「あっ。目が覚めてしまった」
合宿のため、十千万で泊まっているから家事をしなくてもいいのに俺はいつもの癖というか習慣で朝早くに目が覚めてしまった。俺は、布団から出ると千歌の部屋で寝ているみんなを起こそうと思ったが…
「朝練習までは時間があるしみんなを起こすのはかわいそうだな。じゃあ、どうやって時間を潰すかだよな…」
俺はそんなことを口に出しながら着替えてトイレに行き、部屋に戻ろうとした時、何か作業している志満さんを見つけたので声をかけた。
「志満さん、おはようございます」
「あっ、愛護くんおはよう。早いのね」
「はい、いつも家事があるのでこの時間には起きているんですよ」
「そういえば、小原家で執事をやっているのよね」
「はい、だから今、家事をしてなくてちょっと変な感覚です」
「少しわかるな、その気持ち。慣れるとそれが普通になってやらなくなると気持ち悪いよね」
「はい」
「う~ん。じゃあ、みんなの分の朝ごはん作ってくれる?」
「えっ、いいんですか?」
「うん、厨房はお客様用に板前さんが働いてるから無理だけど、うちの居住スペースの台所は空いてるから。食材もあるものを好きに使って。元々あなたたちのために買っていたものだし」
「ありがとうございます!」
俺は、料理が出来ることがうれしくて急いで台所に向かった。
●●●
俺は、台所につくと早速冷蔵庫の中を確認した。
「レタスとかキャベツにトマトとかの野菜に果物もある。肉はこれってロースだよな。これなら…食パンとかあるかな?」
俺は食品棚を除くと食パンがあった。
「よし!これならサンドイッチだな」
俺は、メニューを決めるとロース肉を取り出して衣をつけて揚げ始めた。揚げている間にキャベツやら野菜をカットした。
「さてと、挟むか」
材料をパンに乗せて挟んで重石を乗せた。
「あとは、10分ほど待つだけだな」
そして、10分ほど待ち、サンドイッチが完成した。
「出来たはいいけどみんなまだ寝てるんだよな~…起こすか」
俺は、みんなの部屋につくと襖を少し叩いて部屋に入った。
「お~い!みんな起きろ~!」
俺は大声を出したが、昨日の練習と海の家の手伝いが疲れたのか全然起きない。仕方なくゆすって起こすことにし、一番慣れているマリーを起こそうと近づいた。マリーは果南さんを抱き枕にして寝ていた。
「はあ、マリー、これじゃ果南さんが苦しいだろうが」
まずは、マリーを果南さんから引き離すためにマリーの腕を掴んで話す作業をしていると、マリーは急に今度は俺の方に抱き着いてきた。そのまま、俺もマリーの体重を支えきれず倒れてしまった。
「ったく、またかよ。こいつの抱き癖どうにかならないのか?てか、俺も何度もやられているのに学習しないよな」
俺は、何度も抱き着かれていることで自分に呆れていた。だが、抱き着かれたまま数秒経つといつもより強く抱きしめられていることに気が付いた。
「おい、マリー。お前起きてるだろ」
「あれ、ばれた?」
「いつもより不自然なほど強く抱きしめられていたんだ。普通気づく。ってか、起きたなら離れろ!」
「えー!」
「文句言わずさっさと離れろ!ダイヤさんに見つかったら怒られるのは俺なんだぞ!」
「その通りですわ、よくお分かりですわね」
「……えっ」
俺はダイヤさんの声がしたほうに顔を動かすとパジャマ姿で仁王立ちしているダイヤさんがいた。
「愛護さん。まず、女性が寝ている部屋に入ってくるだけでも常識がありませんわ」
「あはは、いつもの癖で…」
「まあ、それは貴方の仕事の都合上仕方がないことなので今回は目をつぶりますわ。でも、鞠莉さんが抱き着いていることはどういうことですの」
「大丈夫よ。ダイヤ、いつものことだから」
「まったく、安心できませんわ!」
「ダイヤさん違います。いつもじゃないです。時々です!」
「どちらも同じ事ですわ!鞠莉さん、貴方は女性で愛護さんは男性です、過度なスキンシップは避けるべきです!」
マリーはダイヤさんに注意されて俺から離れるとなぜかカーテンの方に向かってカーテンを掴むと…
「シャイニー!」
カーテンを思いっきり開けながら叫んだ。ってか、この状況どっかで見たことあるぞ。
「私の話を聞いてますの?」
「it’s joke」
「貴方はまったく人の話を聞きませんわね!」
「だってダイヤの話面白くないんだもん」
「面白いとかつまらないとかの問題じゃありませんわ!」
「あははは」
俺は怒られている最中だったことを忘れて二人の掛け合いの息がぴったり過ぎてついつい笑ってしまった。
「愛護さん、何がおかしいんですの?」
「いや~二人って仲がいいなって思ってさ」
「そりゃ、そうよ。ねっ、ダイヤ」
「まあ、当り前ですわ」
ダイヤさんは怒っていたことを忘れて顔を赤くしながら応えた。
「もうさっきから何よ。うるさいわね」
結構大きな声で話していたからなのか善子が起きてしまい他のみんなも起き始めた。
「おはよう…あれ?なんで愛くんここにいるの?」
「朝ごはん作ったし食べてもらおうと起こしに来たんだ」
「えっ!朝ごはん作ってくれたの!?」
「ああ、って言ってもサンドイッチだしそんな手の込んだものではないけどな」
「ううん。ありがとう愛君。じゃ、さっそくみんなで愛くんのサンドイッチ食べよう」
千歌が号令するとみんな寝起きでゆっくりだが立ち上がり台所のほうへ歩いて行った。…いやまず、先着替えろよ。
●●●
朝ごはんを終え、朝の準備が一通り終わった俺たちは現在、今日こそは隣の海の家に負けないように海の家で作戦会議を始めた。
「では、今日は完売させるために愛護さん。料理の方お願いしますわよ」
「いや、勿論出来ることはするけど昨日マリーと善子が作ったシャイ煮と堕天使の涙を完売させるのは流石に難しいことなんだが…」
「愛護、シャイ煮は美味しいって言ってくれたよね」
「美味しくても値段が一般人の手の届く範囲じゃないだろ!適当に高級食材詰め込みやがって!」
「そうですわ。あれじゃ、完全に赤字ですわ」
「それだったら材料費はうちで持ちますから安く売ってもらって構いません」
「まあ、それだったらいいけど…じゃあ、格安で高級食材が食べられるってことを売りにしてだな。でも、煮物オンリーだと味気がないからラーメンやカレーにアレンジするか。よし、シャイ煮はこれで大丈夫だな」
「堕天使の涙はどうするんですの?」
「そうよ、売らないなんて絶対だめだからね」
「それについては考えている。ルビィちゃん」
「ぴぎぃ」
急に話を振られてルビィちゃんはいつもの声を出した。
「たぶん、Aqoursで一番辛い物が苦手なのはルビィちゃんだよな」
「はい、たぶんルビィが一番苦手です」
「じゃあ、ルビィちゃんが食べられるレベルにしたら大丈夫だな」
「でも、愛君。堕天使の涙はタバスコが大量に入っていて食べられるのは鞠莉さんと善子ちゃんだけだよ」
「曜の言う通りなんだが、いくら辛い物でも甘い物と一緒に食べればなんとかなる。そこでだ。十数分ぐらいかかるけどちょっと待っててくれ」
俺は、そういうと厨房で作業をはじめ、出来たものをみんなの前に出した。
「黒ゴマアイスだ。これなら、同じ黒だし善子のアイデンティティを守りつつ、辛さを抑えられる。ルビィちゃん、悪いけど堕天使の涙と一緒に食べてみてくれ」
「はい」
ルビィちゃんはアイスを救い堕天使の涙の上にのせ恐る恐る口に含んだ。
「どうだ?」
「なんとか、食べられます」
「よし、これで何とかするか」
「そうですわね」
「じゃあ、このアイスと堕天使の涙のセットの商品名何にする?」
「は?」
千歌が急に変なことを言い出したのでついつい素っ頓狂な声が出た。
「そんなの堕天使の涙アイスのせとかでいいだろ」
「え~そんなの面白くないよ」
「面白さは求めてねえよ」
「堕天使の魂よ」
「………はあ、わかったよ。それでいいよ」
こうして、俺たちは何とか方向性が決まったので昼までの練習を開始した。…ちゃんと売れるのだろうか?
進学し忙しくて全然書けず投稿できずが長引いていました。そのため、ひさしぶりに書いてみようとしたらもともと駄文なのにさらにレベルが落ちてしまいました。
それでも、これからも頑張って投稿していこうと思います。