俺、大川愛護はここ内浦に引っ越してきて早三ヶ月ぐらい経とうとしている。ここの生活にも慣れてきて結構充実してる。まあ、文句があるとしたら高校生だからな女子に囲まれるのも嫌じゃないが男友達がいないのがやっぱりきついとこはあるが男勝りな女子もいるし今のところは何とか暮らしてきているし大丈夫とか思っていた頃が俺にもあった……
俺は今、内浦に来て一番のピンチを迎えていた。それは……
『夏の暑さをふっとばせ!怪談スペシャル!』
今から怪談が流れるとは思わないほど和気あいあいとしたタイトルコールがテレビで流れた。そう、俺の苦手ものはお化けとか幽霊。
ん?じゃあ、なんで見るんだって?それは十分前のことだな今日はマリーの仕事がなくて飯食ったあと順番に風呂に入って二人でのんびりしてた時マリーが急にトランプ持って来て勝った方の頼みを絶対叶えるみたいな賭けをして負けた。
で、頼みが一人じゃ興味あるけど心細いから一緒にこれを観てくれだった。普通に考えれば女の子らしい可愛らしい頼み何だが…これはやばい!マジでやばい。
「愛護、震えてるけどもしかして怖いの?」
「いや、だ、だ、だ、だ、だ、大丈夫だ」
「他のお願いにしようか?」
「だ、だ、大丈夫だって。お前こそ怖いんじゃないか?」
「うーん、あんまりこういうの観たことないから分からない」
「そ、そ、そうか」
マリーに震えてることがバレてるようだが大丈夫って言ったんだ。頑張って耐える!
そして、番組が始まった。VTRが流れてはそれを観たテレビの芸能人が感想を言ったり彼らの実体験の話をし、また次のVTRが流れるという流れが三時間続いて終了した。
俺はやっと終わったことに安堵した時。
「愛護、もう大丈夫?そろそろ痛いんだけど」
俺はマリーに言われたことが一瞬理解できなかったが手に違和感があると気づいて下を見るとマリーの手を繋ぐというよりもがっちり掴んでいた。俺はすぐに手を離した。
「悪い!」
「うんうん、大丈夫よ。それよりやっぱり愛護怖かったんでしょ。今、すごく顔がBlueよ。可愛いとこあるのね」
イタズラっぽい笑顔でマリーは俺に言った。一緒に観てくれって頼まれた方がビビって相手困らせるなんてやべ超カッコ悪い。
「愛護が怖がってたから逆に私全然怖くなかったなー」
「悪い。実はかなり苦手でさ」
「見ればわかるわ」
「ですよねー」
「まあ、愛護の新しい一面が知れて良かったわ。じゃあ、夜も遅いし寝ましょ」
「ああ、おやすみ」
そして、俺たちはそれぞれの部屋に行きベッドに入った。
しかし……
怖くてねれない!
やばい、マジで眠れない。どうする!?怖い。怖い。誰か助けてくれ!
そんな時、窓の方からガタっという音が聞こえた。俺は恐怖で枕を抱えながら布団から飛び出した。(ちなみに、後々思ったんだがこの窓の音ただ風が当たっただけだと思う)
マリーの部屋に直行した俺はノックもせず扉を開けマリーを叩き起こした。(怖いので電気もつけました)
「マリー、マリー!」
最初はなかなか起きなかったが何回か声をかけると目をこすりながら起きた。
「なあに?愛護」
「マリー、一生のお願いです」
「なに?」
「俺と一緒に寝てください」
俺は少し目を潤わせながらマリーにお願いした。するとマリーは一瞬理解不能な顔をして、
「えええ‼︎」
マリーは見たことがないほど顔を真っ赤にして叫んだ。
「駄目か?」
「駄目じゃないけど…じゃあ、入る?」
普段の俺なら絶対に言わないことに戸惑いながらもスペースを開けてくれたので俺はそこに収まった。
「そこまで苦手だったなら何で見たのよ」
「お前の頼みだから」
「そういうルールだったけど、うーん」
「どうした?」
「ねえ、愛護。せっかくだから腕枕して!」
さっきの真っ赤な顔と違いいつも通りのイタズラっぽい笑顔でマリーは言った。それを見て俺も少しいつもの調子に戻ってきた。
「いやだ」
「じゃあ、出て行ってもらおうかなー」
「どうぞ、お嬢様」
情けないと思いながらも出ていくことが出来ないので右腕を差し出した。
そして、マリーが俺の腕に頭を置いた。
「思ったよりゴツゴツしてる。やっぱり愛護も男の子だね」
「ん?それ、褒めてんのか?」
「褒めてるよ」
「ありがとう。じゃあ、寝させてくれ」
「うん、安心してghostなんてこのマリーがやっつけてあげるわ」
「ありがとう」
そして、俺はマリーがいることで安心したのか眠りについた。
愛護ったら本当にお化けが苦手なのね愛護のママさんが言ってた通りね。それにしても可愛らしい寝顔ね。
「愛してるわ愛護」
私は愛護に聞こえないように起こさないようにつぶやいた。