最後の希望を目指す転生者 え、俺の事? 作:x-フィリップ-x
『さて……。どういう事か説明してもらおうか』
「それは……その……」
あれデジャヴ? と思うこの状況。
現在俺は、クロノとモニター越しに話している。もちろん内容は前回のなのは襲撃についてだ。
『はぁー……、まあいい。今回の事でこちらも正式に動くことが決まった。近いうちにそちらに仮の拠点を設けることになるだろう。その時に詳しい話を聞かせてくれ』
「わかった、それまでに話す内容をまとめておくよ」
そう言い、クロノとの通信を切る。
あ~、胃が痛い……。完全に俺、中間管理職の人だよねこれ……。
少し前の11月上旬の事だ。
「あ! ウィザードさん! 久しぶり!」
「お久しぶりです、ウィザードさん」
「あぁ、約2ヵ月ぶりかな。2人とも元気だったか?」
「「うん(はい)」」
アースラにある個室に入ると、テスタロッサ姉妹が既に来ており、俺を待っていたようだ。
今日は、アリシアの魔力補給日のため、2人にはアースラに来てもらっている。フェイトに関しては、前回の事件の罪の分があるが、そのほとんどをプレシア自身のせいであるとプレシア本人が言い張り、そのためクロノの同伴ありではあるがアースラに来るなどの多少の融通は効くそうだ。
「んじゃ、早速だけど終わらせておくか」
「うん!」
そう言うと同時にアリシアはウィザードリングを付けた右手を、俺のウィザードライバーのバックルにかざす。
『プリーズ・プリーズ!』
一瞬アリシアの体を俺の魔力が包み、魔力補給が終了する。
「はい、終わりっと」
「ありがとう、ウィザードさん」
「どういたしまして。一応だけど、体に違和感とかないか?」
「うん! 大丈夫!」
「了解。ただ何があるかわからないからあんまり無茶はするなよ」
「は~い」
元気よく返事をするアリシア。ただ、ちゃんと聞いているのか不安になるほど元気である……。
「本当にわかっているのか? はぁ~、悪いけどフェイト、アリシアが無茶しないように頼んでもいいか?」
「はい、姉さんの事は任せてください」
「ありがとう、よろしく頼むな」
「い、いえ」
こころよく引き受けてくれたフェイトに感謝の言葉をいいながら頭を撫でる。変身すると身長が伸びるせいか、丁度撫でやすい身長なんだよな。
ただ、頭を撫でるとフェイトは俯いてしまった。嫌だったかな……。
「あぁ! フェイトだけずるい! 私も撫でて、撫でて!」
「? よくわからんがアリシアも撫でればいいのか?」
「うん!」
本当によくわからんが、とりあえずアリシアの頭を撫でる。すると「えへへ」と嬉しそうな顔をするアリシアと、その横にはいまだに俯いたままのフェイトと言う構図になった。
こうして話していると本当に思うのだが、アリシアが妹で、フェイトが姉だよう……。仕方がないとはいえ、身長もフェイトの方が高いし……。
さて、今日のやることのうち、1つは無事終わった。なので、もう1つの方に移ろうと思う。
「クロノ、少し話があるんだけどいいか?」
「話し?」
「あぁ、できればリンディさんを入れた3人で……」
「……わかった。少し待っていてくれ」
そう言い部屋を1度出て、しばらくしてリンディさんを連れて戻ってくるクロノ。そしてアリシアとフェイトには悪いが退席してもらい話を始める。
「で、話しはなんだ?」
「ごめん、ちょっと待って」
ホープに頼み、音声・映像の記録媒体がないかを念のため調べ、ないことを確認し変身を解く。
「よし。待たしてすみません」
「いえ、大丈夫よ。で、修也君、話しとはなんでしょうか?」
「はい。……今から話すことは当分はここにいる3人だけの秘密にしてもらいたいんです」
「なんだ? また指輪の魔法に関係した話なのか?」
「いや、今回は俺個人とは全く関係ない。むしろ、2人に大きく関わる話です」
「……わかりました。詳しく聞かせていただいてよろしいですか?」
「はい」
リンディさんの返答を聞き俺は、俺の知っている闇の書に関する話をすることにした。
「最近起きている、管理外世界での危険な猛獣のリンカーコアの消失については知っていますか?」
「あぁ、最近頻繁に起きている事で少しばかし話は入ってきている」
「たしか、人が住めないような危険な管理外世界に存在する、魔力を持った生き物のリンカーコアが奪われることが多発しているだったかしら?」
「はい。それです」
やはり、2人には話が入ってきているようだ。そうなってくると話が早くて助かる。
「それを行っている中の1人が俺です」
「「!?」」
「どういう事だ!」
「落ち着いてくれクロノ」
この後に2人にとってはもっと納得のいかない単語を出さなければいけないのだ……。意を決してこの単語を出す。
「闇の書」
「「!?」」
またもや2人が驚き、クロノは怒りが顔に表れ、リンディさんに至っては顔を青くし下唇を噛んでいるのがわかる。
「どうして修也! お前が闇の書の名前を知っている!」
「……俺が闇の書の蒐集に協力しているからだ」
「!? お前は自分が何をやっているのかわかっているのか!」
立ち上がり、俺の胸ぐらを掴むクロノ。返答次第では今にも殴りかかろうとさえ思える。だがここで引いては話が進まない。
「あぁ、わかっているさ。大事な友達を助けるために俺は動いている」
「……どう言う意味かしら?」
先ほどまでと違い、少しいつも通りに戻ったリンディさんが聞いてくる。
俺はそれに対し、はやての名前だけを伏せて詳しく話した。家族がいない少女が今の闇の書の持ち主である事。今はその弊害で足が動かず、このままでは死んでしまう事。助けるためには闇の書を完成させなければいけないこと。ただ完成させただけでは暴走してしまうことも知っていると。そして闇の書を直したいと言うことを……。
「ふざけるな! 今までどれほどの被害が闇の書によって起きたと思っているんだ!」
「たしかにそれもわかっている。だけどいつかは終わらせないといけないんだ」
「だからって確証なく直すと言われて納得できるはずがない!」
「わかっている。だから協力して欲しいんだ! もう悲劇が起きなくていいように!」
「修也! 君が言っているのは全部きれいごとだ!」
わかっている。俺一人では何もできないことも。直せる確証もない。クロノの言う通りすべてきれいごとかもしれない。でも、それでも。
「そうかもしれない……。でも、だからこそ現実にしたいんだ。ホントは綺麗事が一番いいんだ。争いや憎しみでしか分かりあえないなんて、悲しすぎるから……」
「「……」」
部屋全体に沈黙が訪れる。
俺のこの行動は確かに軽率だと思う。それで2人のどちらかが上の誰かにしゃべったらそこで終わりだ。でも、俺はクロノとリンディさんの事を信じたい。
「……分かりました」
「母さん!?」
「艦長ですよ、クロノ。たしかにクロノの言い分もわかります。でも修也君の言う通りいつまでも悲しい悲劇……。私たちのような悲劇を起こさないでいいようにできるならそれが一番いいんです」
「……わかりました」
リンディさんの答えを聞き、クロノは少し考えた後そう返事をした。
「修也君、話しはわかりました。私たちはどうすれば?」
「ありがとうございます! とりあえず最初に言ったように当分誰にも話さないで、情報を集めてもらいたいんですが、大丈夫ですか?」
「わかりました」
その後も、今後についての話をつづけた。
もう闇の書による悲劇を起こさないために……。
お久しぶりです。
バトライドウォーが楽しすぎてやりこんでいます。
そのせいだけではないのですが更新が少し遅くなるかと思いますが、どうかこれからもよろしくお願いします。