最後の希望を目指す転生者 え、俺の事?   作:x-フィリップ-x

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21話 戦う覚悟

 深夜のヴォルケンリッターとの戦闘。

 今、俺とシグナム、ヴィータが対峙している……。先ほどシャマルとザフィーラをなんとか倒すことができた。だが同じやり方ではもう2人を倒すことはできないだろう……。

 こちらは相手の基本的な戦い方を知っているのに対し、あちらは俺の魔法の詳細を一切知っていないというアドバンテージがあったことによってできた奇襲。これ以上はあまり効果が望めないだろう。

 

「なんだよさっきから! わけわかんねーよ!」

 

「落ち着けヴィータ。先ほどから見ていてわかるように、あの指輪を付け替えないと特殊な魔法は使えないようだ。だったら付け替える暇を与えなければいい」

 

「あぁ、わかった」

 

 やはり気づかれたか……。ウィザードリングのデメリットは指輪の交換にかかるロスタイムだ。ほんの数秒ではあるが、接近戦を得意とする相手には分が悪い……。

 だったら後は真っ向から戦った方がましだ。2人もここからは俺に指輪を付け替える暇を与えてくれなくなるだろう。

 考えが纏まり、再びウィザーソードガンを構える。

 

「おらぁー!」

 

 最初に動いたのはヴィータだった。直線的に勢いをつけて接近してくる。その間にシグナムが回り込みつつ接近してくる。

 

「クッ!」

 

『ディフェンド・プリーズ!』

 

 とっさに右手にディフェンドウィザードリングを使い、魔力で出来た壁でヴィータの攻撃を防ぐ。そして反対側からシグナムの剣が迫ってくる。それにギリギリで間に合い何とか受け止める。

 だがそれが失敗だった。シグナムの攻撃は重く、弾き飛ばされないようにするだけで精一杯だ。その間にヴィータがディフェンドの壁を破壊し俺の腹部に向かってハンマーが叩き込まれる。

 直撃を受け、俺は吹き飛ばされ地面に激突する。

 

「グッ! ……イッ!」

 

 痛って! なんつう破壊力だよ! ランドの硬さに助けられたけど、こんなもん何発も喰らったら無事じゃ済まない……。

 思っていた通り、この2人に接近戦に挑むのはまずい……。俺の戦闘技術はまだまだ2人には及ばない。

 

 だがその後も同じように2人同時に来られては手も足も出ず、すでに5回の直撃を受けた……。

 

 

「まだやるか?」

 

「当たり前だろ……」

 

 シグナムが俺を見下ろしながら聞いてくる。痛む体に鞭打ち立ち上がり、構える。まだ意識はしっかりしている。体は痛いが、前世ではよく絡まれてこの程度はよくあった。そして何より、まだ気持ちが負けていない。

 

「なんで……なんでだよシュウ! なんでそこまでして首突っ込もうとすんだよ!」

 

 なんで? そんなの決まっている。

 

「さっきから言ってんだろ。お前らがはやてのためにしてるのと一緒で、俺もはやてに笑っていて欲しいんだよ」

 

「だからってどうしてそこまで!」

 

 ヴィータが悲痛な顔で叫んでいる。隣にいるシグナムも似たような顔をしている。

 それだよ……。その顔だよ……。

 

「お前らがそんな顔してたら、はやては笑っていられないだろ。だからはやてだけじゃない、お前らも一緒に笑っていないとダメなんだ!」

 

「だが我らは止まることはできない! 主はやてのためだったら我らはどんな罪でも被ろう! だから今は何があろうと立ち止まるわけにはいかない!」

 

 そう語るシグナムの目には確固たる覚悟があることがわかる。

 

「俺もお前らと同じくらいはやてには生きていてほしいと思っている……。だから……」

 

 俺は決めたんだ。絶対にあきらめないと。

 

「だから俺も戦う! お前らと一緒に! 戦うことが罪なら、俺が一緒に背負ってやる!」

 

 だから絶対にこの戦いに負けるわけにはいかない!

 左手のランドウィザードリングを外し、いつものフレイムとは別の赤いウィザードリングをはめ、バックルにかざす。

 

『フレイム・ドラゴン……。ボー!・ボー!・ボー!ボー!ボー!!』

 

 以前使ったハリケーンドラゴンと同じく、自身の目の前に魔方陣が展開される。

 赤い魔方陣から赤色の魔力を纏った姿をしたウィザードラゴンが現れ、魔方陣が自身を通過すると同時に背後から俺の中に入り一体化する。フレイムドラゴンスタイルに変身する。

 

 変身の余波で炎が巻き上がり、それに2人が一瞬怯む。その間に右手のウィザードリングをコーピーに交換する。それをバックルにはもっていかず、手に持っている

ウィザーソードガンの手形型のハンドオーサーを起動しリングをかざす。

 

『キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ! コピー!』

 

 次の瞬間リングをかざした方の手、右手にも全く同じウィザーソードガンが現れ、二刀流の構えを取る。

 

「シグナム、ヴィータ、悪いけどこれで決めさせてもらう!」

 

「望むところだ……」

 

「はっ! やれるもんならやってみやがれ!」

 

 2人はまた、連携して攻撃をしてくるが、俺は両手に持ったウィザーソードガンを使い2人の攻撃をいなす。ドラゴンになったことで能力が全体的に上がったことで2人の攻撃を片手で受けても押し負ける事はなくなった。いや、むしろ俺が押しているぐらいだ。

 

「クソ! さっきに比べてかなりパワーが上がってやがる!」

 

「落ち着けヴィータ。一気に押し切るぞ!」

 

「わかった!」

 

 バックステップで距離をとる2人は、そしてデバイスに向かい何かを言っている。

 

『『カートリッジリロード』』

 

 同時に2人の魔力が跳ね上がる。相手はこれで決めるつもりだろう。だけどここで引いたら男が廃るってな!

 右手に持っている方のウィザーソードガンを放り捨てる。

 

『コピー・プリーズ!』

 

 つけたままのコピーウィザードリングをバックルにかざし、次は俺自身を増やす。

 全く同じ動きをする俺は右手のリングを替え、ウィザーソードガンのハンドオーサーをもう1度起動する。

 

『『キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ! フレイム!スラッシュストライク!ヒー!・ヒー!・ヒー!』』

 

 ソードモードのウィザーソードガンの刀身に赤い魔力が凝縮する。

 

「「行くぞ!」」

 

「「来い!」」

 

 真正面から来る2人に迎え撃つ俺。

 

「紫電一閃!」

 

「フランメ・シュラーク!」

 

「「スラッシュストライク!」」

 

 距離を詰め、それぞれの武器を力いっぱい振り切る。4人の必殺技がぶつかり巨大な音とともに吹き飛び、地面に叩きつけられる。その余波によって煙が巻き起こる。先ほどの反動でコピー体は消えてしまったが何とか無事だ……。

 煙が張れると、2人とも膝をついてはいるがまだ戦えるようだ。だけど、ここで決める!

 

『バインド・プリーズ!』

 

 2人の周りに魔方陣を大量に展開し、逃がさないように確実にとらえる。鎖で捕え、その場から動けなくする。

 

「さぁー、フィナーレだ!」

 

『超イイネ!スペシャル…サイコー!』

 

 魔方陣が目の前に現れ、その中からドラゴン変身時にも現れたウィザードラゴンが出てくる。ウィザードラゴンは俺の周りを1周し、背後から俺の中に入ってくる。それにより胸部にウィザードラゴンの頭が具現化される。

 地面から少し浮き、背部に魔方陣が展開される。胸部のウィザードラゴン頭部の口が開き、膨大な魔力が収束していく。

 その光景を見た2人は顔が青ざめて行くのがここから見て取れる。

 

「なんだよその魔力!」

 

「止め! 行くぜ!」

 

 その言葉とともに放たれたドラゴンブレス、収束させた魔力は巨大な火炎放射となり2人を飲み込む。

 攻撃が終わると地面には気絶している2人が見えた。




新しいウィザードリング
・フレイムドラゴンウィザードリング
 フレイムドラゴンスタイルに変身するのに使用。
 フレイムスタイルの強化スタイル。スペシャルウィザードリングで具現化するのは頭部。
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