~TAKE YOUR HEART~   作:10祁宮

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明智が住んでいる場所と明智のベルベットルームについてはオリジナルです
真エンド絡みとかでその辺りが補完されれば書き直します
つか真エンドは本当に無いの……? 頼むからあって欲しい……


Turning Point/6

「——と、まあ、これが明智に任せようと思った理由だ。皆はどうだ?」

 

軽く肩をすくめたフォックスはそのせいで少しずり落ちそうになったジョーカーを慌てて支えなおし、そう言った。

 

全員が滔々と述べられた彼の意見の説得力を精査し、そしてそこに異論は挟めない、という結論に達した。

 

「……確かにそうかもしれませんね」

 

「我輩も、賛成だ」

 

まずはノワールとモナの二人が納得した様子でそう言い、

 

「…………まあ、そうね。仕方ないわ」

 

「スカルとフォックスは泊められない。私達が泊めるというのも倫理的に危ないし、そもそもそんなことが周囲に知られた時ただでさえ心証の悪いジョーカーがいったい何を言われるかわかったもんじゃない。他に選択肢が無い以上、認めるしかないか…………」

 

渋々とクイーンとパンサーも同意する。

 

「よっしゃ、決まりだな! つーわけで……」

 

パチンと指を鳴らしたスカルはその指をビシッと明智につきつけ言った。

 

「コイツはお前に任せた!」

 

 

 

 

 

それからしばらくの時間が経ち。

 

「……………………」

 

「お、ここがお前の家か。はー、なかなか良いとこじゃねぇか」

 

頭痛がするかのようにこめかみを押さえ、ジョーカーを背負った明智はとあるマンションの前に立っていた。

都内にある住宅街の一角に立ち並ぶ高級マンション。

そのマンションの一室が彼の住処であり、今日はそこに住み始めてから初の客人を迎えることになる。

厳密に言うならば客人とは言い難いかもしれないが…………とにかく、結局のところジョーカーは明智のもとへ預けられた。

 

(怪盗団ってのは、いったいどこまでお人好しなんだ? ……馬鹿か? やはりあいつら全員、底抜けの大馬鹿なのか…………?)

 

何度も自問自答したその疑問はずっと彼の頭の中をグルグルと回っていた。

 

(あいつらに押し切られるままにコイツを背負わされ、なし崩しに俺が面倒を見ることになったが…………俺も俺だ。何で素直に家まで連れて来てんだよ…………)

 

明らかに冷静さを欠いていた自分に対してもギリ、と歯軋りをする。

 

(百歩譲って、俺がコイツを馬鹿正直に匿ってやるにしても……そもそも適当なホテルにでも(、 、 、 、 、 、 、 、 、)放り込めば(、 、 、 、 、)いい話だろうが(、 、 、 、 、 、 、)…………!)

 

それは、誰も思いついていなかった選択肢。

とても単純に思えるその考えに全員が至れなかったのはスカルの発言が原因だ。

 

明智に任せれば良い。

 

本来ならジョーカーをどうするかという議論だったはずなのだが、次第にその発想の是非を問うような方向に論点がズレていき、 結論が出る頃には全員が視野狭窄に陥っていた。

 

他にも戦いの直後で疲弊していたため頭が回っていなかったことなども理由に挙げられるが……今となってはもはや些細なことだ。

 

既に自分はジョーカーを自宅に連れて帰ってしまっているのだから。

いや。

正確にはジョーカーと、

 

 

 

「おいどうした? とっとと入ろうぜ」

 

 

 

この()だ。

この喋る猫——モルガナ——は、自分もジョーカーについて行くと言って、ここまでやって来た。

その非常識な存在に無いはずの頭痛が更に酷くなるような気がした明智は大きく息を吸い込み、

 

ハァァァァ……………………………………

 

と心中でどうしようもなく渦巻く葛藤や疑問、その他諸々の心情全てを絞り出すように長いため息をついた。

 

 

 

「…………エレベーターに乗る。ついてこい」

 

「おっ、ようやく動く気になったか! よし、早く行こうぜ!」

 

こちらの苦悩も知らず呑気に尻尾を振りながらそう言うモルガナに早速何かモヤモヤしたものが生まれるが、もはや気にすることをやめた明智は黙ってエントランスへと足を進めた。

 

 

 

ガチャリ。

鍵を開けてドアを開くとモルガナはタタッと、奥へと走っていく。

明智は片足ずつ靴を脱ぎ、ジョーカーをそのまま自室の中へ運び入れる。

廊下の途中にある電気のスイッチを入れ、突き当たりの部屋に入る。

その部屋はリビングだった。

 

高級マンションというだけのことはあり、大きくとられた窓からは光輝く夜景が一望できる。

さらには部屋に設置されたソファやクローゼット等の家具。そのどれもが値の張るものだと素人目にも分かる。

 

未成年一人きりで生活しているとは思えないほどの優雅な暮らしぶりに、一足先に部屋に入っていたモルガナは感嘆していた。

 

「……スッゲエな、こりゃ……こんな部屋に住んでんなら、ジョーカーが寝泊まりしてるあの埃っぽい屋根裏部屋を馬鹿にするのも無理ねえぜ……」

 

モルガナがキョロキョロと部屋のあちこちを物珍しそうに眺めているのを尻目に、明智はジョーカーを背中から下ろしソファへと寝かせた。

 

履いたままだったジョーカーの靴も脱がせ、玄関口へと持っていく。

 

そしてもう一度部屋に戻ってくると、モルガナはソファの隣にあるテーブルに乗り、心配そうにジョーカーの顔を見つめていた。

そして自分を無言で観察する明智の視線に気付き、決まり悪そうに身じろぎする。

 

「な、なんだよ……どうかしたか?」

 

「……いや、妙な存在だと再認識しただけだ」

 

「んだとぉ!」

 

素っ気ない明智の言葉に憤るモルガナ。

フシャー! と毛を逆立てて威嚇する姿に目もくれず、明智はジョーカーを見つめる。

その様子を見てモルガナも冷静さを取り戻し、一人と一匹は眠り続けるジョーカーを見下ろす。

 

「……ジョーカーがこうも弱った姿を見せるとはな」

 

意外なことに、口火を切ったのは明智の方だった。

 

「なんだかんだと言いはしたが……俺も心のどこかで、コイツは飄々としながらどんな窮地も切り抜けてくるんだろうと思っていた。それがまさか、こうなるとはな。……とはいえ、あの状況から五体満足で生きて帰っただけでも十分な偉業だが…………」

 

「……我輩も同意見だな。コイツのこんな姿は想像すらしたことが無かった。ただ………………」

 

モルガナはそこでジョーカーから目を離し明智を見上げる。

今度は自分が何かを探られるような目で見られる立場に立った明智は黙って続きを促す。

 

「…………お前、やっぱりジョーカーのことは認めてるんだよな」

 

「……………………」

 

意図的にその言葉を無視する明智。

それを気にする様子も無くモルガナの方も独り言のように呟く。

 

「誰もが憧れるカリスマで、二代目『探偵王子』として絶大な人気を誇るお前。対して前歴持ちの非行少年、保護観察中の身分のコイツ。まさに天と地ほどの差がある」

 

「…………だが、誰もが知るその裏の顔は、最近社会問題と化している精神暴走事件、廃人化事件の実行犯。パレスの持ち主のシャドウを殺すことで数々の完全犯罪を成立させ、ペルソナを二つ持つ」

 

「こっちは世間を騒がす『心の怪盗団』のリーダー。悪人のパレスからオタカラを盗み出し、改心させることを目的とし、宿したペルソナは両手の指じゃ数えられないほど……」

 

「……つくづく正反対だよな。お前ら。まるで互いが互いの鏡合わせになってるみたいだ。いったい、何がどうなればこんな偶然が重なるのやら…………」

 

 

 

静かなその言葉に応じることこそ無かった明智だが、何か引っかかるものを感じて眉をひそめる。

 

偶然。

 

そう。偶然だ。

 

自分とこの男が巡りあったことも、こうして対立することになったことも、全て、偶然。

 

…………。

 

……………………。

 

 

 

 

 

——————本当に(、 、 、)偶然だったのか(、 、 、 、 、 、 、)?——

 

 

 

 

 

「ッ…………!」

 

ビキリ、と軋むような痛み。

何かを忘れている気がする。

何かとはいったい何だ。

自分は、いったい何を——————

 

 

 

脳裏にフラッシュバックする断片的な記憶。

……青い部屋。並ぶ棺。語りかける声。……声……そうだ、声が聞こえた…………

 

 

 

「………………これは(、 、 、)……ゲームだ(、 、 、 、)…………」

 

 

 

うわ言のようにそう呟いた明智をモルガナは怪訝そうな目で見て首をかしげる。

 

 

 

「おい、突然どうした?」

 

「……………………」

 

 

 

返事をせず何事かを考えこむ明智。

しばらく険しい顔でこめかみを押さえ、一瞬掠めた何かの糸口を必死に辿ろうとする。

…………しかしその努力も結局実を結ぶことはなく、閃きそうになった『何か』も嘘のように消えてしまう。

 

「…………なんでもない」

 

「…………そうか」

 

詮索を拒むような明智の雰囲気を感じとったモルガナもそれ以上何かを尋ねることはなかった。

 

気まずい沈黙が流れる。

その沈黙を破りモルガナが声を出す。

 

「あー……そうだ。我輩、風呂に入りたいんだが」

 

「…………風呂? 猫が?」

 

明智は予想外すぎる言葉についつられて聞きかえす。

 

「我輩は猫じゃねぇ! ……シャワーだけでも浴びたいんだよ。ずっと眠りっぱなしのコイツは仕方ないにしても、我輩は汚れたままでいるなんて耐えられん」

 

「……それは、俺に、お前のシャワーを代わりにやれと、そういう意味か?」

 

こわごわと確認する明智にモルガナは再び全身の毛を逆立てる。

 

「なんでだよ! 自分でやるわ!」

 

「…………どうやってだよ」

 

「シャワーのノズルくらい回せるっての! 我輩の器用さを舐めるな!」

 

そう言って胸を張るモルガナに口を閉じる明智。

しかし、言いにくそうにしながらも明智は聞いた。

 

「………………ここのシャワー、センサー式なんだが……」

 

「…………………………」

 

固まるモルガナ。

両者が再度沈黙し、時計の秒針が3回転ほどした頃ようやくモルガナは言った。

 

 

 

「………………お願い、します…………」

 

「…………………………」

 

うな垂れたモルガナの言葉に何も言わず、明智は自らの顔を片手で覆い。

マンションの前に立った時以上に深々とため息を漏らした。




普段高評価をつけているような方に低評価をされると
ああ……きっとこの人には、俺の言葉選びとか文の構成からして合わなかったんだな…………と悲しくはなりますが諦めもつきますし
わざわざ読んだ上で評価して頂いたんだし更に上手く書けるようになりたい、と感じますが
1000を超える評価の90%以上が低評価、みたいな人にされてもこう……なんというか……
言いたいことも目的もまったくわかんないのでただただ困惑でモヤモヤしますね
そこまでするくらいならもういっそ評価自体しなくていいのでは……?

……と、考えれば考えるほどドツボにはまるのでもういっそ考えないようにします
やはり我々は思考ごと絶対の“神”に統制されるべきなのかもしれない……(愚民の考え
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