最後の希望を目指す転生者 え、俺の事? 作:x-フィリップ-x
さて、二回目のタイムウィザードリングの発動で過去に飛んだんですけど……、どこだよここ!
なんで辺り一面木ばっかりなの! 意味が分からないよ!
「ホープさん! ここどこ!?」
〈落ち着きたまえマスター。すぐに調べ……おかしいね、確認ができない〉
「……え?」
つまりどう言う意味だってばよ?
〈可能性としては3つ。1つ目が僕自身に何らかのバグが発生した。2つ目にここが電波などがまったくない管理外世界あるいは異世界、または田舎である。そして3つ目、これは2つ目に近いが、過去過ぎて電波がないか……〉
「えぇ……」
どれにしろ碌なの無いじゃないですか……。ヤダー……。
〈しっかりと行く時間をイメージしたのかい?〉
「もちろんだ。ちゃんと過去に行くイメージを……。あぁ!」
確かに過去に行くようにはしっかりとイメージした。でも、でも!
「過去の自分(・・)のイメージじゃねーじゃん!」
つまり、ここ俺関係ない過去ってこと!? 超ヤダー……。
〈まったく……。そんなことだと思ったよ……〉
声だけで分かるほどホープがあきれている。本当にごめんなさい……。
「とりあえず少し歩いてみますか……」
〈それが賢明だろうね〉
とりあえず少し歩いてみる。身体能力が高いと言う理由で変身したままでうろついています。誰かに見られたら通報されるんじゃね?
なぜすぐタイムウィザードリング使わないのかだって? うん、魔力切れ。正確にはタイム使うほど魔力残ってない。変身維持するのは余裕だし、後1時間もあればタイム1、2回分は回復できると思う。てか、飛ぶ時間によって必要な魔力が違うせいか使いづらい……。
さて俺がどうとかは一度置いておく……。なんだこれは?
「しっかりしてください! どうしたんですか! 起きてください!」
もう一度言おう、なんだこれは?
一応言っておくけど、言われているのは俺ではない。少し距離のある場所にいる少年が、倒れている青年に言っている言葉である。木の陰から顔を半分出して見ています。
誘拐の次は怪我人遭遇ですか……。とりあえずここにいると本格的に巻き込まれそうだ……。小野修也はクールに去るぜ!
足元に気を付けて後退する。
足元の小枝を踏んで『パキッ』とかいい音を出して見つかるようなへまはしないぜ俺は!
ザサザサ
「誰ですか!?」
頭が木の枝に引っかかりました……。
はいアウト!? 早い! フラグ回収が早すぎるよ俺!
まったく、何かに巻き込まれてばっかりだよ!? ま、もう諦めてますけどね……。と言う訳で行きますか。
「だ、誰ですか!?」
いきなり現れた俺に警戒する少年君。そりゃ警戒しますよね。フルフェイスで全身スーツですもの。いきなり出てきたら犯罪者か変態にしか思われないだろ……。少年君も若干怯えてるし……。
とりあえず今は俺の事はいい。早速少年君と倒れている青年に近づき。
「別に怪しいものじゃ……いや、怪しくはあるか。ともかく害を与えるつもりはないから安心しておくれ」
「は、はい?」
その少年君は、本当に意味が分からないという顔をしている。
さてこの少年だが、年齢は十台前半といったところか。服装はブレザーにネクタイ、制服かなにかだろう。髪は短く金色。そして話しているのはおそらく英語だろう。そのことからここが日本じゃないと仮定するのだが、時間だけじゃなく場所も飛ばしますかタイムウィザードリングよ……。ただ、おそらくだが、地球である事に違いはないだろう。そこだけはありがたい。
あ、今更だけどホープのオプション機能の『翻訳』で日本語に聞こえていますよ。だって、俺日常会話程度の英語しかわからないもの。魔法関係者全員が日本語で話してくれるほど世の中甘くないみたいだ……。ありがとうホープ。
「とりあえず、この人の傷治すか」
「え……、どうやって?」
事態に全くついてこれない少年を放置して、倒れている青年のすぐそばに腰を下ろし、手に魔力を集中する。青年の体に俺の白い魔力が流れていく。つまり治癒魔法だ。ただ、自分以外の治療は苦手なので、時間がかかってしまう。後、この人の怪我が思ったよりひどく、体力も残っていないだろうから、治ってもすぐには起きれないかもな……。
「え? ……え?」
さらに混乱させてしまったようだ。ま、仕方ないよな。俺が過去に行きたいとイメージして来た場所だから、俺がいない時間であっても、地球であることに間違いはないだろう。魔法なんて知らないわな。後で俺の事誰にも言わないでくれって頼まないとな……。
ただ、さっきから気になっているのだが、この倒れている青年の手に持ってるのがどう見てもストレジデバイスなんだが……。後、この人の服がアースラにいた人に若干似ている……。え、この人管理局の人?
「あ~……、少年君。この人はどうしてこんな所に?」
「え? あ、わかりません……。たまたまここに立ち寄ったらこの人が倒れていて……」
なるほど、行き倒れですか。仮に彼が管理局員で、ここが地球だとした場合、何かしらのロストロギアか何かを追って来て、ここで撃ち落とされたとかか?
う~ん、いろいろと情報不足だな……。
ま、そこまで深くこの時間で関わるつもりもないからいいか。この人の治療が終わったら早々と立ち去るにしよう。下手に深くかかわらない方がいいだろう。
「あの……。それは何ですか?」
それ? あぁ、この治癒魔法。いや、魔法についてかな?
言っていいのか? と少し思ったが、この少年君からはとても強い魔力を感じる。この倒れている青年が管理局員なら自然と魔法に関わっていくことになるだろう。なら喋っても問題ないだろう。
「ま、見ての通り魔法だね」
「……魔法、ですか?」
少年君は唖然とした顔をしている。ま、そうなるわな普通。
「そ、魔法。詳しく知りたいならこの青年が起きたら聞いたらいいよ」
俗に言う丸投げである。
仕方ないじゃないですか……。言うほどミッドとかベルカの魔法に詳しいわけでもないし、俺の指輪の魔法とか教えても誰も使えないし(アリシアは可能っちゃ可能だけど)。
「きっと少年君になら教えてくれると思うし」
「え?」
「いや、魔法使うのに必要な最低条件はクリアしてるから聞いたら教えてもらえるよ」
「そ、そうでしょうか?」
さて、少年君との他愛無い会話をしているうちに目の前の青年の治療もあらかた終わった。精神的なこともあるから後数時間は眠っているだろうが、もう問題はないだろう。
「さて、この青年の治療は終わったけど、どこか休める場所とか知ってる?」
「それなら僕の家がここから近いので」
「いいのかい? じゃ、その近くまで俺が運ぶから、後は人が倒れていたからみたいに話して部屋に頑張って連れて行っておくれ。後の話はこの人に聞いてくれ」
「わかりました」
青年を背に乗せ、少年君の誘導で歩き出す。
その間に、俺の事は他言無用と頼み、納得してもらった。ごねられたら大変だったよ。もう記憶を少し忘れてもらわないといけなかったからね。物理的に。
しばらく歩くと少年君が「ここで大丈夫です」と言ったので、素直に青年を木に持たれるように下す。
「よしっと」
さて、それじゃ後の事はこの少年君に擦り付……おまかせして、こんどこそ俺は立ち去るとしますか。小野修也は次こそクールに去るぜ!
もう過去の俺はいい。次は未来だ。大人になった俺に会う。それで最後だ。もう面倒事は嫌だ。……ヤバ、今のフラグじゃね? い、いや……、そんなことないよね? ハハハ……。
とりあえずイメージをする。イメージするのは常に最強の自分だ。外的など要らぬ。おまえにとって戦う……、いやこれは違う。いろいろと違う……。えーい! しっかりイメージしろ俺! また変な所に飛ばされるぞ!
よし! 逝ける!
『タイム・プリーズ!』
三度目のタイムウィザードリングを発動させ、目の前の空間が歪むのを確認する。
やはりこれに飛び込むのはなれないものだと思う。
「それじゃ、悪いけど後は任せるよ少年君」
「は、はい!」
「そう緊張しなくても大丈夫だって。魔法の才能も高いみたいだし」
魔力的にはなのはと同じ位あるんじゃないかな?
「はい、ありがとうございます! その……、まだよくわからない事ばかりですけど頑張ってみます!」
「おう、がんばりな少年君」
こういう真面目な人は出世するんだろうな。ま、あまり働きたくないから俺は出世とかいいけどね。いや、出世しまくって部下に全部任せられる位の地位になればそれはそれで楽なんじゃね? あ、その地位になるまで俺のメンタルもたないや……。
「あ、あの! できればお名前を聞いてもいいですか?」
また名前ですか? そうか、そうか、名前か。いや~、別に言いたいわけじゃないんだけど聞かれたら答えてあげないと悪いよな~。
「絶望を希望に変える魔法使い、ウィザード」
……ごめんなさい。少し調子に乗ってました。名乗ってわかったけどやっぱり恥ずかしいです。ほら、目の前の少年君とか目を輝かせて「絶望を希望に変える」とか「ウィザードさん」とか小さい声で呟いてるし……。やめて! 恥ずかしい!
もう耐えれないよ! 俺は未来の世界に逃げるんだ!
空間の歪みに近づき、後一歩で入ると言う状況だ。
「ウィザードさん!」
そう少年君から聞こえたので、首だけを振り向ける。
「また会えますか?」
会えるか、か……。正直この時間がいつなのかがわからないから、どうなるかはわからない。でもま、0%じゃないんだったら否定することもないよな。
「少年君が魔法に関わっていたら、いつかまた会えるかもな」
曖昧な答えだが今はこれでいい。こんな俺でも少年君の希望になれるかもしれないなら嘘も方便ってことで。
「それじゃ、元気で少年君」
「はい、さようならウィザードさん。僕は、僕の名前はギル・グレアムです。また会いましょう!」
「ブフゥ!?」
盛大に吹き出してしまう。
この少年君はなんと言った!? ギル・グレアム? いや、そんな名前のおじさんは知ってるけど……。え? マジ? ハァ?
言葉の意味が分からないまま、俺は空間の歪みに入ってしまう。
え? もう考えるのやめたいんですけど……。
一応今回は、闇の書事件ラストですぐにGOサインが出たフラグの回収でした。書いている時にこれいるか?とか思いましたが、放置もよくないと思い書き上げました。読んでもらえて幸いです。
後、今回も劇場公開記念で何かしらの特別篇を書こうと思ったのですが、あまりにも忙しくて間に合わなかったです……。
来週の更新ができるか不安で……。