”ドリームキャスター”での話はよく知らないので、(試し読みしかできていない)独自解釈が入ってます。
「君と遊んでいる時間はない。さっさとここから出してくれないか?」
突然現れた少女に向かって、第一声を掛けたのは将輝だった。将輝はこの状況を作りだしたのは、少女だと感づいていた。達也もそれを知っていたが、将輝がまだこの夢の特性まで知らないのは明白。将輝の紳士的な振る舞いも無駄に終わると理解していた。そしてそれは予想通りのものだった。
「ごめんなさい、私にその力はないです。 私はただ願っただけですから。」
「それはどういう意味……」
「君の願いを夢として具現化させ、俺達を巻き込んだのは、”ドリームキャスター”だな?」
少女の奇妙な言い方に将輝が訝しんで問いかけようとした時、それを遮る形で達也が答える。
「なんだ、その”ドリームキャスター”って言うのは?」
「人間が無意識に排出する想子によって起動する聖遺物の一つの事だ。この”ドリームキャスター”の場合は、複数の人間の夢を結びつけ、架空の世界で様々な疑似体験を可能とする力がある。まさかまた掛けられるとは…。」
「また? もしかして司波は前にも体験しているのか?」
「ああ…、あの時は大変な目に遭った。」
「ああ、俺達の夢とリンクしてしまったあれか!」
「確か…、その夢を見ている本人が満足するか、時間になって起きない限り脱出できないっていう…」
「今回もそれだとは限らないがな。あの時破壊したはずなんだが…。」
達也がため息を吐き出すと、今までの流れを見ていた少女が感心して頷いていた。
「さすが達也様ですね。そうです、私の願いを”ドリームキャスター”様が望みを叶えてくださったんですよ? ですが達也様が仰る方とはまた別のようですが。」
「そ……」
「それよりも!俺達に何をさせるつもりなんだ!」
達也が何やら言いたそうに口を開きかけたが、レオが言葉を重ねて要求を聞こうとする。達也もそれは思ったため、耳を傾ける。
「だから先程から言っていますよ~。私と遊んでほしいんです。夢の中でしか私は皆さんと遊ぶ事なんてできませんから。どうかわたしのほんの少しの我が儘に付き合って下さい。」
頭を律儀に下げる少女に若干戸惑う将輝と幹比古。
「どうする? 別に夢の中だし付き合ってあげてもいいんじゃないかな?」
「礼儀正しく頼まれているんだし、少女をこれ以上放っておくのもな…。」
「俺は賛成だぜ! この子に思い出を作ってやるくらい朝飯前だ!」
レオは断然ノリ気であるのに対し、
「………何者かもわからないのに、言う事聞くのか?」
と鋭い視線を向けて、威圧する達也だった。
前回の事もあり、乗りたくない感をただ漏らす達也にレオが駆け寄って、少女の元へと連れて行く。
「何を言ってるんだよ、この子の望みを聞いてあげれば、早く目覚めるかもしれないじゃねぇ~か!」
「お互い、利害は一致してるんだし、ここで放棄して何があるよりずっといいと思うよ。」
「女性を労わるのは紳士の務めだ。司波、男を見せるべきところだぞ?」
三人が一斉に達也へ罵倒?しにかかったので、達也はここは不利だと判断したのか、これ以上絡まれるのは勘弁だと思ったのか、苦い笑みを浮かべつつも、少女の望みを受け入れる事に賛成するのだった。
「それで、君は一体何をさせたいんだ、俺達を。」
達也がこの夢から覚める方法を尋ねる。しかし、少女から告げられた内容は信じられないものだった。
「ふふふ…♥ 女性を口説き落としてくださいな。もちろん最後まで!」
「「「「……………は?」」」」
達也たちはあまりにも意外な要求に開いた口が塞がらないほどしばらく固まった。
口説き落とせだと!!
な、な、何を言ってるんだ!この子は~~!!(と言いつつも、目をハートにしてます)