ゼロの使い魔 ~小さな物語~   作:MAXコーヒー

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初小説なので、いろいろむちゃくちゃな文章になってしまっているかもしれませんが
よろしくお願いします。


プロローグ
1話 ギュスターヴ誕生


 

―――崩れ落ちる瓦礫の中、低く、重く、のしかかるような声が頭に響く。

 

『これは、小さな物語だ』

 

『私と友人との、小さな戦いの物語』

 

『それぞれのさだめの中、共にもがき……』

 

『逃れられぬ死を迎えるために……』

 

『死に立ち向かうと決めた』

 

『全ては、己が大切な者たちのために……』

 

『だが、後悔はない……』

 

『そうだろう……?』

 

そう問われた傷だらけの青年は応えた。

 

「あぁ……後悔なんて、あるわけ……ない…」

 

そう言い、腕を上げているのも辛そうに力無く手を下ろす。

 

「サイト……ルイズを、任せたぞ……」

 

そして、薄く笑みを浮かべ、小さく呟く。

 

「これで……これで、よかったんだよな? コー……ディ……」

 

その言葉を最後に、青年の体を支えていた力は失せ、その命の火は燃え尽きた。

 

先程まで青年の頭の中で響いていた声の主は、青年をじっと見つめ、空を見上げ呟く。

 

 

 

 

 

『そう、これは私と小さな友人との生涯の物語である……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーラ・ヴァリエール公爵邸ー

 

今、この屋敷の主であるヴァリエール公爵はとても落ち着かない気分であった。

忙しなく右へ左へ歩き回ったり、執務室にある高級そうな椅子に座ってもつま先は上下に動いたりと

とにかく落ち着かないでいた。

傍に仕える従者にもその様子を隠すことなく、ただひたすらその時が来るのを待っていた。

何分、何時間そうしているかも忘れるような感覚に襲われていた時、それは訪れた。

扉を数回ノックされ、慌てた様子で入室を促した公爵の前に現れたメイドは一礼すると

こう報告した。

「お生まれになりました! それもとてもお元気な後継様と妹君様が!」

その報告を聞いた公爵は

 

「そ、そうか! でかしたぞ、カリーヌ!」

 

そう言い、妻カリーヌと生まれた双子の元へ足早に向かう。

途中すれ違う召使いや従者達に祝福の言葉を送られるが、公爵は心ここにあらずと言った返事しか

返せなかった。

妻カリーヌと双子の赤子のいる部屋にたどり着くまでに、なんとか心を落ち着けることが出来た公爵は、もう一度心を落ち着かせるために深く息を吸い、吸った時と同じくらいの量を吐き出した。

 

コンコン

 

扉をノックし、嬉しさを隠しきれない公爵が部屋に入ると、そこには自分と同じように嬉しそうな顔で我が子達を抱く妻と、母の胸に抱かれた二つの小さな命が目に写った。

 

「おめでとうございます公爵様、大変お元気な双子でございます」

「うむ!ご苦労だった。お前はもう下がっていてよいぞ」

 

公爵にそう告げられたメイドは公爵と夫人に一礼し、部屋をあとにした。

自分と妻、そして生まれたばかりの二人の赤子だけになり我慢しきれなくなったのか、やや大きな声が口から出る。

 

「おぉ、カリーヌ! よくがんばったぞ!」

 

少し興奮したような口調で言う公爵に、妻カリーヌも釣られて微笑みながら言う。

 

「ありがとうございます、あなた……」

 

出産直後のためか、いつものような厳しくも凛々しさを感じさせる声ではなく、疲労感のある声で

公爵の言葉に応える夫人であったが、それは産後の疲れから来るものだけではないと公爵にもよく分かった。

 

「加減はどうだ? 双子の出産だったのだ、疲れただろう」

 

その言葉を聞き、妻カリーヌは。

 

「えぇ、とても大変でしたわ。でも……生まれてきたくれたこの子達を見たら、そんなもの一気に吹き飛んでしまいましたわ」

 

そう言い、両の腕の中で眠る双子を優しく見つめる妻カリーヌ。

 

「そうか……どれ、私にもこの子達を抱かせてくれ」

「はい。どうぞ、あなた」

 

カリーヌの手から双子の片方、妻と同じく桃色の髪の女の子を受け取り腕に抱く公爵。

 

「よく眠っておるな……。早速だが名前をつけねばな」

 

赤子を抱き、少し鼻の下を伸ばした顔で公爵がそう言うと。

 

「あら、女の子が生まれたら私が名前を決めるんじゃありませんでしたか?」

 

即座に妻カリーヌに返され。

 

「そ、そうだったな。すまぬすまぬ……」

「ふふ、その代わり男の子の方はあなたがお決めになって下さい。あなたが待ちわびた公爵家の後継ですからね、立派な名前をつけてあげて下さい」

 

妻カリーヌの言葉に途端に感極まる公爵。

 

「うむ、そうだな。公爵家の人間として恥じぬ名をつけてやらねばな」

「そうですわね、女の子の方はもう決めていたのでその名に決めますわ」

「ほう、どのような名前なのだ?」

 

カリーヌの発言に興味を持ち、耳を傾ける公爵。

 

「……ルイズ。というのはどうでしょうか?」

 

ルイズ……その名前を頭の中で確かめるように繰り返し発音する。

目を閉じ、少しの間考え込むようにした後、納得したように笑顔でそれを受け入れる。

 

「良い名だ。ルイズ 今日からお前の名はルイズだ、健やかに育つのだぞ!」

 

カリーヌは、心の底から新たな家族との出会いを喜ぶ公爵を微笑みながら見つめ、もう一人の我が子の名はどうするのか公爵に聞く。

 

「あなた、ルイズが可愛いのもわかりますが、この子も構ってあげないといじけてしまいますよ?」

 

公爵は、妻のその言葉に慌てて返す。

 

「おっと、そうであったな。この公爵家を継ぐ大事な子なのだ。拗ねられて家出などされてはショックで心臓が止まってしまうよ」

「まぁ、あなたったら」

 

互いに笑い合い、互いに抱いている赤子を交換する。

 

「私もこれで男児が生まれなければ、婿を取り後を継いでもらおうと思っていたが、その心配も杞憂に済んだようだ」

 

そういうと公爵は、腕に抱いていた赤子を両の手に抱え、真上に掲げた。

 

「私たち夫婦の間に男児が生まれたら名付けようと決めていた名がある。それをお前に名付けよう」

 

公爵は高らかにその名を口にした。

 

「お前にこの国の英雄、そして我らが祖先の名、ギュスターヴを与えよう」

「ギュスターヴ……」

 

カリーヌは先程公爵がしたように頭の中でその名を確かめる。

 

「そうだ。この子は今日よりその名を名乗る。今日からお前はギュスターヴだ!」

 

 

 

その名に反応するかのように先程まで眠っていたギュスターヴは目を覚まし、父であるヴァリエール公爵を見つめていた。

 

 

―――こうしてこの日、トリステインの英雄と同じ名を持つ男児が誕生した。

 

 




あまり長くないですけど、こうして書いてみると結構書いた気分になりますね・・・。
小説家ってホントに大変なんだとつくづく思い知らされました・・・。
さて、この第一話が物語の導入部分となります。
お見苦しい点もあったと思いますが、もっとこうしたらいい、ここはこういう文の使い方の方がいい
と言った意見などありましたら教えてくれるとありがたいです。
次回の更新ですが、何分初めてだらけなので遅くなるかもしれません。
それでも次も一読頂けたら幸いです。
では、また次のお話で!
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