コトコト、タンタンタンタン
土曜日なので、俺はいつもより遅めの朝七時起き(平日は六時)で朝ご飯を作っている。ちなみにマリーは今日が休みということで昨日夜遅くまで仕事をしていた。早く寝て早く起きてやればいいと言ったんだがキリのいいとこまでって言ってたら結局夜三時ぐらいまで仕事を続けていた。
まあ、一応俺も執事だから主人より先に寝るのもなんだと思って本を読んで俺も三時ぐらいまで起きてたから眠いのは眠い。
ちなみに本っていうのは小説とかじゃなくスポーツに関する本。特に練習だな、千歌たちはほっとくと無茶な練習をしかねないからこういう知識を知っといても無駄ではないと思い最近読み始めた。
よし、そうこう言ってる間に今日の朝ご飯完成。休みの日だからちょっと凝りすぎた気もするけどま、いっか。
俺はキッチンで手を洗いある程度盛り付けて、また手を洗ってからマリーを起こしにマリーの部屋に向かった。(マリーには平日は七時、休日は七時半に起こすよう言われている)そして、ノックをし声をかけた。
「マリー、愛護だ。起きてるか?」
「あと、五分…」
「はあ、入るぞ」
仕方なく俺はノック、ドアノブをおろしマリーの部屋に入った。最初の方は抵抗があったが今じゃ普通に入れる。
マリー曰く英国の執事は主人の部屋に入るときはノック無しらしいからノックなしでもいいとは言ってるが、流石にそこまでできないからノックはしている。
「マリー、起きろ」
「愛護、今何時?」
「七時半だ。気分はどうだ?昨日遅くまで仕事してたから疲れてるだろうしもう少し寝るか?時間さえ言ってくれればまた起こしにくるが」
「うーん、でも、ご飯作ってくれたんでしょ」
「まあな」
「じゃあ、起きるわ」
「わかった。じゃあ、待ってるから着替えてリビングに来てくれ」
「うん」
そして、俺はマリーの部屋から出てリビングの席に着いた。そして、少し経つとマリーがパジャマから部屋着に着替えて現れた。
「じゃあ、食べるか」
「うん、いつもありがとう愛護。いただきます」
「いただきます」
俺たちはご飯を食べ始めた。朝の食事は二人ともまだ完全に脳が起きてないのか無言で食事を終えた。俺は食器を重ね洗面台に置いて洗い始めた。そして、少しするとケータイに着信が来たので一旦洗うのを中断し電話に出た。
『おはヨーソロー、お兄ちゃん。今日、これから…』
俺は無言で電話を切った。曜が俺をお兄ちゃんと呼ぶときは決まってろくなことがない。
と思ったらまた電話がかかって来た。
「なんだよ」
『こっちのセリフだよ!』
「お兄ちゃん、なんて呼ぶからだろうが」
『二人きりのときは呼ぶっていったよ』
「許可出してない。まあ、それはいい用件は?」
『ちょっと、買い出しを手伝ってくれないかな?って』
「なんの?」
『今度の衣装で使う布とかかな』
「別に構わないがなんで俺なんだ?いつもは千歌と行ってなかったか?」
『うーん、今回はお兄ちゃんの意見も入れようと思って』
「わかった、だが条件がある」
『なに?』
「人前でお兄ちゃんって呼ぶな」
『しょうがないな。じゃあ、来てくれるんだね』
「いや、一応マリーに聞く」
『執事だったもんね』
「ああ、また掛け直す」
『わかった』
そうして俺は電話を切った。そして、リビングにいるマリーに話しかけた
「マリー、これから俺出かけても大丈夫か?」
「いいわよ、ちなみにどこ行くの??」
「曜と買い出し」
「っ…愛護、もしかしてデート?」
なんか、一瞬間があったがすぐにいつものマリーに戻ってニヤつきながら聞いてきた。
「買い出しって言っただろ。衣装の布とか買いに行くんだとたぶん、大荷物になるから男手が欲しかったんじゃないのか?」
「じゃあ、愛護お土産よろしくね」
「ああ」
俺はそうして、行けることを曜に伝えると十時に曜の家に集合と言われたので時計を確認し、了解したあと洗い物の続きをし曜の家まで結構時間がかかるので行く準備を始めようとしたその時…
「愛護、dateならこのマリーがサイコーのコーディネートをしてあげるわよ」
「デートじゃ…(ここで、断って話が長くなるのもめんどくさいな)…わかった。頼む」
「OK、じゃあ、愛護の部屋に行くわよ」
「はいはい」
そうして、俺の部屋に着いたらすぐさま俺の部屋のタンスやクローゼットを開けてコーディネートを考え始め、しばらくすると出来上がったのか服を渡されそれに着替えた。
そして、着替えた俺は荷物を持って出かけた。
●●●
曜の家に着いた俺は早速呼び鈴を押した。誰かしらが出てきたので名前を言うと相手が曜だったらしく「今行くね」と一言言って切ると玄関から出てきた。
「おはヨーソロー」
「おはよう」
「じゃあ、早速沼津の方に行くよ」
「はいはい」
そうすると、曜は俺の手を握り歩き出した俺は曜に手を引かれながら付いて行った。
ショッピングモールに着くと早速手芸屋に向かった。
「そういえば、愛くんが買いたいものあったら言ってね。私も用事があれば付き合うから。でも、まずは付き合ってね」
「わかってる」
そんなこんなで手芸屋に着いた俺たちは一緒に見て回った。しかし、見て回ってる途中に目線が気になったので曜に尋ねてみた。
「なんか、視線を感じるんだが…」
「たぶん、珍しいんじゃないかな?」
「珍しい?」
「基本的にこういうところって男の人珍しいでしょ。まだ、一人だったらそういう趣味の人かな〜で済むけど歳の近い男女つまりカップルらしいのが一生懸命うんうん悩んでるのが珍しいんだよ」
「なるほど。まあ、俺も見たことないしな。そっか…悪いな」
「どうして謝るの?」
「俺なんかとカップルと間違えられて」
「本当に愛くんは相変わらずだね」
「は?」
「そんなの気にしてたら元々誘わないよ、いくら人手が欲しくても」
「それもそうか」
とか言いながらも曜の奴ちょっと機嫌が悪くなってる気がするのは気のせいだよな。
まあ、一応いい感じの物はあったので部費でそれを買った。そして、時計を見るともう二時前になっていた。
「色々、考えてたら結構時間経ってたな。遅いけど昼飯にするか」
「うん」
「何がいい?」
「なんでもいいよ」
「一番困るんだが…」
よくご飯の準備をしてる者から言わせて貰えば本当になんでもいいは困るんだよな。マリーも時々「愛護の作ったものならなんでもwelcomeよ♪」とか言って結局リクエストくれなくて困るんだよな。
「じゃあ、愛くんが今食べたいものは?」
「……サバの味噌煮」
「ププッ、何それ」
「パッと浮かんだんがそれだったんだよ」
「わかった、わかったよ。じゃあ、和食屋さんとか定食屋さんにしよ」
「……ああ」
そして、サバの味噌煮が食べられる店を探すことになったんだが探す途中もおじいさんみたいだとか散々言いやがった。
そして、俺たちは定食屋を見つけて入った。二時を過ぎてるため客は少なかったのですぐに座り、俺はサバの味噌煮定食、曜はハンバーグ定食を頼んだ。
頼まれたものを運ばれてきたので早速食べてみるととても美味かった。
「美味いな」
「そうだね」
俺たちは料理が美味しかったので難なくたいらげた。そして、俺はバックからノートを取り出し開いた。
「愛くん、それ何?」
「美味かったものを記録してるんだよ。今後の料理に役立てるように」
「へー、料理が本当に好きなんだね」
「まあな。よし書けた。出るか?」
「うん。それはいいんだけどこれからどうする?愛くん買いたいものある?」
「うーん、食料品かな」
「…主夫みたいだね」
「特にないし帰るか?それ持って歩くのも辛いしな」
俺は足元に置いてあるさっき買ったものを見た。
「えー、せっかく来たんだし色々見ようよ。しんどかったら私がそれ持つし」
「いや、そこまでじゃないから大丈夫だ。じゃあ、ぶらぶらするか」
俺は伝票を持ち立ち上がり会計をお願いした。そして、俺は会計を済ますと店を出た。
「愛くん、私の分返すね」
「別にいいぞ」
「でも、そういう訳には…」
「いいって、ここは男にカッコつけさせろって」
曜は少し納得がいってないが話が平行線になるのを察したのか引いてくれた。
正直な話マリーの執事は一応正式なアルバイトだから給料も出る。でも、その給料が高校生の普通のアルバイトと比べたらめっちゃくちゃ貰ってんだよな。専業主婦の仕事を年収に換算すると一千万を超えるって言われてるから同じように毎日家事をしている俺が貰うのには妥当なのかもしれないが、それでも高校生としては多いから食事を一回奢るぐらいできるからそんなに気にすることはないんだが…まあ、節約するに越したことはないが。
「で、どこ行きたい?」
「うーん、愛くんが行きたいとこは?」
「俺はこの定食屋に来たから次は曜の番」
「えー、じゃあ洋服が見たい」
「わかった」
それから、俺たちは服屋に行ったりゲーセン行ったりした。ゲーセンではUFOキャッチャーでぬいぐるみを取りマリーのお土産にした。また、一緒に撮ったプリクラをいつの間にか俺のスマホに貼られていた。何故か取るなって言われたからそのままにしている。そんなこんなで日が落ちて来たので曜を送り帰って来たときにはもう真っ暗になっていた。
「ただいま」
「おかえり」
「今すぐ作るし待ってろ、あっ、その袋に入ってるぬいぐるみはお土産だ」
「うん、ありがとう」
手を洗い俺はキッチンに向かった。そして、料理を始めた。今日は時間がないからうどんにしよう。そして、俺は親子うどんを作りマリーと一緒に食べた。
そして、食事も終わり風呂も入った俺たちはいつものようにマリーは仕事の続き、俺は本を読み始めた。
深夜になりマリーが仕事を終えて寝たのを確認し俺は最後に戸締りを確認した後俺も眠りについた。
こうして、俺の休日は終わった。