てへぺろ
気がつくと、俺は真っ白な空間にいた、辺りを見渡しても白が埋め尽くしている様な空間、人っ子一人見当たらない。
いやいや、ここ何処だよ、俺は確か……学校から帰ってる途中……で………。
「あー…そっか、轢かれたんだっけ、トラックに」
人間、死ぬ時は呆気ないもんだなーなんて、まるで他人事の様にあっけらかんと言ってみる。
だけど………、だけど……………。
「あー………クソッ、畜生………!」
そう言って俺は地面を思い切り殴りつける、納得がいかない、何で俺が、そんな事ばかりが頭を埋める。
急に残りの人生奪われて平気な人間なんていてたまるか、追いかけたい夢や、やりたい事もまだまだたくさんあったんだ、それをあんな理不尽に、一瞬で、全部奪われたんだ。
「俺が……何をしたってんだよ…」
「その質問にお答えしよう!」
「…………………あ?」
先程まで俺以外誰もいなかった筈の空間、それなのに後方から声が聞こえてきた。
即座に後方を向き、声の正体を確かめたのは……いいんだが………。
全身真っ白の変態がジョジ○立ちをしながらどや顔でいた。
「フフフ、私が誰なのか、と言う顔をしているね………お答えしよう!!そう!私は神様なのだよ!!」
切実に頭の病院をオススメしたい、いや、ホントに。
俺は全身真っ白のオッサンから即座に距離を取り始める。
「ん?その顔は信じてないね!?って、ちょっと待った、何で私から距離をとるんだい?」
「いや、ほら、変な人に関わったら死にますって親が………」
そう言いつつ、自称痛々しい神様が此方へ近寄ってくる、止めろ気持ち悪い。
「いやいやいや!!誰が変な人だ、僕は神様だよ!?」
「自分から神様なんて名乗る人って視界に入れるだけで何か痛々しいですね、消えてくれません?」
「意外と毒を吐くね!?よ、よし、なら私が神様だという証拠を見せようじゃないか!」
「全身真っ白の痛々しいオッサンが何言ってんだ」
目の前の全身真っ白のオッサン(自称神様)はフッフッフと笑った後自信満々にこう言ってきた。
「君の名前は皆城颯斗(みなしろはやと)だね!」
…………………………うわぁ、彼処まで痛々しい上にコイツストーカーかよ。
「スイマセン、交番って何処にあります?目の前に痛々しいストーカーがいるんですけど」
「誰がストーカーだゴルァァァァァァアアアア!!!!」
テメェ以外に誰がいんだハゲ、ってか叫ぶなようるせぇな。
「よ、よーし、ならもう一つ証拠を見せようじゃないか」
まだあんのかよ………。
「これ以上罪を重ねない方がいいと思うが」
「私は最初から罪など重ねていないよ!?」
痛々しい自称神様の上に、ストーカー………。
「重犯罪者じゃん」
「とてつもなく酷いね君!!」
特に何も酷いことを言っている気はしないが。
「んで?証拠って何よ?」
何故か、今度は急に真剣な顔つきになり、じっと此方の目を見てくる、正直気持ち悪い。
「私は、君の理不尽な死の真相を知っている」
瞬間、俺は奴の顔面を掴み、万力の如く力を入れる。
「ぬぁぁぁぁああああ!!!??」
「話せ、さぁ話せ早く話せどうした?さっさとしろ」
更に力を込める、込める、込める。
「ぬぁぁぁぁああああ……は、話すか……ら、離して……」
「話して?俺が何を話すと言うんだ?」
「ちが……違う…手を…はな、離して……」
「何だ、そっちか、ほらよ」
た、助かった………と、地面にうずくまっていたのが異様に気持ち悪かったので、取り敢えずスルーする。
「さぁ、話せ」
「君神様相手にどんだけ上から目線なの!?」
どこまでも、かな。
「全く………まぁ、いい実は…君の死は……私のせいなんだ」
………………は?
「そいつぁ…………一体全体どういう事だ」
「うん、確かに事情はある、数多くいる人間の中で、私は君を選んだんだ、たった一人の君を」
選ぶ………? 選ぶって何を? 俺は一体何について選ばれたんだよ。
何で、俺が死ななくちゃならなかったんだよ。
そう問いかけようとして、はたと気付く、神の雰囲気が先程までの雰囲気とがらりと違うことに。
「まずは謝罪をさせてくれ、人間、皆城颯人……私は私の願いを叶えるために、君を犠牲にしている」
コレは………駄目だな、さっきみたいにふざけれる空気じゃない、先程までは微塵も感じなかった神としての威厳とでも言えばいいのだろうか、自然と両手に汗がにじむ。
「ハッ、正直なもんだな、神様って奴は」
「神が虚を吐くなどあってはならないのだよ、それは私自身の存在を否定する事になってしまうからね」
「あ?それってどう言う……」
「私の存在など、どうでもよいだろう?」
成る程、自身の事に関してはあまり話したくはねぇんだな、コイツは。
「わかったわかった、もう聞かねえよ、んで………何なんだよ結局、俺が選ばれただのなんだのって話は」
俺がそう聞くと、神は少し考え込むような仕草をした後、口を開く。
「君は…………世界が幾つもあるって言われたら、信じることは出来るかい?」
「世界が……………幾つも?」
そんなの………あるわけ無いと、言おうとして止めた。
目の前にこんな非科学の塊みたいな存在がいるんだ、今更世界が複数あると言われ信じられないほど、俺は愚かじゃない。
「信じるぜ、アンタが目の前にいるんだ、それが証拠じゃねえか?」
何を思ったか、神は一瞬驚いたかのような表情を見せるが、直ぐに先程の威厳に溢れた顔付きに戻った。
「そうか………ありがとう、皆城颯人」
「礼を言われる覚えはねぇな、んで?世界が複数あるから何だってんだよ」
そう神に問う、当たり前だ、何せ本題はここからなんだから。
神は一瞬迷ったような表情を浮かべた後、決意したのか、覚悟を決めて俺に向き直った。
「君に世界を救って欲しい」
「断る」
反射的に出る反応って怖い。
まだ、行かない。
無駄になげぇこと話してる気がする。