天空(そら)に、憧れた事はあるだろうか、焦がれ、思いを馳せ、自由にあの天空を舞ってみたいと思った事はーーーーーーー。
俺にはあった、恋い焦がれていたんだ、この天空に。
まぁ、当たり前と言うべきか周りに話してみれば、返ってくる答えはいつも同じ様なものばかり。
『無理に決まってるだろ』
だの
『パイロットにでもなれば?』
だの、ありきたりな答えしか返ってこない。
………わかっているさ、でも、だからこそ、願うんだ。
この広い大空を、自由に、舞うが如く飛んでみたいと。
そんな事を考えながら、学校から自宅までの帰り道を歩く、夕暮れ時なだけであり、歩道のすぐ隣の車道は帰宅ラッシュだろうか、車が多く走っている。
いつも道理の風景だなぁと、少し渋滞気味の車道を見て思う、“魔法”でもあれば便利なのにな、なんて事を考えてしまっていた。
実際、自分でも理解しているしわかっていた、空を飛ぶなんて事は“魔法”でも無い限り無理だって事を。
周りに聞こえないように、小さくため息をつく、魔法なんてそんなもの、現実では有り得ないとわかっているから………。
いつもの様に辛い現実にぶち当たり、少々落ち込みながらも、横断歩道にさしかかる………信号は、赤か。
車がいなけりゃ、軽く無視するんだけどな、ここまで目の前で走られたら流石に無視する気にはなれないな………。
早く信号が変わらねえかなぁ、そんな事を思いながら両手を学ランのポケットにしまい、傍にある電柱に少し身を預け、空を見上げた。
夕暮れ時の空は夕日のせいか、赤くなっていて、どこか寂しく思わせるような雰囲気を出していた。
「それでも………俺は、飛びたいんだ……この空を……」
諦めきれない、諦めれる訳がない、だって…………俺は、親父とーーーーーーーーーー。
そこまで思ったところで、後ろから何故か悲痛な叫び声が聞こえてきた。
何だよ…と、思い振り返ると、大型のトラックが此方へと突っ込んできていた。
「………………………………は?」
自分でもかなり情けない声か出たと思う、訳の分からない状況に直面してしまうと、こんな声が出るものか、さっきの悲痛な叫び声はこう言うことか、と意味のない思考が頭を埋め尽くす。
そんな思考を振り払い、逃げることに集中しようとするが、足がすくんで動かない。
逃げろ、速く、1秒すら無駄に出来ない、足を、足を動かさなければ。
しかして、現実とはいつだって、誰にだって不平等を許さない。
80キロ程のスピードで突っ込んできていたトラックを避けれる筈も無かった。
「は、ハハハッ………呆気ねぇなぁ、俺の………人生………」
諦めの言葉が口から漏れる、最早眼前にトラックは迫ってきていた。
そして----------------。
視界が黒に染まった。