でも、今のうちは拗ねている。そして怒っている。
なぜなら・・・・・・
「あ、あの!! 幹比古さん!!」
大声で話しかけられた幹比古は、振り向く前にその人物を声で真っ先に認識し、笑顔で振り返る。まだ数日だけしか話をしていないだけなのに、久しぶりに聞く彼女の声でほっとする。
「な、なんでしょう!! ミツさん!」
…ただし、嬉しさのあまりに声が裏返って、緊張していることが丸わかりなのだが。
「い、いえ! 幹比古さんに言いたいことがあって…。」
それはミツも同じことで緊張しながらも、伝えようと深呼吸する。しかしその間が幹比古にとっては何を言われるのか、不安で仕方ない時間であった。
そんな幹比古の不安もすぐにミツにまっすぐに目を向けられることで、霧散していった。まだ何も言ってはいないが、ミツが「出て行ってくれ!」とか、「許さない」とか言うつもりがないという事は目だけでわかった。だから幹比古も落ち着いてミツの話に耳を傾ける事が出来た。
「私…、気にしませんから! 幹比古さんが私に隠していた理由もわかりますし、仕方なかったんだって今は思います。あの時は…、今までの優しさももしかしたらその…、私にそっくりな方に見せていたものかもしれないって思ったらなんだか悲しくなって…。気持ちが落ち着くまで幹比古さんの顔も見れなくなりました。でも!私、幹比古さんがそれだけで私と過ごしていたわけじゃないって信じてます!
だから…、これからもよろしくお願いします!」
勢いよく頭を下げるミツに、幹比古は頭を上げるように言う前に、自分も頭を下げて謝りだす。
「嫌!僕の方が悪かった! 確かにそっくりだからといって、重ねてしまうのは気分が悪かったと思う! ミツさんがそう思ってしまうのもしょうがないし、そうさせたのは僕自身だ!だからミツさんが謝る必要はないよ。全部僕が悪いから、頭を上げてくれないかな?
僕が謝るっ!」
絵図としては二人とも向き合った状態で頭を下げ、腰が90度に曲がっている。一見遠目で見れば、何かのオブジェか?と思うくらいのきっちりとした腰の曲げ方で、互いに動きもしないものだからより一層そう見える。
そのせいもあって、なかなか次の言葉も飛び交う事もなく、この状態が続き、二人とも相手の事が気になったため、少しだけ頭を上げて相手の顔を窺い見ようとする。それが二人とも同時だったため、窺い見ようとした視線がぶつかる。
「…ふふふっ」
「…ははは」
お互いにすることが同じで、おかしくなった二人は初めは苦笑だったが、次第に楽しそうに笑い出す。一緒に頭を上げて、笑う二人。その結果、空いていた溝が埋まっていった。
「それではこれで仲直りですね。」
「……いいの?ミツさん。」
「ええ、幹比古さんと仲直りする事が今の私には何よりも大事なのですよ。」
「…ありがとう。」
こうして無事に仲直りでき、心から胸を撫で下ろして、安堵する幹比古の頬が綻んだ。その甘いマスクを見て、ミツも幹比古とは少し違った感情で綻んだことは、この時の幹比古には気づく事はなかった。
そんな二人んも仲睦ましい雰囲気の中、近づいていき、声をかける人物が現れる。
「お、なんだよ、幹比古。もう仲直りできてるんじゃね~か。心配して来てみるまでもなかったな。」
頭を掻いて登場したのは、レオだった。
「おかげさまで、無事今、仲直りできたよ。」
「あ、こんにちは。」
「あ……、おっす。…じゃ、俺帰るわ。じゃな。」
「え?もう帰るのかい?」
「だって、俺がここにいるとお前、二人きりになれね~だろ?」
居心地悪そうに視線をさまよわせながら幹比古の問いかけに答えるレオの様子を見て、何を言いたいのかを悟った幹比古は顔を真っ赤にする。
「違うから! そんなつもりはないから!!」
やけに幹比古が慌てだし、レオも幹比古ほどではないが同じく慌てだすのを見て、ミツは仲がいいのですねと羨ましく思いながら、笑うのだった。
劇場版グッズが公開されて数時間で売り切れ続出していた。そしてさっきヤフオク見たら、新品未開封で高値で売られて……。ふざけるな~~!!(泣)
もう再入荷もないって、友達から連絡受けたうちの気持ち、わかるか!?
発売当日でもう販売終了なんだぞ~!!
絶対に打ちと同じ気持ちの人がいるはずだ!! …そう思いたい。
(心が黒くなっていくうちの心の声でした。)