最後の希望を目指す転生者 え、俺の事? 作:x-フィリップ-x
アースラに行ってから数日過ぎ、クロノからの念話がきた。
本日、高町とテスタロッサが決闘するようだ。
「ふぁあー」
眠い。今は朝の6時前でスゲー眠い……。小学低学年が出歩く時間ではないだろこれ。
今回の決闘にも俺のやることは特にない。昔から言うように喧嘩はタイマンが基本であり、漢は拳と拳でぶつかり合い友情を育むと相場が決まっている。……まぁー、漢でもなければ拳も使わないけどそんな事はどうでもいい。ようは気持ちの問題だ。
ともかくこの決闘に首を突っ込むつもりもないのでテレポートウィザードリングを使いアースラの中に移動して一緒に傍観させてもらうことにした。
クロノに念話でそのことを伝えるとエイミィさんがいるらしいが、めんどくさいので俺の事はクロノに丸投げすることにした。
『テレポート・プリーズ!』
クロノの魔力反応をもとにテレポートで飛ぶとこの前とは違う巨大なモニターとそれの操作パネルだけの部屋に出る。そのにはクロノの話通りクロノとエイミィさんの2人だけがいた。
クロノその手に持ったヘアスプレーは何?
「おはようクロノ、それと初めましてエイミィさん」
「あぁ、来たか」
「え、えぇー! ちょっとクロノ君この人だれ!?」
「ちょ、落ち着けエイミィ!」
いきなり現れた俺にエイミィさんが驚いて立ち上がりクロノの肩を激しく揺らす。
こうやってみるとやっぱりクロノ小さいよな……。大丈夫! 10年後には立派になってるから心を強く持ってくれ!
「彼はその、なんと言ったら……。とにかく彼は味方だ!」
「え? そうなの?」
「あ、あぁ。かあさ、艦長の個人的な協力者なんだ」
「へぇ~そうなんだ。初めましてエイミィ・リミエッタです。よろしくお願いします」
「初めまして、こちらこそよろしくお願いします。ウィザードとでも呼んでください」
「ウィザード?」
「彼のコードネームのようなものだよ」
「? そうなんだ」
エイミィさんとの自己紹介も済みモニターに目を移すと今にも戦闘が始まろうとしていた。
たしか今回の本当の目的はプレシア・テスタロッサの居場所を発見することだったけ? だからどちらが勝とうが別にいいんだったはず。
いや~それにしてもすさまじい戦闘だよね。高町本当に魔法覚えて間もないのかよあれ……。テスタロッサもさすがだよな。
あ、テスタロッサが掴まった。と言うことはそろそろ決着かな?
高町の前に桜色の巨大な魔力が集まっていく。
『受けてみて、これが私の全力全開』
モニターから聞こえてくる声。そう言い放たれる巨大な収束魔法……。
…………
あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
桜色の巨大な光がテスタロッサを包んだと思ったら、次の瞬間にはテスタロッサはモニターからは消えていた。
な……何を言っているのかわからねーと思うが俺も何が起きたのかわからなかった……。催眠術だとか超スピードだとかそんなちゃちなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。
なぜポルった俺……。
「なんつーバカ魔力!」
「うわー! フェイトちゃん生きてるかな?」
そうクロノとエイミィーさんも言っている。
いやマジであれ生きてるの? って思う。だって知識としては知っていたはずなのに超ビビってるもん俺……。ヤバイ、汗が止まらない。
高町が海に落ちたテスタロッサを助けに向かい、抱えて飛び出してくる。負けを認めたのかジュエルシードがバルディッシュから出される。
「よし、なのは。ジュエルシードを確保して。それから」
「いや、来た!」
そうエイミィさん言うと凄い速さでキーボードを叩く。そしてクロノが聞き返す時には座標を割り出してリンディさんの方に送ったらしい。
今は武装局員がプレシア・テスタロッサの拠点に乗り込んでいる。だが、局員は全く歯が立たず倒される。それを見たリンディさんからこちらにいるエイミィーさんに送還を命令する。局員達は怪我を負ったものの、幸いなことに死者は1人もいなかった。
局員がいなくなり、プレシアはアリシア・テスタロッサの入っている生命ポットを触りながらゆっくりと語りだす。話す内容はとても辛いものだった。それこそテスタロッサのすべてが否定されるようなものだった。
「チッ!」
「「!?」」
俺はそれを聞き感情のままにすぐ横の壁を殴る。人形……だと?
「ふざけんじゃねーぞ……」
自分の中で何かが暴れてるようだ。こんなにも不愉快なのはいつ以来だ……。
だが、俺の感情など知ったことかと言わんばかりにプレシアしゃべり続け、最後の一言とばかりに、
『いいこと教えてあげるはフェイト。あなたを作り出してからずっとね、私はあなたが大嫌いだったのよ(・・・・・・・・)』
それを聞き、モニター越しに崩れ落ちるテスタロッサが見えた……。