なのはとティアナによる話し合いが終わってから約一ヶ月後のこと
「ええっと…いいんですか、休暇なんて?」
「うん、ここ最近はガジェットによる被害もビタッと止まっててな。 フォワードのみんなも頑張ってるし、たまには休まなあかんと思うんよ」
フォワードの面々には休みを与えられていた。
しかし本来なら休む暇もなく訓練ばかりの彼女ら、喜ぶと同時に心配をしてしまった。
「ガジェットの被害が止まった?」
「うん。 今までは数日に一回くらいは色んな世界で確認されてたんやけど、ここ最近はなんもなしや」
そう、はやてが言うようにガジェット出現の報告がなくなってから、およそ三週間が経とうとしていた。
「それで、なのはちゃんや他の隊長達と話し合った結果、今日一日は休みや。 体を休めるもよし、出かけるもよし」
その言葉にフォワードの面々から声があがる。
各々、何をしようかと考えているようだ。
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一方そのころスカリエッティの研究所
「では、聖王の完成体がこちらに向かっていると?」
「うむ。 いやあ、楽しみだなぁ!!」
「でもドクター、なんでその聖王にご執心なんッスか?送られてきた写真ばっか見てますけど それって所謂『レプリカ』ッスよね」
「あーらウェンディちゃん、分かってないわねえ。 その『レプリカ』がゆりかごに必要だからに決まってるじゃな~い。それを使って世界中を混乱に……」
クアットロが自信満々に自説を唱える。
かねてより計画されていたことが自信を裏付けることになっている。
「違うな、間違っているぞクアットロ。 この写真を見たまえ。そして自分達と比べるのだ。もちろん我が娘ながら、お前達は可愛い。だがこの聖王の器とは決定とに違うところがある!! それは肉体的な幼さ、そして何より羞恥心が足りない!!
そう私は!無垢な!子供に!おかえりと言ってほしいのだ!!」
その場にいた娘……ナンバーズから冷ややかな視線が突き刺さる。
「ドクター……あの、何を言ってるのかわかりかねますが」
「ふむ。 ではウーノ、想像してみるのだ。 研究で疲れているところに、危うげな足取りで近づいてきた彼女がこう言うのだ『お母さん、大丈夫?』と」
前にどこかで聞いたような演説を始めるスカリエッティ。
その意見はウーノの価値観を変えるには十分だったようで、口元に手をあてて衝撃を受けた表情に変わる。
やはり『この親にして、この子あり』ということなのだろうか。
「…これより、子供服を買って参ります」
「うむ、着替えてから行くといい。 子供に見られても恥ずかしくないようにな」
「はい!!」
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「ねえねえ、はやてちゃん。 僕に休暇は?」
「何を言うてんねんな、お兄さんは週休二日あげてるやんか」
「こっちに来てから、何回休日出勤させられたと思ってるのさ!!」
「つーん」
顔を背けて知らんぷりをする部隊長殿、子供か!!
「まあ、そこまで休暇が欲しい言うんなら、なのはちゃん辺りと一緒に…」
「やったー、今日も仕事を頑張るぞー」
なんだこの脅し文句。
効果抜群にも程がある。
「そこまで嫌がらなくてもいいじゃないですか……」
そして後ろで明らかに落ち込んでいる彼女の声がする。
あれ、選択肢ミスった?
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「怜さんはお休みじゃないのかー。ね、ティア」
「ふぇっ?! な なんで私に振るのよ!!」
「えぇっ、隣にいたからだけど…なんで怒ってるの?」
「……怒ってないわよ、これっぽっちも、全然」
「ふーん、変なティア」
「そう、何もないのよ。 怜さんを見たらちょっとドキッとするとかない。 ないったらない」
「ティアー?」
「なんでもないったら!」
「えぇー……」