やはり俺がボーダーの隊長なのは間違っていない 作:成瀬正義
職員室での平塚先生との話が終わった俺はそのまま警戒区域に向かわずに、ある部屋を目指して歩を進めていた。普段は教室へ行くというのは足取りが重くなることが多いが、今向かう場所へ行く時に限ってはそんなことが一切起こらない。無論気持ちの持ち方ひとつの違いであると思うが………
コンコン
『どうぞ〜』
目的の場所に着くと他の教室と変わらない引き戸、引き戸の上のプレートがある。だが、そこには生徒会室と書かれていて一般の生徒としてはあまり入りたいとは思わないし、遠慮したい空間ではあるけれど、俺の場合そうも言っていられない。何故なら、ここには俺の大好きな恋人とチームメイトがいるからだ。
「あっ、比企谷くん来たね」
「お昼ぶりだね八幡くん」
「ああ、そうだな遥」
「ふふ、八幡くん」
「また始まっちゃたなあ。私もこんな優しい彼氏欲しいなぁ」
生徒会室に入るとちょうど、他の役員は居らず、うちのチームのオペレーターであり、総武高校の生徒会長の城廻めぐり先輩と俺の大事な恋人で、同じボーダーのA級5位の嵐山隊のオペレーターと広報活動、新人隊員のレクレーションをチームで担当する総武高校の副会長の綾辻遥だ。
入ってきたのが俺だとわかると2人は大歓迎です、とばかりに招き入れると遥が嬉しそうに微笑むので、そばに寄って頭を撫でると嬉しそうにするのでお互いに名を呼びあう。
めぐり先輩が何か言っているが、俺の目には遥しか写っていない。
「遥………」
「八幡くん…………」
「2人ともいい加減にして」
俺たちは見つめ合い、そのまま顔を近付ける。10センチ、5センチと距離が近づき、遂に0センチになるという時にめぐり先輩の呆れた声が聞こえてきてきたのでそちらを向くと、めぐり先輩が冷めた目をこちらに向けながら拗ねていた。
「すいませんめぐり先輩。遥がどうしても愛おしくて」
「私も八幡くんの瞳に吸い込まれてしまって」
「君達2人がラブラブなのは分かったから、せめて独り身にはキツイ空気を醸し出すのはやめてもらえるかな?」
怒ってるめぐり先輩に俺も遥もきっちり謝るとめぐり先輩はほんわかとしたオーラを出しながら説教してきたので、肝に銘じておく。だが、俺はただ目の前に大事な
「そういえば八幡くん。今日平塚先生に呼ばれてたけど何だったの?」
空気が重くなり、いたたまれなくなった遥が話題を変えようと今日の俺の呼び出しについて聞いてきたので包み隠さず全て話したら、めぐり先輩は苦笑し、遥はいやんいやんとばかりに顔を手で覆って首をブンブン振る。振っている際に遥の耳が赤くなっているのは指摘しないでおこう。
「そ、それにしてもまた大胆に書いたね。遥ちゃんが最高って」
「当然じゃないですか?俺にとって遥は大事な恋人です。そんな恋人との学校でのことを延々と書くのもどうかと思いますしね」
「う、うん。それは、それで少し問題かもね……」
「と、とりあえず八幡くんも来ましたし、ボーダー本部に向かいましょう!」
俺は持ってきたカバンと遥のカバンを持って立ち上がると、ちょうど仕事も終わったのか他の役員が帰ってきてめぐり先輩に報告した後解散となったので遥とめぐり先輩を伴ってボーダー本部へと向かう。ちなみに遥は俺の腕に抱き着きながら歩いているので俺は二の腕あたりに遥の小山2つが形を変えてひっついている現状に自身の分身が臨戦態勢になるのを理性で必死に抑えながら、左ハンドルを右手で握って、めぐり先輩が左手で右ハンドルを握って移動するという奇妙な絵面になっていた。
それは本部に自転車を停めてようやく終わり、本部内の廊下を遥と手を繋ぎながら歩いていると嵐山隊の作戦室が見えたのでここで遥と一旦お別れである。
「八幡くん。防衛任務が終わったら一緒に帰ろ♪」
「ああ、ついでに泊まっていけ」
「うん」
「うちの作戦室の前で何やってるんですか比企谷先輩、綾辻先輩」
遥と今日のこの後の予定を立てていたら、作戦室から出てきた人物が不機嫌な声で話しかけてきた。
こいつは木虎藍。嵐山隊のニューエースでスコーピオンと拳銃型のアステロイド、スパイダーを使った頭脳派の戦闘を行う大型ルーキーだった人物の1人だ。嵐山隊は木虎が入ってA級5位になったのだからこいつの腕前も高い。
「何って、愛おしい恋人への愛を囁いてるだけだが」
「はぁ、比企谷先輩。そういうことは人目の少ない場所でやってください。毎回ここで綾辻先輩とその行為をするのはこちらも迷惑です」
「悪い悪い。次から気を付ける」
そんなやりとりを木虎として俺は嵐山隊の作戦室を後にすると警戒区域へと向かうと既に他の隊員は配置についていて俺を視認すると赤毛の髪の少女がニヤニヤしながら話しかけてきた。その後ろには本を読んでいる少年と冷めた目をこちらに向ける少女がいた。
「八幡くん、八幡くん。今日はお楽しみでしたか?」
俺にニヤニヤしながら話しかけてきたのはうちの隊のアタッカーである千葉エリカ。実家は県外で警察機構に対しての剣術道場を開いているらしい。そこの次女なのがエリカだという。うちの隊のアタッカーである彼女は持ち前の実力でNo.2アタッカーでもある。
そしてその後ろで本を読んでいるのがうちの隊のシューターである青木拓篤。シューターとしてはNo.3の地位にいる実力者だ。
そして最後に俺に向かって冷めた目を寄越していたのはスナイパーの朝田詩乃。奈良坂の弟子で日浦の兄弟子に当たる。
『ゲートが開いたよ。誤差2.47ね。モールモッドが6体、バムスターが9体だよ』
到着と同時に無線からめぐり先輩の声と同時にゲートが開き、めぐり先輩の言う通りの数が出てくる。
「いちいち教えるわけないだろ。それより集中しろよ、ゲートが開いてるみたいだからな」
「ちぇっ、仕方ないか。んじゃあいつも通り行ってきまーす」
俺の返しに面白くなさそうにするとモールモッドめがけて突っ込んでいった。俺はそれを横目で見ながら、三体のバムスターに向けて前進し、サブで持っている
こちらに気付いていたバムスターの一帯はそれによって目の部分にあるコアにあたり、トリオンを吹き出しながら崩れた。残りの二体もこちらに向かってゆっくり移動しているのを確認した俺は発車する弾をバイパーに切り替えて、2体に向かって再び連射する。
発射された弾丸はあらかじめ設定された通りにバムスターの口の周りを蹂躙し、コアを粉々に撃ち抜いた。
「はい、終了〜。めぐり先輩、他にゲートは?」
『今は特に開いてないよ』
「そうですか、了解です」
その後、飛行型と砲撃型が出たりなどしたが、全て撃破して時間終了後、やってきた太刀川隊に後を任せて俺たちは本部に帰投した。
無論、終わった後、報告書を書いて提出した俺は嵐山隊の作戦室に寄って遥を連れていえにかえった
終わり方が雑いですが、気にしないでください。誤字脱字あればどしどし感想で言ってください。