鉄火の銘   作:属物

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第二話【スペースモンキーズ・オン・ドヒョーリング】#2

【スペースモンキーズ・オン・ドヒョーリング】#2

 

夕闇はとうに過ぎ去り夜が空を覆っている時間。分厚い重金属酸性雲は打ち捨てられたビロードめいて、ネオンの影を低解像度で映している。散々に破けた雲の破れ目から、月は白けた嘲笑を浮かべるばかり。

 

嗤いの先にある少年たちの顔も夜空の天幕めいて酷いものだ。青あざに赤タン、紫の内出血と黄色の膿で彩られ、絆創膏に縫い跡、切り傷と擦り傷でパッチワークされている。だが道をゆく彼らの表情は明るい。

 

いや、単に明るいとは違う。「それでセンセイが余計なこと言ってきて……」「きっとぶん殴ればいいんだよ」「ヤンク・センパイはまだオヤブン気取りだから……」「ぶん殴ったらいいんじゃない?」「オトコが邪魔だけどあの娘とかかなり涼しくね?」「もうぶん殴っちゃおうよ!」朗らかで酷く暴力的だ。

 

彼ら……イーヒコとアイダはオスモウクラブの帰り道である。数十分前まで散々に殴り散々に殴られて来たところだ。アドレナリンの興奮と暴力の悦楽に浸された脳は、苦痛を忘れて更なる闘争を求めてやまない。このまま自宅に帰るより盛り場に乗り出してケンカを吹っかけそうな勢いをしている。

 

「やっぱり殴ろ……」「どーした?」不意にイーヒコのセリフが止まった。視線の先には夜闇より濃い黒錆色がある。センスを疑いたくなる外観に、人間性を疑いたくなる目つき。「よう、イーヒコ。お早いお帰りだな」間違いない。兄の“カナコ・シンヤ”だ。

 

「……アイダ=サンは先に行ってて」「家庭の問題?」「家庭の問題」アイダは肩をすくめるとイーヒコの言葉に大人しく従った。「じゃ、また明日」「また明日」後ろ手に手を振る背中へとイーヒコは手を振り返す。そして不機嫌面で振り返った。

 

「……で、何?」「とりあえずメシだ。ここの先にスシの屋台がある」「メシ?」「スシ」聞きたくもないオセッキョが待っているかと思っていた。イーヒコは拍子抜けの顔で黒錆の背中を追う。なんにせよスシが食えるなら御同伴に与らぬ理由はない。何せオソバではないのだ。

 

「ねえ、キヨミ姉ちゃん怒んない?」ダイトク・テンプルの庫裏を預かる“トモノ・キヨミ”は365日3食オヤツに夜食まで必ずオソバを提供し、トモダチ園の全員から無類のオソバ狂いとして恐れられている。イーヒコもシンヤも例外ではない。

 

「知ってるか? ソバ屋にはソバ抜きトッピングのメニューがあるんだ。そして蕎麦屋にはスシソバがある。あとはわかるな?」屁理屈屋のイーヒコでなくとも無理筋と判る話だ。「それで説得できるの?」「人様のセリフだが、笑って誤魔化すさ」当人も信じてなさそうな笑顔だった。

 

「サバ、ハマチ、メルルーサ、タマゴ、スリミと……」「普通にマグロも」「じゃあそれも。全部2カンずつで」「アイヨッ! オマチッ!」キャンディめいて過剰に彩り豊かなスシを受け取り、濃縮還元コブチャ片手にベンチへ腰を下ろした。

 

食用オブラートで包まれたスカイブルーのハマチを口に放り込む。多分ハマチ、恐らくはハマチ、きっとハマチ、だいたいハマチ、概ねハマチ。そんなハマチめいた味を粘性のコブチャで洗い流した。我が家のオソバより美味しくないが、オソバではない。ステキだ。

 

「それで……シンヤ兄ちゃんはオセッキョしに来たんじゃないの?」「おや、されるような自覚はあったのか」「…………」イーヒコは黙り込んでコブチャを啜る。熱い。「まぁ、そのツラじゃされない方が問題だがな」シンヤが指差すイーヒコの顔は傷と痣で原色タイル画めいている。

 

「休み毎にサイケなドット絵めいたツラで夜遅く帰って来て、その理由も言わないんだ。家族なら大なり小なり心配もするさ」イーヒコには言い訳し難い事実であった。故にイーヒコは話を逸らしにかかる。

 

「それ、シンヤ兄ちゃんに言えた試し?」

「だからこそだ。お前に俺の二の舞をして欲しくないんでね」ましてそれでエンを切る様な羽目はゴメンだ。そう苦く微笑むシンヤから目を逸らし、イーヒコはブスくれた顔でぶーたれる。

 

「それ、大きなお世話」「家族なんだ。世話の一つや二つ焼くもんだろ?」「……シンヤ兄ちゃんには関係ないでしょ」「そうだな。だから関係しにきた」イーヒコは俯いて捨て台詞をボヤくだけだ。それすらも柔らかに包み込まれる。

 

「まぁ、やるなとは言わん。初めて半年でここまで強くなったんだ。やりたくもなるだろう」シンヤは答えながらエメラルドグリーンのスリミを口に放り込む。屋台のスシらしく毒々しくカラフルだ。味も毒々しくケミカルだ。「けど家族に心配かけてる自覚くらいはしておいてくれ」

 

「頼むぞ?」「…………わかった」不承不承と書かれた不貞腐れ顔が上下した。イーヒコの答えにシンヤも大きく首肯する。「ならよし!」シンヤはメルルーサ(コバルトイエロー)をふたつ一度に頬張ると両掌を打ち合わせた。

 

「そんな良い子のイーヒコくんに今日はプレゼントがあります」「プレゼント?」一体どこに隠し持っていたのか。どこからともなく黒錆のフロシキを取り出す。中からパイオパインの木箱が現れた。表面には『謹製』『手打ち』『お届け』の焼印がミンチョ体で印されている。

 

「ソバは要らないよ?」「俺も要らないよ。開けてみな」訳が分からないまま蓋を取り上げる。「え……えっ!? コ、コレって!?」「ジツ製品のインスタントじゃないぞ。修作だがちゃんと鍛えた代物だ」イーヒコの目が驚愕に見開かれ、動揺に打ち震え、喜びに光り輝く。

 

中には一組の黒光りする重合金が鎮座していた。イーヒコの両腕に最適な調整がされている。銘は『テッカイナ』、黒鋼のガントレットだ。

 

「コレをくれるの!?」「くれてやる」「ホントに!?」「ホントに。ただし、一つ条件がある」立てた指に透かし見える両目は真剣な光を放っている。思わずイーヒコも佇まいを正した。「ドージョーに入る時、ヤングセンセイにカラテの理由を答えたはずだ」

 

何の為にカラテを学び、鍛え、振るうか。イーヒコにも覚えがある。センセイに答えた。兄にも告げた。「思い出せるか?」「そりゃまぁできるよ」思い出そうとすればすぐに出てくる。「実践してるか?」「それは……」つまりは思い出そうとしない限り出てこない。普段は忘れてるという事だ。

 

「ならそれをしろ。それがコイツを渡す条件だ」そして実践からは更に程遠いものだった。オスモウクラブでは嬉々として殴り殴られるばかり。何一つ考えていなかった。むしろアドレナリンに溺れ、積極的に思考を手放していた。指摘されたそれが、何故だか酷く恥ずかしく思えてしかたない。

 

「……シンヤ兄ちゃんみたく強い訳でもないからしょうがないじゃん」だからつい、子供っぽく拗ねて幼稚な悪態をついてしまった。イーヒコはうなだれて視線を両手に落とす。傷まみれで小さい、子供の手だ。

 

「つまり、このまま弱いままでいいと?」「別にそんなこと言ってない!」思わず大声を張り上げていた。弱いままでいいなら何もしていないし、カラテも始めていない。感情のまま兄を睨みつける。

 

「なら、ここから強くなるんだろ。だったら実践だって出来るさ」シンヤの視線はイーヒコの怒りで小揺ぎもしない。声を荒げたイーヒコの方が揺らいでしまうほど鉄柱めいて強靭で不動だ。「出来ると、思う?」「思う。俺の弟だぞ?」

 

「じゃあ、やってみる……!」「やってみな」こつりと二人の拳がぶつかった。イーヒコの表情が柔らかに緩む。そこに暴力と血の香りはない。代わりに青臭くも爽やかな春の匂いがした。

 

「あと、さっきの台詞は嫌味だぞ? 始めて半年程度で大人に殴り勝てるジュニアハイがそうそういるか」「え、でも、シンヤ兄ちゃんにも全然打ち合えないし、センセイにもまだまだ勝てないし……」「比較対象が悪い」「そーなの?」「そーなの」疑問符を浮かべるお得の姿にシンヤは微苦笑を浮かべた。

 

「じゃあ、先帰ってるね!」「おう。お帰りな」新しいオモチャを受け取ったクリスマスのように、イーヒコは浮わついた小走りで駆け出した。その背中へとシンヤが手を振る。白けた月光とボヤけたネオン光が二人を照らしていた。

 

 

【鉄火の銘】

 

【鉄火の銘】

 

 

黒。真っ黒だ。視界全てが闇に覆われている。だが静寂ではない。期待を帯びた無数の呼吸が重なり、イオン風のように唸っている。

 

バツン。誰かが照明のスイッチを入れた。タングステンボンボリ一つだけに電流が流れる。白熱するフィラメントが暗闇に慣れた目に突き刺さる。2500℃の輻射に照らし出されたのは……パニッシュメントだ。

 

「オスモウクラブ第一条『オスモウクラブについて口外するな』」

「オスモウクラブ第二条『オスモウクラブについて口外するな』」

「オスモウクラブ第三条『オスモウクラブについて質問するな』」

 

高名な独裁者曰く、『演説とは当たり前の事をさも特別な事のように喋る事だ』。ならばパニッシュメントは間違いなく演説の名手に違いない。定められたルールを読み上げるだけで、まるで十戒を告げる預言者めいて神々しい。

 

「オスモウクラブ第四条『初めてクラブに来た者は必ず一度トリクミをしなければならない』」

「オスモウクラブ第五条『ドヒョー内の足裏を除き、床に触れたら負け』」

 

誰もが勝てない。誰もが従う。暴力(ツヨイ)権力(エライ)。だからパニッシュメントはクラブの絶対者だ。そして絶対者は口を閉ざした。闇の中の群衆は息を潜めて次の言葉を待ち侘びている。誰もが息を呑み、空気が呑まれる。

 

「オスモウクラブの門は狭い。故に密度は高く、切っ尖は鋭い。それはまさにカタナめいている」

 

パニッシュメントは声を荒げることもない。感情を込めることもない。ただ淡々と語るのみだ。だが絶対的暴威ゆえの絶対的権威、そして静かながらもクラブの隅々まで通る声が合わされば、ただの朗読が神話の語り部へと変わる。

 

「そしてカタナには目的がある。人斬りだ。ならばオスモウクラブの目的とはなんだ?」ゆっくりと暗闇を指差す。バチン。幾本ものフットライトが闇を剥ぎ取った。「それがコレだ」壁一面に描かれた惑星、太陽系、銀河、UFO。そして……サル。

 

『宇宙でもオサル』『本能開封』『自由型トリクミ』加えて力強くセクシーなオスモウ文字が壁画を彩っている。

 

「オサルは樹から降りて人間になった。人間はモージョーとカネで部品になった。

お前たちは部品か? 違う。血と肉とオスモウを兼ね備えた生き物だ。

お前たちは人間か? そうだ。だがオサルだ。電子ネットワークに覆い尽くされ、宇宙から追い出されてもオスモウを止めない、真にプリミティブなオサル……」

 

 

「そう、お前たちは宇宙オサルども(スペースモンキーズ)だ」

 

 

「ハッケ! ハッケ! ハッケ! ヨーイ!」誰がが発気揚揚の声を上げる。CLAP! CLAP! 誰かが柏手を打つ。BUMP! BUMP! 誰かが床を踏み鳴らす。幾つものパーカッションとシャウトが合わさり、誰もがそれに続いていく。重なる音は巨大なうねりとなってクラブを満たしていく。

 

「「「ハッケ! ハッケ! ハッケ! ヨーイ!」」」CLAP! CLAP! BUMP! BUMP! 「「「ハッケ! ハッケ! ハッケ! ヨーイ!」」」CLAP! BUMP! CLAP! BUMP! 「「「ハッケ! ハッケ! ハッケ! ヨーイ!」」」BUMP! CLAP! BUMP! CLAP! 「「「ハッケ! ハッケ! ハッケ! ヨーイ!」」」BUMP! BUMP! CLAP! CLAP! 

 

パニッシュメントは静止の声の代わりに、片足を上げた。ドォンッ! 踏み締めたコンクリートが揺れる。「「「………………」」」地震めいたシコと同時に静寂が訪れた。「クラブのルールは?」パニッシュメントが問う。メンバーが応える。

 

「「「オスモウクラブ第一条『オスモウクラブについて口外するな』」」」

「「「オスモウクラブ第二条『オスモウクラブについて口外するな』」」」

「「「オスモウクラブ第三条『オスモウクラブについて質問するな』」」」

 

「それでいい。指令は各人に直接告げる……解散」

 

バツン。誰かが照明のスイッチを切った。黒。真っ黒だ。視界全てが闇に覆われている。だが静寂ではない。興奮に染まった無数の呼吸が重なり、イオン風のように唸っている。まるで台風直前の夜のように。

 

 

【鉄火の銘】

 

【鉄火の銘】

 

 

『先日から頻発しているオスモウ関係店へのイタズラ被害ですが、遂に被害者が発生したドスエ』不意にオイランニュースキャスターの声が耳に飛び込んだ。イーヒコが頬杖を軸に首を回すと、カウンターのテレビに『お客火を吹く』『口内総取替』のテロップが流れていた。

 

『実際酷い。ブランデーがガソリンと入れ替えられてたんだ。お陰でオキニの勝ちを見そびれた! 代金を請求したい!』顎をサイバネした被害者がリポーターに訴えてる。『以前はオスモウチョコ入れ替えやバンザイテキーラ表示改ざんなど、低年収なイタズラでしたが過激化の傾向を見せているドスエ』

 

『自我拡大世代の自己承認欲求の自爆的発露と自己認識されますね。反興行的ヨコヅナへの抗議的側面も決断的でしょう』チョンマゲの識者が訳知り顔で持論を述べる。「バカだな、あのコメンテーター。なーんにもわかってない」斜め上な結論を強弁する姿に、アイダから意地の悪い笑いが溢れた。

 

「なぁ、さっき言ってたバンザイテキーラ表示改ざん。俺もやったんだぜ」アイダは秘密めかしてイーヒコの耳に囁く。アイダは上からの指示に従い、テキーラ工場のシールを全て入れ替えた。結果『バンザイ(万歳)テキーラ』は『ハンザイ(犯罪)テキーラ』として出荷され、マスコミとIRCを大いに賑わせたのだ。

 

「そっか」「……なんだよ、その反応」だがイーヒコは無反応に近いうす塩味な顔をしている。共感の味が欲しいアイダは不満気だ。「やれなくて拗ねてるの? 指示無視したのはイーヒコくんじゃん」「いや、別に」イーヒコにも指令は下っていた。だがイーヒコはそれを無視した。故あっての事だ。

 

「ならなんだよ?」「これの何処がオスモウなのかなって」スペースモンキーズが行ってるのはオスモウ関係へのイタズラだ。トリクミしているわけでもケイコしているわけでもない。「お前だって演説聞いてただろ。オスモウクラブはこの為にあったんだよ」けれどパニッシュメントはそう言った。

 

「この為って何の為?」「そりゃスペ……おっと。第二条」「『口外するな』ね」そう言われたから。言うなと言われたから。シンプルだ。だがイーヒコは問う。「で、スペースモンキーズ(それ)は何の為?」「それは……」オスモウクラブの目的はスペースモンキーズだ。ではスペースモンキーズ自体の目的は? 

 

アイダは二重の意味で答えられない。「…………第三条」「『質問するな』、ね」知らないから。問うなと言われたから。白痴めいてシンプルだ。なので思考中止を憎悪習慣にすり替える。「なぁイーヒコくんさ、最近チョーシ乗ってない?」いつもの軽薄な笑みの代わりに、粘つく不愉快を顔に浮かべる。

 

「お兄ちゃんからオモチャ貰って嬉しいみたいだけどさ、ルール無視は何様よ?」テッカイナを受け取って以来、イーヒコはシロボシを順調に積み上げてる。巨漢なオスモウ戦士にナード外観少年が挑みかかる姿は、半ばクラブの名物と化している程だ。

 

「なぁ強いから偉いの? 勝てるから特別なの? ならまず一番強いパニッシュメント=サンに従えよ」対してアイダの現状に変わりはない。自分が勝てそうな相手を狙って勝つ。ときおり負ける。その繰り返しだ。上は目指さない。目指せない。その度胸はない。情けない。

 

「なぁ、そもそもお前も指令貰ってたじゃん。なのに何で無視してんの? なぁ何様のつもり!?」だからアイダはスペースモンキーズの一員であることにしがみついていた。だからアイダにはスペースモンキーズを優先しないイーヒコの態度が許せなかった。

 

「……アイダ=サンの言う通りだ。何様気取りでチョーシに乗ってる。ゴメン、次の指令は犯罪でなきゃ参加してみるよ」「お、おう。判ればいいよ。判れば」なのでイーヒコがあっさり態度を翻せば怒りの理由も無くなってしまう。振り上げた拳のぶつけ先を見失い、すごすごと拳を降ろすしかない。

 

「「…………」」居心地の悪い沈黙が二人の間に流れる。イーヒコは無言で冷コブチャを煽り、アイダは黙ってマンダリンのケモソーダを啜る。不味いし、気まずい。その時である。BEEP! BEEP! 冷え切ったアトモスフィアを矩形波の着信音が破った。

 

「「来た……!」」これ幸いとIRC端末に飛びつく二人は短いメッセージに真逆の反応を示した。かたや興奮と不安の表情を見せ、かたや疑念と拒否を顔に浮かべる。「なぁ、さっき参加するって言ったよな?」「犯罪でなきゃって言ったよ」見つめ合う二人の手元で端末は本文のないメールを映していた。

 

『件名:老舗オスモウバー「タニマチ」へ放火する。準備のためクラブで機材を受け取れ』

 

【スペースモンキーズ・オン・ドヒョーリング】#2おわり。3に続く。


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