え、だってロリじゃないもの   作:レンレン

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お話

 

「……なのはさん」

 

ふ、と先程まで呆然としていたスバルが呟く。

 

同時に怜は安堵の表情を浮かべ、ティアナはばつの悪そうな顔をする。

 

「まずティアナはシャマルさんに診てもらおうか、その後で少しだけお話させてくれると嬉しいな」

 

「…はい」

 

 

 

□■□■□■□

 

 

 

スバルの体調をシャマルに診てもらう間に、なのはとティアナは歩き始めた。

二人ともが何も言わずにいると、いつの間にか訓練時に使う広場まで来ていた。

 

「謝らないんだ?」

 

そう呟かれた言葉にもティアナの表情は暗いままだ。

 

「あ、別に謝ってほしくて言った訳じゃないから気にしないでね」

 

「なのはさんこそ、怒らないんですね」

 

少しだけ吐き出されたティアナの気持ちに、なのはの顔が引き締まる。

 

「怒ってるよ、でもそれ以上に自分の不甲斐なさが悔しいだけ。 ティアナはさ、私の教導に不満とかあったかな?」

 

「そんなんじゃないです、ただ強くなりたいだけなんです」

 

「今までで強くなったとは感じなかった?」

 

「確かに体力とか基礎的な運動能力は上がったとは思います。 でもそれは皆も同じですから、もっと別の部分で補わなきゃダメじゃないですか」

 

「どうして?」

 

「どうしてって……! 他の皆は強くなってるじゃないですか!! 私だけ取り残される訳にはいかない!!」

 

叱るでもなく、質問ばかりのなのはに思わず怒声をあげるティアナ。

逆になのはは驚くでもなく、怒るでもない。

ただティアナを見つめていた。

 

「そっか、ティアナにはそう見えちゃってるのか」

 

「…そう見えるも何も、事実だと思ってますから」

 

「ティアナが言う強さって何? スバルみたいな腕力でもないし、キャロみたいなレアスキルでもないよね。」

 

「そ、れは……ッ!?」

 

答えを出す前に視界の端から魔力弾が接近するのに気づいた。

咄嗟に回避、迎撃を行う。

 

「そう、それ。 あらゆる状況に対して、適切な行動が出来る判断力と応用力」

 

『それに…』と前置きを付け、なのはが続ける。

 

「ティアナがやってた自主トレの内容をお兄さんから聞いたよ、自分に足りない『近接戦闘』の部分を補おうとしたんだよね? やり方は問題だったかもしれないけど、着眼点は悪くないよ」

 

「………」

 

「ティアナの志望を考えると、将来的にも必要になると思う。 だから…クロスミラージュ、リミッターリリース」

 

 

先程ティアナが取り出したデバイスを借りて、ワードを呟く。

 

するとクロスミラージュの銃口から刃が生成される。

 

ティアナ自身が作り上げた術式よりも強固な造りになっているのは人目で分かった。

 

 

「よし、ちゃんと機能してくれてる……ティアナ?」

 

「…どうして」

 

「えっと…」

 

「どうして、そこまでしてくれるんですか……普通、教導ってこんな事までしてくれないですよね? ねえ、どうしてですか!! なのはさんが教えてくれたことを無視して、スバルまで巻き込んで……一人で空回りして、これじゃバカみたいじゃないですか」

 

ティアナが唇を噛み締め、涙を流しながら問い詰める。

 

「どうして、かぁ……ティアナはさ、私が撃墜されたことがあるって話知ってる? 結構前のことなんだけど」

 

「え……」

 

ティアナが知る由もないだろう。

当時、既に管理局期待の新人として名を馳せていた彼女が撃墜されたことを管理局は必死に隠していたのだ。

 

「任務帰りに襲撃にあったんだけどね? その頃ずっと無茶してたのが祟っちゃたんだよ。 きっと私にしか出来ないことがあって、それは誰かのためになるって信じてた私は休憩なんて殆どせずに訓練と任務にあけくれてたから」

 

「………」

 

「お医者さんに『二度と飛べないかもしれない』って言われたのがショックでぼーっとしてたらね、お兄さんが来たんだ。 その時どうしたと思う?」

 

「えっと……」

 

「色んなチューブに繋がれてる私の頬をぶったんだよ? でもその後こう言ったの『なんでこんな無茶したんだ! どれだけの人が心配して、悲しんだと思ってる!』って。 痛かったなぁ…勿論体も痛かったけど、何より心が痛かった。 一番大事にしてるつもりだったのに、一番蔑ろにしてたことに気付かされて…」

 

ふと、なのはが「しまった」と声に出す。

話の内容がズレ始めたことに気付いたのだろう。

 

「それで思ったんだ。 こんな思いを誰にもしてほしくないなって。 だから私は例え単なる教導でも生徒のためになるように全力全開で応えるって決めてるんだ」

 

「ごめん、なさい。 私、わたし…っ」

 

「ううん、私の方こそ。 ちゃんと言葉にしなきゃいけないこともあるって分かってたのに、みんななら大丈夫だろうって勝手に甘えてた。 ホントにごめんね」

 

 

その後、しばらくの間ティアナの泣き声が辺りに響いた。

 

 

 




これにてストックはお終い。
頑張りますが…リアルで色々ありすぎてもーうダメだぁ
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