最後の希望を目指す転生者 え、俺の事?   作:x-フィリップ-x

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 休みはあるけど暑すぎてしんどすぎる。
 皆さまも体調にはお気を付けを。


51話 共同戦線

 

 あばばばばば、いけませんねー、いけませんよ高町さん。そういった規約にないことされますと、こちらもどう対処すればいいか困ってしまいますよ。

 仮にも魔法少女であるあなたが空から落ちてくるなんて、魔法少女に夢見る全世界の少女が失望してしまいますよ……。視聴率が下がってしまうじゃないですか。……あ、もともと深夜枠か。

 後、変に錐揉み回転しながら落ちてきてるからチラチラとパンツが見えてる。

 

(小学生の下着見て興奮するとか紳士すぎるだろ。もちろん変態の方だけど……)

 

 ヤバイ、現実逃避が止まらない……。

 だってわかります? 戦闘が一区切りついて、ちょうど魔力がやばいかなと思ったら空から友達が降ってくるんだぜ? ありえなくない? あ、魔法使ってる時点でありえない……そっか……。

 

〈マスター、現実逃避もいいけど高町なのはをこのままスルーするつもりかい?〉

 

〈あ……うん、それは駄目だ〉

 

 下が海だからといってもスルーしていい理由にはならない。

 なのはが落下してくるポイントまで移動をする。落下してくる勢いがなかなか強いのでホープに頼み、大人化魔法に加え、腕に魔力を流し強化してもらう。あ、後余裕があるなら腰の方もお願いしますホープさん。

 

「なのは! 暴れるなよー!」

 

「え? えぇ?」

 

 俺の声は聞こえているようだが理解はできていないようだ、あわあわしてる。ま、問題はないからいっか。

 降ってきたなのはが腕に触れた瞬間に俺も体を落下させ、少しづつ勢いを殺し、海に落ちる1mほどの余裕を残し、完全に勢いを殺し受け止めることに成功する。

 

「ふぅ……ギリギリセーフ」

 

「ふぇ……? シュ、シュウくん!?」

 

 どうやら目をつぶっていたなのはが、目を開け俺を見たとたんに驚いた声を上げる。後、若干だが頬が赤い。

 その前になのはよ、俺が受け止めてなかったら完全に海にボチャンしてただろ……。

 そしてシグナムに続き今日2回目のお姫様抱っこだ。案外落ちてくる相手とかの場合ってこの受け止め方のほうが受け止めやすいし、相手の負担も少ない。でも男性相手にはやりたくないので降ってくることがないように願おう。ほら、ユーノってなんかヒロインっぽいじゃん……。

 

「できれば早く降りてくれ、重い……」

 

「お、重くないよ!?」

 

 俺の腕の中から降りながらわぁーんと言い、手をぶんぶんと振りながら抗議してくる。あ、ちょっとかわいい。

 てか、言葉のチョイスを誤ったようだ。

 

「悪い、言葉間違えた。なのは受け止めて腕しびれて痛いからだった」

 

 腕をプラプラと振りながらなのはに先ほどの言葉を訂正する。

 いつも言っているが俺はリンカーコアの魔力の扱いがとても下手で、ほとんどをホープに制御してもらっているのが現状だ。飛行魔法に大人化魔法、強化魔法の3つ同時発動とか俺のキャパシティーギリギリである。

 まぁ、ウィザードラゴンという魔力源がいるだけでも大概インチキなのに、ランクBとはいえリンカーコアまでもらっているので文句は言えないよな。

 

「あ……その、ごめんシュウ君……」

 

 自身が悪いことをしたと思ったのか、俯きながら謝ってくる。別に怒ってないんだがな……。

 右手で頬をポリポリと掻きながらどうしようかと考える。

 

「なのは、なのは」

 

 とんとん、と肩を叩く。ふぇ? となのはが顔を上げた瞬間におでこに向かってきれいにでこピンを喰らわせる。パチンッといい音が響きますな。

 

「っ!? そ、そんなに怒ってるの……」

 

「逆だ逆。全く怒ってないから。俺が勝手にやったことだから気にするな、てか謝るな」

 

 なのはの中で俺はそんなに怒りっぽいやつ扱いなのだろうか? ツッコミなどが多くて声を荒げることは多いけど、案外俺って怒ること少ないと自分では思ってるんだけどなぁ……。そもそもボッチの時間が長すぎて怒ること自体が減っている。更に言うならあまり女性には怒ったりしないようにしている。だって女性に怒ったりすると1日でいろんな所に広まってしまうからな……女性怖い。

 

「う、うん! ありがとう!」

 

「……おう」

 

 やばい、なのはがかわいい。

 一瞬きょとんとした後に超笑顔になってお礼をしてくる。笑顔からにぱーという擬音が聞こえてくると勘違いしそうなほどだ。

 クソ! これじゃあ俺も紳士じゃねーか! やばい方の!

 

「なのは、ちょっと俺の方見ないでくれ」

 

「なんで!?」

 

 仕方ないんや。小学生は最高だぜになっては駄目なんや。主に俺のアイデンティティーのために……。

 そんなことを思っていると、何かが近づいてくる気配を感じる。そちらの方に顔を向けると1人の少女が目に映る。

 まず最初の感想としては黒だった。さらに近づくにつれてどことなく既視感を覚えるシルエットに思えた。

 それはまるでなのはの……。

 

(2Pカラー……?)

 

 その考えが浮かんですぐに頭をぶんぶんと振り、この考えを振り払う。

 いや、だってあれですよ。第一に失礼っていうのはもちろんなんだが、その考えでいうなら俺なんて操真晴人のコピーだの、ドッペルゲンガーなの、ともかく人のこと言えないでしょ。びっくりするくらいブーメランしちゃう。

 

「……一応確認な。彼女がなのは流星の元凶?」

 

「う、うん」

 

 ですよね~。

 このタイミングで狙ったように出てくるなんてそれ以外ありえないよな。

 

「その……これまでの連戦で魔力が……」

 

 なるほど、通りで何の抵抗もなく海に落下していたのか。

 俺と同じくこれまでの間に何戦かこなしてきたのだろう。俺が(最初だけだが)真面目に戦ったシグナムは、技術的な意味合いでは本物にも勝るとも劣らない実力を持っていた。たしかに魔力はお世辞にも万全とはいえなかったけど……。

 なのはは、俺のような卑怯な手段ではなく、真っ向から勝負を挑んだのだろう。なのはらしいっちゃらしいけどな。

 

「シュウ君どうしたの?」

 

「ん?」

 

「すごく笑ってるから……」

 

 そう言われ、自分の頬が緩んでいるのに気が付く。

 なのはを受け止めるためになった大人モードのままだったこともあり、上からなのはの頭をくしゃくしゃと強く撫でつける。

 

「なんでもねーよ」

 

「にゃ!? ちょ、シュウ君!?」

 

 なに!? なに!? と焦っているなのはを無視して撫でるのを続ける。

 そのどこまでも真っ直ぐな感じ。俺にはないなのはのそんなところがうらやましく思い、それ以上にかっこいいと思っている。

 

「…………」

 

 なのはとのじゃれあい? を続けているのだが、先ほどからこちらに向けられてる視線が徐々に気になってくる……。

 

「…………」

 

 ヤッベ、超見てるよ~……。

 ど、どうしようか? ここは気さくに話しかけるべきか? いやいや、これから戦うであろう相手になんと話しかければ……。

 

「小野 修也……」

 

「え……?」

 

 突拍子もなく名前を呼ばれ、間の抜けた声を出してしまう。

 いや、そんなことはどうでもいい。なぜ彼女が俺の名前を知っているのかだ。

 

「なぜでしょう。何も覚えていなく、何もわからない……ですがあなたの名前は知っている」

 

 あ、本人も分からないんですね……。だったら俺にもわからないな。本当になぜでしょうね?

 

「そっか。で、君の名前は?」

 

「私の……名前……?」

 

「そ、名前」

 

 なのはのそっくりさん、と呼ぶわけにもいかないだろ。

 それに俺の名前は知っているのに、そちらの名前は知らないっていうのも何かしっくりこない。

 

「それもわかりません。……ですが星光の殲滅者という名は覚えています」

 

「星光の殲滅者……」

 

 カッコいいな、おい。たしかに名前ではないけど二つ名っていいよな。

 ま、俺にも『絶望を希望に変える魔法使い』って二つ名があるんだけどな! ……おい、今(笑)や、なんちゃってが付くだろって一瞬でも思ったやつ前に出ろ。スメルウィザードリング使ってやるから。

 

「じゃ、とりあえず星光ちゃんで」

 

「…………構いません」

 

 口では認めてくれたが、本当はあまりよろしくないのかそっぽを向かれてしまった。星光ちゃんって駄目かな? 下手なキラキラネームよりまだいいと思うんだけど。あ、でも俺ってホープとかにネーミングセンスが残念って言われるしな……。凹むわぁ。

 さてと……俺となのはの魔力が少しでも回復すればラッキーと思い長話をしているがいつまでもこうしているわけにもいかないな。

 

「なのは、どうだ? あと一戦……行けるか?」

 

「うん。私は大丈夫」

 

 口ではそう言っているが本当はかなり疲れているだろう。だが、本人はやる気満々だ。どうせ止めろと言っても聞きやしないだろう。付き合いは短いが、彼女がとんでもなく頑固だってことはよく知っている。

 

「じゃ、一緒に戦うか」

 

「え?」

 

「なのは1人で戦うのは辛い。俺1人でも辛い。だったら2人一緒に戦う。そうだろ」

 

 助け合って行こうぜ、そう短く伝え、先ほどとは違い頭を軽くポンポンと撫でる。なんでだろうか、なのはの頭を撫でる落ち着く。猫っぽいからだろうか?

 なのはを撫でるを一段落つけ、改めて星光ちゃんの方へと視線を向ける。

 

「とゆうわけで2対1で戦わせてもらうけど」

 

「構いません。……勝つのは私ですので」

 

 相も変わらず表情は一切変わらないが、大胆不敵なことを簡単に言ってのける星光ちゃん。そこに痺れる(以下略)。

 

「言ってくれるね……。なのは!」

 

「うん!」

 

 目線は星光ちゃんから一切ずらさず、すぐ横にいるなのはに力強く声をかける。なのはも同じく俺の方を見ていないだろう。

 

「コンビを組んで戦うのは初めてだけど大丈夫だ」

 

「うん!」

 

「俺となのはが組んだら最強だ!」

 

 互いに戦意は上場。魔力は互いに難あり。特に俺は変身もできないほどだ。

 だが、それでも負ける気がしない。

 

「そうだな、さしずめコンビ名は『魔王とドラゴン』ってとこだな」

 

「うん! ……え、魔王? それって私!?」

 

「ほら、行くぞなのは!」

 

 さ、気合入れますか!

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