最後の希望を目指す転生者 え、俺の事?   作:x-フィリップ-x

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 今日のウィザードを見て思ったのが、アンダーワールド内でオールドラゴンになれるの! ドラゴンスタイルでアンダーワールドに入ると、ウィザードラゴンが召喚されて、通常スタイルになるから無理だと思ってたのに……。
 あれですよ! 晴人が成長したからできるようになったと思う!
 この作品の1つ前の話で各ドラゴンになれないと言っていましたが、この作品内ではなれないと言うことでお願いします。


32話 奇跡の夜に

 あの後の事を少し話そうと思う。

 俺がリインフォースの精神世界から出てきてから、説明をするためにアースラへ全員で戻った。あの場に居なかったクロノ、ユーノ、アルフ、リンディさん、エイミィさん、更にプレシアさんとこの事件にかかわりつつ、俺の事を知っている人を呼んで同時に説明する。居なかった人に後でもう1度説明するのとかめんどい……。

 と言っても説明は簡単に言うとリインフォースの精神世界に入って、防衛プログラムを完全に破壊した。これ以外に言う事がない。あれ? こんな短い話だっけ?

 ただ、この話をすると何故か全員が『シュウ(君)(修也)なら仕方がない』と言われた。あれだね、もうこの人たちの中では俺がなにやっても驚かないようになったんだね。……いや、別に驚いて欲しいとかはないけどさ、その……もう少し何かあってもいいんじゃない?

 ともかくだ、これで本当の意味で闇の書事件が終わったと思っていいだろう。ただ1つ、予想外の事がある。作中でリインフォースⅡを作るために残された破片(どちらかといえば欠片かな?)が、俺が着いた時にはすでに出されていたらしく、それをリインフォースの中に戻すことができなかった。おそらく、俺が精神世界で暴れすぎたせいだと思う。つまりリインフォースは魔力もなく、ユニゾンも出来無いデバイスになった。もうただの人じゃね?

 俺の説明が終わり、俺は早速帰ろうとした。何故か先ほどから体がだるい。まあ十中八九、リインフォースの精神世界に入って、ウィザードラゴンを呼んだからだと思う。オールドラゴンは体への負担が大きいのに対し、ウィザードラゴンを呼び出すのは魔力的な負担が大きいようだ。つまり眠い……。

 皆に疲れたことを伝え、先に家に帰らせてもらう事にした。

 すぐにテレポートウィザードリングを使い、我が家に帰宅する。約4日ぶりの我が家に入り、自室に直行し、服を着替えるのもめんどくさく感じ、そのままベットにダイブする。こういうのってたしか『バタンキュー』って言うんだっけ? でも『キュー』てなに? とか訳の分からないことを考えているうちに俺は眠りについた。

 これで24日、クリスマスイブの話は終わりだ。

 

 

 

 『prrrr prrrr』と携帯電話がうるさい……。この音で無理やり起こされてしまった……。ディスプレイには『八神 はやて』と表示されている。まだ寝ぼけている頭で、出るのめんどくさいなとか、出なくてもバレ無くね? などがチラついたのだが、もしリインフォースに何かあったのかもしれないと思い、急いで電話に出る。

 

「もしもし、どうしたはやて……?」

 

 ダメだ、やっぱり寝起きだからか頭がちゃんと働いていない……。

 

『あ、シュウ君? よかった~、やっと出てくれた』

 

 やっと?

 

「そんなに電話したのか?」

 

『うん。私だけやなくてなのはちゃんとフェイトちゃん、アリシアちゃんも電話してると思うんやけど、携帯見てないん?』

 

 そうだったのか……。寝ていて気づかなかったとはいえ、少し悪い事をしたな……。

 

「悪い、寝てた。何かあった?」

 

『うん、えっと……。今日、翠屋でクリスマスパーティーをやるみたいで私らも呼ばれてな、是非シュウ君にも来て欲しいって話になったんよ』

 

 クリスマスパーティー? あぁ、今日はクリスマスか……。すっかり忘れてた……。って!? 馬鹿か俺は! 超重要でしょ今日は!

 今の今まで少しばかし寝ぼけていた頭が、今完全にはっきりとした。

 とりあえず、まだ午後の3時前。よかったよかった。寝すぎ感があるのは否めないが疲れていたからしかたがない。とりあえずはやてとの電話に集中することにする。

 

「なぜにて? まあ、行っていいなら行くけど」

 

『ホンマに? よかった~。皆シュウ君には絶対に来て欲しいって話してたんよ』

 

 皆って……。あれか? 俺の魔法で場を盛り上げる一発芸お願い的な? いや、行くけどね……。

 

「とりあえず、翠屋でいいんだよな?」

 

『うん、そうやで』

 

「了解。じゃ、また後で」

 

『うん、また後で』

 

 そう言い、はやてとの電話を切る。

 あ、しまった、時間聞くの忘れてた……。ま、いいか。こういうのって大概夜からだよね。さて、それまでどうしようかな? 家にただいると寝そうだし……。お! そうだ。

 少しいいことを考え、早速行動に移す。と言っても別の部屋に移るだけなんだけど……。

 

〈ハイパークロックアップ!〉

 

「ハッ!?」

 

 今何か聞こえた気がする!

 作業を終わらすと同時に何か変な電波を受信した気がした。

 まあいいか。そんなことを考えつつ時間を確認すると、もう6時過ぎになっていた。いい時間だし行くかと思い、一度自室に戻り、着替えをすまし、家を出る。

 俺の家から翠屋までは、歩いて大体20分ぐらいの位置にある。大人の姿になれば15分以内で行けるし、テレポートウィザードリングを使えば一瞬でつけるっちゃつける。ただ、時間もあるわけだからのんびりと歩いていくことにする。

 それにしても寒い……。12月だから仕方ないと言えば仕方ない……。だが俺は寒いのが嫌いだ。いや、正確に言うなら寒いのだけではなく暑いのも嫌いだ。ホント、引きこもりにとって日本は住みにくい場所になったもんだ……。地球温暖化のバカヤロー! ま、変身したら暑さ寒さ関係なくなるんだけどね。

 ただ、それに伴い日本の技術は進歩していると思う。エアコン1台あれば問題ないしね。ただ俺はこたつ派です。どうでもいいか? どうでもいいですね。

 こんなつまらない事を考えているうちに翠屋のすぐそばまで来ていた。

 

「こんばんは……」

 

 翠屋の扉を開き、遠慮しつつ挨拶をする。

 

「「「「シュウ(君)!」」」」

 

 俺の姿を確認し、なのは、フェイト、アリシア、はやてが俺のそばにやって来る。ちなみに、なのはがはやての車椅子を押しています。

 

「こんにちは、シュウ君。あれ? もうこんばんはかな?」

 

「遅かったねシュウ。何かあったの?」

 

「そうだよ! 遅いよシュウ!」

 

「まぁーまぁー、主役は遅れてくるもんやし。な、シュウ君」

 

 4人さまざまな反応を見せてくれる。それと、その後ろに何故か顔を少し赤くしたアリサ・バニングスと月村すずかが立っている。

 

「こんばんは。悪い、来るの遅かったかな? えっと……、バニングスと月村は久しぶり」

 

 たしか2人と最後に会ったのは、はやてが入院してすぐだから1週間ぶりぐらいかな?

 

「「あ、あの!」」

 

「は、はい!」

 

 だから急に大きい声出さないでって! ビックリするんだから……。

 

「その……、昔はありがとうございました!」

 

「私もありがとうございました!」

 

 そう言い頭を下げる2人。ん? 何の話?

 

「えっと……。話が見えないんだけど……」

 

「シュウ君がウィザードなんだよね?」

 

「……」

 

 月村がそう言ったことで大体わかった……。なのはとフェイトの事を少しあきれた顔で見ながら、念話で話しかける。

 

〈なのはとフェイトだろ。俺がウィザードだってこと話したの……〉

 

〈えっと……その……。2人にウィザードって知ってる? て聞かれて……〉

 

〈昔助けてもらったからって聞いて……〉

 

〈それで話したと……〉

 

 話を聞き、心の中で溜息を吐く。きっと、自分たちが魔法使いだって事を話した時に、2人のどちらかがウィザードについて聞いたんだろう。……あれ? バニングスは分かる。でも月村がなんで俺がウィザードだってこと知っているんだ?

 

〈……〉

 

〈あの……、シュウ君、怒ってる?〉

 

〈ごめんなさい、シュウ……〉

 

〈あ、いや、怒ってるわけじゃないよ〉

 

 月村について考えて、少し黙ってしまったことで2人が俺が怒ったと思ったらしい。きっと表情も難しい顔していたんだろうな俺……。悪い事をした。

 

〈聞かれたことに答えただけだろ? 気にしなさんな〉

 

〈うん〉

 

〈ありがとう、シュウ〉

 

「あの……」

 

「あ、ごめん」

 

 念話に集中したせいで、沈黙が続いたせいで何かあったのかと思ったのかバニングスが声をかけてくる。

 月村の方は記憶にないのだが、いやはやどうしたものか……。

 

「とりあえず、気にしなくていいよ。俺がそうしたかっただけだから」

 

「でも、ありがとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

 月村についてのタイミングを逃してしまった……。ま、いずれ聞くことにするか。

 

「あら、なのはが言ってた最後の子かしら?」

 

「お久しぶりです、なのはのお母さん」

 

 俺たち子供だけで集まっている所になのはの母親、高町桃子さんが近づいてきたので、挨拶をする。

 

「お久しぶり?」

 

「あ、シュウ君。前に来た時は大人の姿だったから」

 

「……そう言えばそうだった」

 

 なのはに言われて、今までを振り返ってみるがいつも大人モードでしか来たことなかったな……。ちなみにはやての誕生日に翠屋でケーキを買ってからは、頻繁に来ていたりする。主にシュークリームを買いに。

 

「せっかくだから挨拶さしてもらおうかな」

 

 そう言うと、嬉しそうになのはが俺を背を押し、店の中央に連れてこられる。

 え? 全員にですか? そんなことを思っているうちに、なのはの母親の高町桃子さんだけでなく、父の高町士郎さんに兄の高町恭也さん、姉の高町美由希さん。初顔は他にも、月村姉の月村忍さん、月村家のメイドの2人、そしてバニングス家執事の鮫島さん……だったはず。後は、リインフォースにヴォルケンリッターの4人(ザフィーラは犬だけど)、プレシアさんとアルフ(こっちも犬だけど)、クロノにリンディさん、エイミィさん、そしてユーノだ。ユーノはフェレットモード……じゃないだと!

 

〈なのはが魔法の事を話した時にちょっとね……ハハハ……〉

 

 ユーノ!? どうしたユーノ!?

 俺の驚いた顔を見て、念話で俺に語り掛けてくるユーノだが、その声には何か悲惨なものを感じさせる。よく見ると、顔の色も悪く、目元の隈も酷い。

 

〈後で話聞くから元気だせよ〉

 

〈ありがとう、シュウ〉

 

 ユーノの事が気になって仕方がないが、今は大人の皆さんに挨拶をすることにする。

 

「えっと、小野修也です、よろしくお願いします。一応魔法使いです。よろしくお願いします」

 

 え? 短すぎ? ですよね……。どうしようか……。そうだ! せっかくだから俺の魔法を見てもらおう! 見世物上等! ……でもうまく発動するかなこのウィザードリング。今まで3回とも不発だったんだよね……。いや! いける! 俺は昨日の俺を超え続ける! ごめんなさい、調子に乗りすぎました……。

 そう思い、右手にウィザードリングをはめる。

 

「せっかくなので俺の魔法と、クリスマスの奇跡をどうぞご覧ください。……似合わないな」

 

 ご覧くださいって……。誰だよお前……。

 そんなことはどうでもいい。俺が望む結果を強く望む。とにかく強く念じる。ただひたすらと念じる。頼みます……。いざ!

 

『メリークリスマス・プリーズ!』

 

 ウィザードリングを発動すると、ジングルベルの音が流れ、翠屋内が光で包まれる。

 うまく行ったか? 一番見やすい位置にいるユーノを見る。さっきまで悪かった顔の色は良くなり、目元の隈もなくなった。これはうまく行ったのかな?

 今回俺が願ったのは、『この場に居る皆が元気になりますように』というものだった。ユーノを見る限りうまく行ったと思う。自分の体も心なしか軽くなったと思う。

 俺ははやての座る車椅子に近づき、手を差し出す。

 

「はやて」

 

「シュウ君……うん」

 

 はやては俺の差出た手を掴み、足に力を入れる。ゆっくり、ゆっくりとだが車椅子から腰が上がっていく。ゆっくりだがはやては立ち上がることができた。そして、俺の手を掴みながら、たどたどしいながらもゆっくりと足を動かし歩くことができた。

 

「歩けた? 私、自分で歩けたん?」

 

「あぁ、自分の、はやての足で歩いたんだ」

 

「ありがとう。ありがとうな、シュウ君!」

 

「うお!」

 

 はやてが俺を巻き込むように倒れこんでき、俺が下敷きになる。痛くはないけど、恥ずかしい……。

 でもよかった。本当によかった。

 

「あぁ!」

 

 俺が無事成功したと思い、感極まっていると、アリシアが声をあげた。何事だ?

 

「どうしたんだ、アリシア?」

 

「シュウどうしよ! シュウがくれたウィザードリング、壊れちゃった……」

 

「はぁ!?」

 

 どうやらまだ何かあるようです……。




・クリスマスウィザードリング
この作品内では『この場に居る皆が元気になりますように』の効果で、ウィザードでは
『潰れてしまったクリスマスプレゼントを元に直す』でしたが、本質はその場に応じた奇跡を起こすです。デメリットとしては、使えるのがクリスマス限定、そして1度だけ、というものです。
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