だ。ゲーマー集団は息をのみ、互いの顔を見つめ合う。

 

 

 「……なぁ、やっぱりあそこなんじゃないのか?」

 

 

 「しかし、あそこは18禁だぞ?」

 

 

 「何を言っているんだ! たとえそうでも、男ならあそこに入りたいと思うのが普通だろ!なら、可能性はある。大体今時子供でも入っている!!」

 

 

 「……そうだな!! あいつらはあの中にいるに違いない!! あいつらを見つけ出し、恥ずかしい所を目撃してばら撒いてやる!!」

 

 

 「「「「「「「「「「おおおおおお~~~~~~~~~~!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 ……完全に目的が変わったゲーマー集団は、鼻の下を既に伸ばして楽園へと足を向けるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ねぇ、達也? まだ?」

 

 

 「まだだな。ゲーム機器が多いし、まばらに置かれているから回り込んだりしないといけない。あと、半分はあるな…。」

 

 

 「そ、そんな…!」

 

 

 「大丈夫か、幹比古?」

 

 

 「大丈夫…とは言えない。だって………」

 

 

 幹比古が顔を赤らめて口籠る。幹比古が言いたい事はみんな理解しているので、聞かないが、確かに幹比古の気持ちも一理あるから、少し歩調を早めて目的の非常口まで向かう。

 

 

 「ほら、幹比古。しっかり捕まっていろよ。」

 

 

 「あ、ありがとう。」

 

 

 幹比古はあまりにも刺激的なので、目を瞑りレオの服を掴んで歩いていた。しかし、これが更に恥ずかしいという事はみんな知らない。目を瞑っている中で、通り過ぎるゲーム機器から女の子の喘ぎ声がもろに聞こえてくるのだ。感覚が聴覚に傾いている状況でこんな目に遭えば、余計妄想してしま……いやいや考えてしまうため、一刻も早く出たいというのが幹比古の本音だった。

 

 そんな幹比古の願いが通じたのか、ゲーム機器の障害物を乗り越え、非常口まであと少しまで来た時だった。レオがあるゲームを見て、奇声を上げたのだ。

 

 

 「あああっ!!!」

 

 

 「うわっ!! 西城!いきなり声をあげないでくれ!」

 

 

 「そうだよ、心臓に悪い…。」

 

 

 「いや、だってこのゲームがこんな場所にあったとは思わなくて、驚いちまってよ~!! すげ~~~な…。」

 

 

 そしてレオが見ているゲームに達也たちも視線を向ける。そのゲームは江戸時代へとタイムスリップし、姫を救うという内容のものだった。一見してみれば問題ないように見えるが、ここがエロゲーの集いし場所であるのは明白。したがって、これも…

 

 

 『どうかわたしを御救いしてくださった殿方には、私を……差し上げます…♥』

 

 

 機械から10代後半くらいの女の子の声が聞こえてきた。

 

 

 「……レオ、何でこんなゲームを知っていたの? 場合によっては、少し考えさせて……」

 

 

 「いやいやいやいや!!! 俺はただ姉さんが買ってきた雑誌の特集にちらって載っていたのを暇つぶしで読んだ事があるだけで、やった事はないからな!!」

 

 

 「その雑誌とは何の雑誌だ? まさか………」

 

 

 「普通の雑誌だ! コンビニで売っている普通の!!」

 

 

 「二人ともそこまでにしろ。レオの事だ。姫を救いだすとかいうストーリーに惹かれたってところだろう。」

 

 

 「そういう達也はここに入ってから特に驚いたり、慌てたりしていないね。」

 

 

 「そう言えばそうだな…。おい司波!お前、まさかこういう行為に慣れて……」

 

 

 「一条、それはないぜ! 達也も本当は動揺しているに……」

 

 

 「?別に女性の裸を見たくらいで動じないだろう? 遥か昔、男も女も裸同然で暮らしていたじゃないか。」

 

 

 「「「………………」」」

 

 

 「どうした?3人とも。」

 

 

 「なぁ~…、達也は女の身体をしょっちゅう見ているのか?」

 

 

 「俺を変態みたいな言い方をするな、レオ。そしてその視線で見るのもだ。…まぁ確かにたまに女性の裸体を見る時があるな。別に気にした事はない。」

 

 

 達也は、こう答えたが、これが更なる誤解を生むのは当たり前で…。

 

 

 「達也……お前にそんな趣味があったなんて。」

 

 

 「お、俺は何も話さないから、安心しろ!」

 

 

 「し、司波さんはこんな趣味を持ったあいつが好きなのか……? そんな……馬鹿な……!」

 

 

 「……お前達、物凄く激しい勘違いしてないか? まあ、どんな勘違いしたかは後で聞かせてもらうとするか。」

 

 

 完全に目が冗談をいってない冷たい視線を向けられ、自分の寿命が縮む思いをするレオと幹比古。将輝は更に精神干渉魔法を使われているのではないかと、自分に意識を向け、相子に乱れがないことを確認できて、安堵した。

 

 

 「訓練で着替えたり、精密検査の際は全裸になる。男女関係なしにだ。羞恥心に囚われているようじゃ、やっていけない職場だからな。」

 

 

 何がとは具体的に明白にしなかったが、”訓練”や”職場”という言葉で、国防軍での話をしているとレオたちは理解した。既に達也が国防軍の特務士官であることは知っている。早とちりしてしまったと達也に謝ったレオたちは、不機嫌なオーラを放つ達也が静まったのを感じて安心する。

 

 

 「分かってくれればそれでいい。ほら、行くぞ。もう彼らがそこまで来ている。」

 

 

 達也の言葉を裏付けるように、後ろからゲーマー集団の声が徐々に大きくなってきているのを耳に入れた。そして、ここから出るために足早に非常口へと歩き出していった。

 

 

 

 

 「やった~~~!!やっと出られたぜ~~!!」

 

 

 「あのまま捕まったらどうなるかと思った…。」

 

 

 「もう疲れた…。」

 

 

 「ここに来るのは、しばらく止めておいた方がいいな。もっと普通のゲームセンターに行くとしよう。」

 

 

 「「賛成だ!!」」

 

 

 「僕はもういいっ!!」

 

 

 

 幹比古が悲痛の叫びをあげる。

 

 

 こうして、無事にゲームセンターから脱出できた達也たちは疲労困ぱいの身体を動かし、この場を離れていくのだった…。

 

 

 

 その後を物珍しそうに宙を漂って追いかける人ならざるものがいた。そのものによって、達也たちがとんでもない事に巻き込まれる事になるとは、この時は知るはずもなかった。

 

 

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 

 「こ、これは……あっ!! イ、良い~~!!」

 

 

 「き、気持ち良く、ってぇ~~~~!!」

 

 

 「堪らん~~~~!! あ、あ、ああ~~~~~!!」

 

 

 ゲーマー集団はというと、もう本来の目的だけでなく、達也たちの存在も忘れてエロゲーに打ちこみ、今まで味わった事がない快感にみんな溺れていくのだった。

 

 

 




……結局何しに来たんだ!!?ゲーマー集団!!


…まぁ、それはおいといて。次回からは共通ルートで進展させていこう…。ふふふ…。
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