カレン「聖壺大戦」   作:聖壺

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第5話

天草四郎「……」ピクッ

慎二「?どうかしたのか」

天草四郎「どうやら、ゲストがこの世界に招かれたようですね」

慎二「そうか……来たんだな?衛宮たちが」

天草四郎「ええ。どうやらそのようですね」

慎二「よし!早速迎え撃って……」

天草四郎「まぁ、待って下さい。得たのは彼らがログインしたという情報のみ。現在地も呼び出したサーヴァントも、何もわかっていない状況です。むやみに動くべきではないでしょう」

慎二「う……ま、まぁね。お前の言うことも一理あると思うよ」

天草四郎「焦らずとも、あなたのセイバーならばどんなサーヴァント相手でも引けをとらないでしょう。今はアトラムさんからの連絡を待ちましょう」

慎二「連絡って……何の?」

天草四郎「コントロールルームでは、常にゲーム全体を見渡せる監視モニタが備わっています。彼ら全員の位置座標が判明したら、彼にこの端末宛に送ってもらうよう頼んであるのですよ」

慎二「へぇ。案外、抜け目ないんだな」

天草四郎「まぁこのくらいのことは、彼らにとってはいいハンデでしょう」

慎二「そういえば、お前の契約したサーヴァント6騎は今どこにいるんだ?」

天草四郎「ああ、そのことでしたら……今、遊撃に出しています」

慎二「へぇ?」

天草四郎「何分、この世界は作られたばかりでまだゲームとしては未完成なもので……バグによって侵入不可能なエリア等が存在するのですよ。安全のため、そういった場所を探らせているのですよ」

慎二「侵入不可能って……ヤバイのか?それって」

天草四郎「ええ。最悪死にます」

慎二「はぁ!?」

天草四郎「ですが、ご安心を。そうならないための偵察です。我々の護衛はセイバーさえいれば事足りますからね」

慎二「おい、それって……衛宮たちもヤバいんじゃないのか!?」

天草四郎「……彼らにも、その旨は伝えてあります。どうか安心して下さい」

慎二「……だったら、いいけどさ」

天草四郎「お友達思いなのですね、あなたは」

慎二「フン。対戦相手がいないゲームなんて、つまらないだろ」

天草四郎「ええ、ごもっともです。ですが危惧することはありません」

 

天草四郎「この戦いは……決して我々を退屈させないでしょうから」

 

 

士郎「カレン!よかった!やっと合流できた!」

カレン「あら、あなただけですか?この状況、自分の身の危機でしょうか?」

士郎「そんな冗談飛ばせるなら、特に問題ないみたいだな。とにかく、敵に見つかる前に合流できたのは良かった」

カレン「……それより。あなたの後ろにいるその奇妙な生物は……サーヴァントですか?」

士郎「ん?ああ、紹介し忘れてたな。セイバーだ」

 

「よろしく」

 

士郎の召喚したサーヴァントは、最優のクラス、『セイバー』

確かにその手には、セイバーのクラスに相応しく

分厚く刀身の長い、巨大な片刃の剣が握られていた。

しかし、その持ち主は頭髪こそ特徴的なものの、頭身が低く

どこか緊張感が感じられない、『緩さ』を持ち合わせていた。

 

士郎「なかなか話がわかるやつなんだよ、こいつは。きっとカレンとだって、うまくやれるさ」

カレン「話がわかるかどうかよりも、戦闘能力のほうが大切だとは思いますが……まぁよいでしょう」

士郎「そうだ!この世界に入った後、地図を確認しようと思って端末を起動させようとしたんだけど……全く反応が無いんだ。カレンのも、そうなのか?」

カレン「ええ。おそらくは私達の端末の設定が弄られているのでしょう。姑息な手です」

士郎「このままじゃ、みんなと合流するのはかなり厳しいぞ。カレンと会えたのだって、奇跡みたいなもんだ」

カレン「サーヴァントさえ召喚できてしまえば、ある程度は安全を確保できますが……それでも、各個撃破されたら厄介ですね」

壺セイバー「そういえば君はまだ、サーヴァントを呼んでいないのかい?駄目だよ。女の子が一人でいたら、危ないよ」

カレン「……随分とのんびりとしたサーヴァントですね。ですが、誤解を解いておきましょう」

カレン「私は、既にサーヴァントを呼び出しています。――そして、既に、刺客として放っています」

士郎「え!?刺客って……どこに?というか、何の目的で……?」

カレン「私の呼び出したサーヴァントは、『アサシン』。であれば目的は一つでしょう」

士郎「……暗殺、か。まさかいきなり、慎二を……?」

カレン「いいえ。言ったでしょう。このゲームは設定が改変されていると。つまりコントロールルームを担当する、『管理人』の役割を担当する人物がいるはずです」

カレン「その人を始末し……そうですね、まずは端末を使用可能にしましょうか。最悪通信機能さえ付与できれば、集合も可能でしょうし」

士郎「――わかった。それまでの護衛は、セイバーに任せてくれ。頼んだぞ、セイバー」

壺セイバー「うん。承知したよ。それに僕は、どちらかというと守るほうが得意なサーヴァントだからね」

 

 

アトラム「ネット掲示板を通じて収集したマナを、こうしてネットワーク上に蓄積し、一つの空間を作り出すとは。聖堂教会の連中も突拍子もないことを考えつくもんだ」カタカタカタ

アトラム「しかし、……古い魔術師連中にとっては、盲点だっただろうさ。そもそも、奴らはネットワークというものに理解を示しているのかすら怪しい」

アトラム「この方法ならば、仮に神秘が薄れ、地上からマナが枯渇したとしても……魔術の伝承、再現が可能だ。勿論、ネットワーク上のみではあるが……そこは発想を逆転すべきところだな」

アトラム「今後、活動の拠点を電子世界に移せばいいのさ!そうなればいくら魔術師として優秀であったとしても、新しい『技術』を受け入れられない者は進化の輪から外れる……そんな時代が訪れる!」

アトラム「見ていろ、科学技術を受け入れられないボンクラ共め!これからは、旧き魔術師(メイガス)ではなく、新たな時代を生きる魔術師(ウィザード)の時代が来る!そして、その礎を築くのは、このアトラム――」

 

バタン

 

アトラム「……?コトミネか?一体、何しに――」

 

 

天草四郎「……おかしいですね。アトラムさんからの連絡がまだ来ません」

慎二「何だぁ?サボってんのか?アイツ」

天草四郎「こちらから連絡を入れてみましょう。何事もなければ良いのですが……」

 

ブルルルルルル

ガチャ

 

天草四郎「良かった、繋がった。アトラムさん。コトミネです。そちら、異常はないですか?」

 

『……』

 

天草四郎「……!……どうやら、あなたはアトラムさんではないようですね」

慎二「へぇ!?」

天草四郎「答えていただきましょうか。アトラムさんを何処へやったのですか?」

 

『……アトラム……?』

 

 

 

『アイツはもう消した!』

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