アカメが斬る! 〜機神を纏うもの〜   作:ライキ

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初投稿です。読みずらい箇所が多々あると思いますが、ご容赦ください。


第0話 転生

……ここはどこだ……?

 

俺は目が覚めると何もない真っ白な空間にいた。

 

ここで目を覚ます前の最後の記憶は、宅配で届いた小さなダンボールの中にあった石が突然光り始め、俺を包み込んだところまでだ。それ以降の記憶はない。

 

ここはどこだ?なぜ俺はここにいる?

考えを巡らせていると、ふと背後から声がした。

 

「やっと起きたか……ったく、どんだけ寝てんだよ。」

 

ん?この声は誰だ?聞き覚えは…ない。

 

振り返るとそこには黒髪で赤い目をした、見た目30歳程度の男が立っていた。勿論会ったことは一度もない。

 

「あの……どちら様でしょうか?そしてここは何処なのでしょうか?」

「ん?私は神だ。そしてここは天界とでも言っておこうかな。」

 

……え?神様⁉︎なんで⁉︎なんで神様が俺の前に立ってるの⁉︎

いや待て、こいつは本当に神なのか?怪しいぞ、誘拐犯とかかm「私は誘拐犯などではない。神だと言っているだろ、信じろ。」

こ、こいつ、俺の心を読んだのか⁉︎本当に神様なのか⁉︎

 

「その……神様が俺になんのようでしょうか?」

 

俺は一体何をしでかしたんだ⁉︎俺今までそんな悪いことした覚えないんですけど⁉︎あれか⁉︎最近道端で100円拾って、それを交番に届けずにそれでジュースを買ったのを見られたか⁉︎

 

「安心しろ。別にお前の今の世界での行いをどうこう言うためにここに呼んだわけではない。本題に入ろう。まずお前に3つ質問をする。それに全て答えてもらいたい。」

「わ、わかりました。」

「まず最初の質問だ。自己紹介をしてくれ。お前のことは一通り知ってはいるが、一応な。自分の名前や好きなこと、得意なことなど何でもいい、話してくれ。」

 

自己紹介か……少し緊張する。

 

「はい、俺の名前は神谷零士。私立桜ヶ丘学園3年の普通の高校生です。好きなことは読書ですが、最近は読めてないな〜。得意なことは……記憶力と体力には自信があります。」

「なるほど、情報通りといったところか。2つ目の質問に行こう。零士君、今の人生に満足しているか?」

「満足は……していないですね。」

 

……俺は小学生の頃に交通事故で親を亡くし、それからは親戚夫婦に引き取られて育てられた。だが、その親戚夫婦と打ち解けることができず、高校進学と同時に家を出て一人暮らしを始めた。

学校に友達と呼べるような存在もいなかった。家でも学校でも俺は一人だ。こんな人生、満足している訳がない。

 

「やはりな、最後の質問だ。お前に今から2つの選択肢から1つを選択してもらう。1つ目はこのまま今の世界で普通の生活をするか、2つ目は異世界に転生し、そこで新たな生活をするかだ。」

 

質問された瞬間に答えが出た。

 

「2つ目でお願いします。」

 

神様の顔が少しニヤついた。

 

「わかった。お前を転生させてやろう。」

 

神様はどこかから紙とペンを取り出し、何かを書き始めた。やっぱりこの人って神様なんだな〜。

 

「あの、質問いいでしょうか?」

「なんだ」

「なぜ神様は俺を転生させてくれるのですか?俺は別にそんな大したことをしたこともありませんし……」

 

少し気になっていた。俺は今まで人助けという人助けををしたような覚えは全くない。直近で思い当たるとすればお婆さんに道を聞かれ、目的地まで案内した程度だ。だがこれくらい誰だってする。

 

「なぜか……か……特に理由も無いが…強いて言えば私の暇潰しだな。最近はほとんど仕事がなくて、ふと下界を見下ろした時、ちょうどお前が目についてな。見たところ家族や友達もおらず、如何にもこの世界に不満を持ってそうなオーラがお前の周りを漂っていたから、お前に私の暇潰しに付き合ってもらうことに決めた。そんな感じだな。」

 

……ちょっと自分勝手すぎな理由じゃないですかね?もういいですけど。

 

「質問はそれだけか?それなら本題に戻らせてもらうが」

「あ、はい。戻っていただいて大丈夫です。」

 

今の質問の間に何かを書き終えたらしく、再び視線を俺に向けた。

 

「それではこれから転生する世界などを諸々決めていく。またいくつか質問をすることになるが構わないか?」

「はい、よろしくお願いします。」

「ではまず転生する世界を決めようと思うが…お前が最後に読んだ本はなんだ?」

 

最後に読んだ本……そうだな……

 

「『年収200万円からの貯金生活宣言』ですね。」

「うん、私の質問が悪かった謝ろう。」

 

神様は顔を歪めていた。多分小説や漫画を期待していたのだろう。だが残念。俺は高校3年。もう卒業の年だ。そんな呑気に漫画や小説を読んでいるわけにはいかない。俺は卒業したら就職する予定だ。親戚夫婦はお金のことは心配いらないから大学に行けと言っているが、やはりこれ以上迷惑をかけるのは気が引ける。バイトと仕送りの生活からも早くおさらばしたい。確かに大学で学びたいこともあるが、それはまた余裕ができたら自分で学べばいい。だから就職の道を選んだ。

 

もっとも、今となっては進学も就職もないけどな

 

「そうだな……最後に読んだ漫画はなんだ?」

 

最後に読んだ漫画はハッキリ覚えている。かなり衝撃的な作品だったからな

 

「『アカメが斬る!』です。」

「よし、では『アカメが斬る!』の世界に転生するとしよう。次にお前の体のスペックを決める。筋力や素早さなどが決まると思ってもらえればいい。何か希望はあるか?あと言い忘れていたが体つきも変わるからそこは注意しろよ。」

 

ここが悩むところだ……さてどうしようか……

 

「これって漫画のキャラを言えばそのキャラのスペックになったりしますか?」

「うーん……まあいい、許可しよう。その方が俺としても楽ではあるからな。」

「それでは『ドラゴンボール』の孫悟飯でお願いします。界王神様に潜在能力を解放された状態の。」

「……チートじゃないか?」

「あの世界で確実に生き残るにはこれくらいは必要だと思いまして。」

 

『アカメが斬る!』の世界では少しの切り傷が必殺になるような刀や時空を凍結させるような能力まである。並みのスペックでは命がいくつあっても足りない。なぜ悟飯のスペックにしたのかと言うと、それは俺があの漫画で一番好きなキャラだからというだけで、深い意味はない。

 

「まあ事前に漫画のキャラのスペックでもいいと言ってしまったからな。では少し目を瞑っていてくれ。俺がいいと言うまでは絶対に目を開くな。」

 

何をするのだろう……不思議に思いながら俺は神様の言うとおりにした。

 

1分くらい経っただろうか

 

「ふう……よし、もう目を開けて大丈夫だ。」

 

俺は目を開けた。…すると…

 

「……え?」

 

そこには大きな鏡があり、そこに映る俺の体を見た時、俺は驚愕した。

 

俺の体は鍛えられ、バランス良く筋肉の付いた体つきになっていた。さらに体の内側から力が溢れてきている。これが孫悟飯の力か。

 

「あの……一応これはどうやったのかだけ聞いていいですか?」

「別に……ただお前の体の体質を変化させて幼少期まで退化させ、孫悟飯の幼少期の修行から界王神の能力解放までをお前の体に追体験させただけだ。」

「でも追体験しているならかなり時間がかかるんじゃ…」

「私は神だ。そんなもの、お前の体だけ時間を速めればいいだけの話だ。」

 

神様ってなんでもありだな……もうちょっとやそっとじゃ動じないぞ。

 

「次に使用する武芸の選択だが……『ドラゴンボール』の武術は体に叩き込まれているがどうする?」

 

確かにそれもありだ。だがあの世界で拳一つというのは少々心細い。もう一つくらい何か欲しいものだ。何かいいものはないか…そうだ!

 

「剣術を使いたいです。流派は……『るろうに剣心』の飛天御剣流で。」

 

「……またこれもチートだな、わかった。飛天御剣流だな。よし、では背中を向けろ。」

 

神様は少し顔が青ざめていたが気にしない気にしない。

それにしても、目を瞑る次は背中を向けろか……一つに統一したらいいのに。

そう考えていると背中に強い衝撃が走った。それと同時に飛天御剣流の型のイメージが脳内に次々と映し出された。

 

「……いてて……追体験の次は型のイメージをそのままダイレクトに俺の体に叩き込んだってところですか?」

「おお、ご名答。緋村剣心の追体験をさせるには体のスペックが違いすぎるからな。こうするしかなかった。」

「そうですか……なるほど、これが飛天御剣流、俺に使いこなせるかな…」

「なに、お前の体は人の域を超えている。そんなに難しいことは無かろう。」

「そうですけど……」

 

孫悟飯の体に飛天御剣流。これだけの強大な力を自分が扱いきれるとは到底思えない。だから俺は神様に申し出た。

 

「神様、俺に修行する時間をください。これだけの強大な力、今の俺が扱いきれるとは思いません。だからお願いします‼︎」

「……ったく、そんなに不安か?わかったよ。ならあの部屋に入れ。そこにお前と同等以上の力の使い手を用意した。そいつに修行をつけてもらえ。」

「……どんな人か教えてもらえますか?」

「体のスペックは孫悟飯以上、剣術は飛天御剣流、性格は『ドラゴンボール』のピッコロそのもの。どうだ?師匠にはもってこいだろ?」

 

この神様、わかってらっしゃる‼︎

 

「はい‼︎ありがとうございます‼︎それでは行ってきます‼︎」

「おう、修行の間はお前の成長を止めといてやるから思いっきりやってこい」

俺は期待を胸に扉の向こう側へ行った。

 

 

 

 

「ふうー、あいつが帰ってくるまで俺は寝とくか。」

 

 

 

 

……10年くらい経っただろうか。俺は部屋にいた先生に気の使い方、飛天御剣流や拳での戦闘技術の指南などをしてもらった。途中何度も死にかけたが、おかげでこの体に心が追いついた。心と体が一致した時初めて力を引き出すことができる。武術の基本だ。飛天御剣流も体に馴染んだ。俺は先生に礼を言い、部屋を後にした。

えーっと神様はどこにいる?あ、あそこで寝てる!

 

「神様〜‼︎修行終わりました‼︎」

「んーふぁ〜よく寝た……おーおかえり。修行は成功したか?」

「はい‼︎バッチリです‼︎」

 

「そんじゃ気を取り直して、次に行こうか。お前に帝具を授ける。どんなのでもいいぞ、言ってみろ。」

 

…本当になんでもいいの?それなら

 

「鎧の帝具でお願いします。鎧を呼び出す鍵は日本刀で、牙狼の鎧みたいに剣を頭上に掲げて円を描くと、そこから鎧が降ってきて装着されると言ったような感じがいいです。鎧はそうだな…アニメ版のアスラクラインの黒鐵・改を人間サイズに縮めたような感じで、能力は黒鐵・改の重力操作と空間切断、この二つを合わせた完全なる時空間制御でお願いします。奥の手はお任せします。」

 

「………フ、フフ、フハハハハハハ‼︎」

 

神様は一時の沈黙の後、急に笑い出した。

 

「フハハハハハ‼︎面白い‼︎最後まで貪欲に最強を求めたな‼︎その姿勢、嫌いではないぞ‼︎男たるもの貪欲でなくてはな‼︎わかった、その最強の帝具をお前に授けてやる‼︎」

 

ヤバい……神様が壊れた……そりゃそうだよな……強すぎるよな……

 

そう考えていると、神様がまた何かを紙に書き、その紙を燃やし始めた。その紙が燃え尽きると、燃え尽きた炭から炎のような色の翼を持った、鷹くらいの大きさの鳥が飛び出し、その足は黒と白の鞘の日本刀を持っていた。

鳥は俺の頭上を飛ぶ時に日本刀を落とし、俺はそれを頭上でキャッチした。すると鳥は小さくなり、インコほどの大きさになると俺の肩に乗った。

 

「この鳥は?」

「そいつはフェニックスだ。特性は自分の意志で大きさを自由に変えられるのと、涙に癒しの力があるということだ。あとその帝具の奥の手を使う時の鍵にもなる。大事に扱えよ…と言わずとも、自分から肩に乗るということはかなり気に入られてるぞお前。良かったな。」

「キュイー‼︎」

神様がそう言うと、フェニックスが返事をするように鳴いた。

 

「これからよろしくな」

「キュイ‼︎」

 

俺が頭を撫でると嬉しそうに鳴いた。……こいつ可愛いな。

 

「よし、そんじゃ最後だ。これはお前の力とは一切関係ないことだ。」

「ん?なんでしょうか?」

「その服だ。」

「ん?あ‼︎」

 

そういえば俺の服、修行でボロボロだ…

修行の序盤は服が破れるのを気にしていたが、日が経つにつれてどうでも良くなっていった。今の俺は、上は完全な全裸、下は無数の穴が開いたかつてズボンであったものを履いている状態だった。ダメージデザインでもここまではしない。でもまだ完全な全裸ではないだけマシか…

 

「で、服はどうする?」

「うーん……では白いコートと黒い上下でお願いします。」

「注文はそれだけか?」

「はい。」

そう言い終わると俺の体に光が集まっていき、その光が弾けると、俺の体には黒いシャツと黒いズボン。そして白いコートが着せられていた。

 

「余計な装飾はしなかった。どうだ?感想は。」

「はい‼︎思った通りのものです‼︎ありがとうございます‼︎」

「そんでこれも持っていけ。」

でかい黒のエナメルバッグを渡された。

「その中に着替え3着と一週間しのげる程度の金が入っている。自由に使え。」

「何から何までありがとうございます。」

「礼はいらない。私の暇潰しに付き合ってもらっているんだからな。」

 

そういえばそうだったな…

 

「そんじゃ旅立ちの前に、転生後の抱負を語ってもらおうか。」

「そうですね……救世主になるってところですかね。」

「ふむ、漠然としてはいるが、嫌いではない。それでは行ってこい零士。俺を退屈させるなよ?」

「もちろんですよ。それでは行ってきます‼︎」

 

その言葉と同時に俺の体は10年前と同じように光に飲まれ、その光が収まり、周りを見ると、自分の体は雲の上のはるか上空にあった。

 

「ん〜‼︎久々の空気‼︎久々の太陽‼︎久々の青い空‼︎世界は違うが空の色は同じだ‼︎これから俺の新たな人生が始まる‼︎気合いも充分‼︎やってやろうぜ‼︎」

「キュイ〜‼︎」

 

そう言って俺と鳥は地面に降下していくのであった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「それにしても世界を救った男の体に神速の殺人剣、纏う鎧は機巧魔神(アスラ・マキーナ)。これは地獄の鬼も泣いて逃げ出すぞ…」

 

少々やり過ぎたと反省しながら下界を見る神。

 

「さて、見せてもらうぞ、お前の英雄譚を。」

 

そう言う神の顔は、笑っていた。




かなり長くなってしまいました。
感想、アドバイス等よろしくお願いします。
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