魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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美月にそっくりな少女だったなんて!
ここからどうするんだ?


葛藤しまくる幹比古

 

 

 

 

 

 

 まさか目の前の少女が美月ではなく、美月にそっくりな『ミツ』という少女だったと知り、幹比古は今まで抱いていた感情が爆発しそうになる。

 美月だと思っていた分、「仕草や表情が可愛い」とか、「天然なところも柴田さんらしい」とか「そう言う所が僕が柴田さんに惹かれたんだよな…」とか考えていた。それが別人を見て、考えていたなんて思うと、美月以外の女性に好意を寄せていた自分が嫌になってくる。しかし、幹比古が美月だと思っても無理はない。見分けなんてつかないほどそっくりなのだから。

 黒髪が肩まで伸び、綺麗に整えられているし、その髪を一掬いして後ろで簪を挿して留めている。大きく開いた優しげな目も豊満な胸も……、同じだ。纏っている雰囲気もこれまでの言動も美月にそっくりだ。念入りに確認するようにミツを観察する幹比古。それはミツが異様なほど幹比古が顔を覗き込んでくるので、顔を赤らめるぐらいだ。この反応も同じだ。

 確認するたびに美月しか思えない幹比古だった。しかし、今まで美月一筋に恋心を胸の内で育んできた幹比古にとっては、例え美月そっくりな少女でも他人である限り、全くの別人なので、その別人に好意を寄せるのは、二人に失礼なのではないかと罪悪感と羞恥心、それに自分に対する怒りとも情けなさとも何とも言えない複雑な心境が沸き起こり、余計に自分を責めるのであった。

 

 

 (僕は柴田さんにも、ミツさんにもなんてことを…!

 

  人間違いして不愉快な思いをさせてしまう事をしていたなんて…。そりゃ、そっくりすぎてびっくりしたし、間違えても仕方ない…とか思っては…ない。ないから!

  ………いえ、思いました。すまない…! ほんの少し…だけだったんだ!

  でも、想いを寄せている相手のふとした変化や違いも見抜けないなんて、恥ずかしいじゃないか!? 『好きな女の事なら、何でも分かる』…とかいう格言めいた台詞を実家の道場で稽古をつけている門下生たちが話しているのを聞いた事はあるし、それが当たり前だと門下生の女子達が断言していたのも見ていた。

  それができていない僕って、このまま柴田さんを好きでいる資格ってあるのかな…?)

 

 

 頭を抱えて終いには、美月への愛が少なかったんだと思い始め、今まで美月へ向けていた恋心を最上級で、これほど強い愛情は誰にも抱かないだろうと思っていた内なる幹比古の自慢を打ち砕いた。まだまだ愛情が足りていなかったと考え、途端に美月が離れていく感覚に身体が恐怖する。考え事をする際、脳裏にジト目で見てくる美月が思い浮かび、動揺する幹比古。今の幹比古は更にその後ろでエリカにくどくどと説教を受ける幻影を見るくらい、かなり落ち込むのだった。

 

 

 こんな感じでショックを受けるくらい美月への愛を持っている幹比古。余談だが、この夢から覚める時、実はこの夢世界を作ったあの少女が、みんなの記憶から親しい人物のデータを取りだし、キャラを作り上げた事を聞かされるのだ。つまり、幹比古の記憶の中の美月のデータをこの世界におけるキャラとして登場させていたのだ。だから似ていて当然。中身は美月なのだから。ただ美月の意識が入っていないだけ。

 

 しかしこの時はそんな事とは知らない幹比古は、ただ目の前の衝撃的展開に絶句するしかなかった。

 

 

 




幹比古、恋に正解とかはないと思うよ? ここは素直に認めな。

相しないと、これからもっと落ち込んでいきそうだわ~。
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