魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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さて、遊ぶ前に、少し談話を…。

キャラの独自解釈が入ります~…。


エピローグ~男だけの遊戯会~第五話 初めて

 

 

 レオに連れられてきたのは、レトロなゲームセンターだった。

 

 外装は一世紀前ほどのホームシックな感じではあるが、なぜか高層ビルのように天高く伸びた一軒家風であった。

 

 そんな建物の前に横一列で見上げる達也達。

 

 

 外装に妙な違和感を感じるが、多くの人が扉を開けて入る度に中から機械的な音や盛り上がっている客の笑い声が一気に外に拡散してくる。

 そして、レオも生き生きして拳を片手に打ち込んで、早くもやる気全開だ。

 

 

 「ここか?レオが言う『男の闘い』ができる場所というのは。」

 

 

 「ああ! ここって一昔のゲームから最新までが揃っていて、スッゲー楽しいぜ! あと、スポーツもできるしな! 

  ・・・・・

  全身使って遊べるし、学校では加減もしないといけねぇーし、まともにやりあえないからな!」

 

 

 「レオらしいけど…、僕、こんなに人がいっぱいいそうなところは…」

 

 

 そして早くもノックダウンを受けそうになっている幹比古。人の気に中てられやすい体質の幹比古も想像するだけで、この調子だ。

 しかし、幹比古の具合悪そうな様子を受け流す人物が一人。

 

 

 「レオらしいな。確かにここならいろいろ遊べそうで、飽きそうにない。」

 

 

 薄笑いを浮かべる達也が、ビルを見上げながら感想を述べる。

 

 

 「……達也、せめて僕の」

 

 

 「ん? どうした幹比古。 顔色が悪いぞ?」

 

 

 「…う、うん…。大丈夫、なんでもない。」

 

 

 達也が珍しく乗り気な感じを見て、せめて自分の体調を慮ってほしいという小さな願いを口にするのを止めた。

 それよりも、達也がゲームセンターで喜ぶとは思わなかったため、意外感に駆られたのだった。 

 それは、レオも同じ。

 レオも達也のいつもの様子とどこか違うことを直感で感じ、真っ向から聞いてみた。

 

 

 「なぁ~、達也。もしかしてこういう場所って初めてだったりするか?」

 

 

 「ん?よくわかったな、レオ。実はそうだ。こういった若者が集まる場所はもちろん、一緒に遊んだことはないな。」

 

 

 「「え!!?」」

 

 

 まさかの達也の遊んだことがない宣言に驚きを隠せない二人。

 

 

 「…ってことは、達也、お前今まで友達が……いなかったのか?」

 

 

 「そんなことはないぞ? クラスメイトならいたが、全員なぜか俺と距離を取っていたからな。同級生で遊びに行くとき、いつも俺を誘うかどうかで真剣に悩んでいるのをよく見かけていた。」

 

 

 「それって、中学の時?」

 

 

 「いや、幼児のころからだ。」

 

 

 「「…………」」

 

 

 一体どうすれば、そんなことになるんだ…?と二人が言葉にならない疑問を提示している頃、一人だけ輪から外れた場所に蹲る将輝の姿があった。

 

 てっきり、魔法試合や裸の付き合い…とかレオの戦闘的な見た目からそう判断していた自分の予想が大きくかけ離れていた事に、ショックを受け、壁に頭を凭れ掛かっている。そして、なぜそれが頭に浮かんだのかと羞恥心に陥っていた。

 

 

 しかし、将輝としては幸いな事に、レオも幹比古も達也の衝撃発言に意識が集中していたため、視界に入る事はなかった。

 

 

 「……ちょっと、聞くけどいい?達也」

 

 

 「何だ、幹比古。」

 

 

 「達也はさ…、昔からそうなの?」

 

 

 「? ”昔から”とは何のことだ?」

 

 

 「あ、いや、その………」

 

 

 幹比古の問いかけに訝しく思った達也は、思わず睨んでしまう。幹比古はそれに気圧されて、聞きたい事を聞けずに固まる。しかし幹比古には、味方がいた。…というより、達也の一睨みだけで怖気付く事はないもう一人の友人が、今度はスパッと切りこむ。

 

 

 「幹比古しっかりしろよ。 達也に聞きたかったのは、昔から今みたいな性格や態度だったのかって事だろ?」

 

 

 「う、うん、そう!! そういう事!」

 

 

 「なるほど、そういう事か。そうだな…、物心ついた頃からそうだったかもしれないな。それがどうした?」

 

 

 「「納得!」」

 

 

 「は?」

 

 

 レオと幹比古が同時に問題が払拭し、すっきりしたという顔でうんうんうなずく。

 勝手に二人で納得してしまったので、達也は謎が残る。達也は自分の事には鈍感すぎるため、他人に言われなければわからないのだ。

 でも、二人が言うつもりもないのなら、気になるが、白状させて聞きたいと思うかと言われると、そこまでないと即答するだろう。

 達也もそう判断し、気にしない事にした。いまは、それよりも遊びに来たのだから。

 

 

 一方で、レオと幹比古は達也に背を向けて、何やらひそひそと話す。

 

 

 「やっぱりだな。達也が今みたいな性格なら、納得だぜ…!」

 

 

 「そうだね、みんな近寄りがたかったんだよ、きっと。

  達也って、年齢は僕たちと同じくせに、見た目や雰囲気が10歳年上………ううん、大人っぽいから。きっと気後れしたんじゃないかな?」

 

 

 「大人っぽいというよりは、もう大人な考えだからな…。見た目に反して大人な感じに振る舞っていたら、確かに誘いづれ~よ。

  『こいつを誘って、本当に大丈夫なのか?』ってな。」

 

 

 「そうそう、次元が違いすぎて、逆に自分達の遊びが達也も気に入るか分からないって思う。」

 

 

 「それに、普通にはしゃいで遊ぶ達也って想像できねぇ~!!」

 

 

 「………かなりの迫力があるね、それ。」

 

 

 こうして二人で達也の元同級生たちに同情を感じながら深く頷いていると…

 

 

 

 「………俺はそんなに、普通の遊びには向かないのか…。」

 

 

 「「達也っ!!」」

 

 

 突如として後ろから話しかけられ、ギョッとし、心臓が跳ねる二人。

 

 

 「お、驚かすなよ!達也!!」

 

 

 「そ、そうだよ!! 心臓に悪いよ…。」

 

 

 「幹比古…、俺はそんなに10歳以上年取っているように見えるのか?」

 

 

 「え?………あ、…………………ごめん、達也。」

 

 

 

 

 

 小声で話していたのに、達也に聞かれていた事に一瞬驚いたが、それ以上に達也が実年齢よりはるかに見た目が年上に見られている事に、地味にショックを受けている事の方が驚いた。

 

 いつも通りに顔にはショックを受けている感じはなく、無表情だが、達也の気迫が薄れている事は嫌でも理解できた。

 

 だからか、幹比古は居心地の悪さと罪悪感に陥り、謝るのだった。

 

 

 

 「わ、悪かったな! 達也!!

  じゃあ、達也もダチとゲームセンター来るのは、初めてなんだろう!?なら、一緒に見て回ろうぜ! 

  よし! 中に入ろうぜ!!」

 

 

 「そ、そうだよ!! 入ろう!!」

 

 

 「それに俺は嬉しいぜ? 達也と初めて遊ぶ奴が俺達だってな!」

 

 

 慰めているのか、喜んでいるのか、とにかく達也をショックから引き離そうとするレオと幹比古の温かさに触れ、達也もこういうのも悪くない…と胸の中で何か温かいものを感じながら、いよいよゲームセンターの中に入っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あ、そうだったぜ。お~~~~い、一条~~!!

  何やっているんだ~~? 早く来いよ~~!!」

 

 

 いまだに壁に頭をついて、勢いよくそのまま頭を打ちつけようとしていた将輝に今気づいたと言わんばかりに声を掛ける。

 

 

 「あ、ああ! 今行く…!!」

 

 

 将輝はいつの間にかフリーズしていたが、気持ちを一身に入れ替えて、この際だから、ゲームで達也に勝ってやると意気込んで、早歩きで三人と合流するのだった。

 

 

 

 

 しかし、それは将輝に更なる敗北と悔しさを与える事になるとは、本人ももちろん、ギャラリーでさえ思わなかった…。

 

 

 

 

 

 




将輝、今回はのけ者になったな。
…というか、達也の初めての遊戯が今!!?

普通の家庭で育った幸せな子なら、きっと「えええええ~~~~~~~~!!!!」ってなるだろうね。でも、四葉だし。達也だから。
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