見習い執事?とAqours   作:鳥王族

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24話:やっぱり、女子の悩みはわからない

 

俺たちはピアノコンクール出場のために一時東京に行く梨子を送りに沼津の駅まで来ていた。

 

「梨子ちゃん!次のステージは絶対みんなで歌おうね!」

「もちろん!」

 

千歌の言葉に迷いなく梨子は答えてホームへ向かっていった。

 

「さ、練習に戻りますわよ」

 

ダイヤさんの言葉に皆頷くとぞろぞろとバス停の方に向かって歩き始めた。

 

「これで予備予選で負けられなくなったね」

「なんか、気合いが入りまーす」

「それ、空回りしないでくれよ」

「マリーならありそう」

 

俺の発言に果南が同意するとみんなが急に笑いだした。マリーもいじられて反論はするがその後みんなと一緒に笑い出した。

しかし、後ろを振り返るとずっと改札の向こう側を見てる千歌を曜が見ている風景がそこにはあった。二人ともすぐにこちらに気づき追いついて来たのであまり気にせず帰ることにした。

 

 

 

●●●

 

 

「特訓、ですわ!」

「……また」

「本当に好きずら」

 

ダイヤの発言にみんなが呆れ半分不安半分な反応をする。

そんな中、パソコンをいじっていたルビィちゃんが驚いた声をあげたのでみんながパソコンをのぞいてみるとSaint_Snowが北海道予選を通過したことがわかった。

 

「すごい、頑張ってるんだ〜」

「気持ちはわかるけど、大切なのは目の前の予備予選。まずはそこに集中しない?」

 

Saint_Snowに意識を持っていかれていた、二年生たちに自分たちのことに集中するように果南が言った。

 

「果南にしては随分堅実ね」

「誰かさんのおかげで色々勉強したからね」

「では、それを踏まえてみなさん。行きますわよ、各自ジャージに着替えてプール前に集合ですわ」

 

ダイヤがそういうとみんなは特訓が始まると思ってちょっと面倒くさそうに返事をした。

俺も特訓だと思って何も考えずジャージを持って着替えるためにトイレに向かった。

だが、着替えてプール前にみんなが集まると特訓が始まると思いきやダイヤがデッキブラシをみんなに渡した。

 

「それでは、プール掃除を始めますわよ!」

「……なんで」

「なんでもありませんわ。みんなでしっかり磨きますわよ!」

 

ダイヤが言い切ったので俺たちの疑問も関係なしにプール掃除をすることは決まってるらしいと思った俺は考えるのをやめてプール掃除を始めた。

 

「ダイヤったら、プール掃除の手配忘れちゃったのね」

「忘れていたのは鞠莉さんでしょ!」

「言ったよ。夏休みに入ったらプール掃除、なんとかしろって」

「だから、なんとかしてるじゃないですか!」

「えー、なんとか、ねー」

 

「理事長と生徒会長があんなんで大丈夫?」

「私もそう思う……。けど、一応あの二人が事務作業するときは優秀な執事がついてるはず…だから。今回は上手くいかなかったけど」

 

しょうもないことで言い争ってるダイヤとマリー、それを見てこれからの学校を心配する善子と果南という構図が出来たのを俺は無視しながら掃除をすすめていると曜の姿が見当たらないことに気づいた。いくら面倒くさいとはいえみんながやってる中でサボるとは考えにくいため探しに行こうとした瞬間「ヨーソロー」の声とともにプール内に入っていく曜が見えた。何故か海兵のコスプレをしていたが…

 

「曜さん!あなた、その格好はなんですの!遊んでる場合じゃないですわよ!本当に、いつ終わるのやら」

 

曜の格好を注意するダイヤだが途中からプールの広さによる作業の多さから意気消沈し始めた。

だが、手を動かさなければ終わらないのでみんな、しぶしぶ手を動かし始めた。途中で衣装が汚れるからという理由で再度曜が着替えに戻ったりホースから出る水で遊び始めびちょびちょになりかけたり様々な遠回りをしながらもなんとか俺たちはプール掃除を終わらせた。

そして、果南の提案でプールで練習をすることになったのだが…梨子がいないため代役の曜を立てることにした。そのため、全体練習は取りあえず中断し二人の練習が始まった。

 

しかし…あまり上手く合わせられず苦戦していた。

 

「また、失敗か…」

「曜ちゃんなら合うと思ったんだけど」

「私が悪いの。いつも同じところで遅れて」

「ううん、私が歩幅曜ちゃんに合わせられないのが悪いんだよ」

 

千歌が梨子とやっていた時の癖があるし、曜も今日初めてやるポジションで少し遅れているしで上手く合わない。

 

「マリー、お前はどうしたらいいと思う?」

 

俺は隣にいたマリーにいい案がないかを尋ねた。しかし、マリーに返事がなく、ずっと曜を見ている。

 

「マリー!」

「えっ?」

 

少し声を張り上げるとマリーはこちらに気づいた。

 

「どうかしたのか?」

「何か、曜が悩んでるというか不安な表情なのよね〜」

「そうか?まあ、急に代役やれって言われたら誰でも不安だよな」

「はあ」

 

俺の言葉にマリーがため息をついた。

 

「なんだよ、ため息なんかついて」

「相変わらず愛護はこういうことにはニブチンの朴念仁だったな〜って思って」

「いや、言ってる意味がわからないんだが」

「わからないなら、それでいいです」

 

マリーは俺の質問に答えず話を切り上げた。

 

「果南、今日はこれぐらいにしない?」

「うーん、そうだね。こんを詰めてもしんどいだけだし」

「じゃあ、今日はこれで解散?」

「そうですわ。私は生徒会の仕事があるので生徒会室に戻りますわ」

「ダイヤ、私も手伝う」

「私も手伝うでーす」

「あっ、じゃあ俺も」

 

こうして、今日の練習を切り上げ俺たちは解散した。

 

 

 

●●●

 

 

 

「こんなに溜めてたのか」

「一人で抱え込んでたんでしょ」

「違います、これは…ただ」

「もう、これからは私と果南と時々愛護が手伝ってあげましょう」

「だな」

 

作業を始めるためマリーが適当に数枚プリントをとった。その拍子に一枚のプリントが床に落ちた。

 

「これは?」

「それは、スクールアイドル部申請書ですわね。以前、千歌さんが持ってきた」

「へー、最初は千歌と曜の二人だったんだな」

「意外?」

「はい、startはてっきり千歌っちと梨子だとばかり思ってました」

「まあ、確かにそう見えなくもないですわね。今の状況からすると」

「うーん、やっぱりそういうことだったのね。よし、愛護!このダイヤが溜めた仕事を早く終わらせるわよ。行くとこが出来たから」

「行くとこ?どこに?」

「つべこべ言わず終わらせるわよ」

「はあ、わかりましたよ。お嬢様」

 

マリーが何をしたいのかはわからないが元々手伝いにきていたためそれに集中することにした。そして、俺たちが作業を始めると果南もダイヤも作業を始めた。

 

 

 

●●●

 

 

ーーー鞠莉視点ーーー

 

 

作業を終えた私は愛護と一緒に曜を探し出し静かに話ができる場所へと移動した。

 

「ここからはぶっちゃけガールズトークなので愛護は出ていってください」

「はいはい、その辺ぶらついとくから終わったら呼べよ」

「はーい」

 

愛護は文句を言わず素直に出ていってくれた。相変わらず面倒くさそうな顔をするけど。

愛護が見えなくなると曜の方に向き直した。

 

「千歌っちと上手くいってる?」

「千歌ちゃんと?うん、あの後二人で練習して….「ダンスじゃなくて」えっ?」

「梨子に千歌っちを取られて嫉妬ファイアーーーが燃え上がってたんじゃないの?」

「嫉妬なんて…」

「ぶっちゃけトークする場ですよ。千歌っちと梨子にも話せないでしょ」

「…私ね、昔っから千歌ちゃんと一緒に何かしたいな〜って思ってて。だから、千歌ちゃんが一緒にスクールアイドルをしようって言ってくれて、これで一緒に出来るって思ったの。でも…すぐに梨子ちゃんが入ってきて、二人で歌作って、気づいたらみんなも一緒にいて…それで思ったの。千歌ちゃん、私と二人は嫌だったのかな?って」

「Why、なぜ?」

「私、なんか要領いいって思われてること多くて、だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなぁって」

「なんで、そんなこと勝手に決めつけるんですか!本音で話し合った方がいいよ。大好きな友達と本音で話合わず2年間も無駄にした私が言うんだから間違いありません!」

「…鞠莉ちゃん」

 

曜の不安は完璧には取り除けなかったけど、少し顔が明るくなったのをみて私は少し安心した。

 

「じゃあ、帰りましょうか。愛護を待たせてるわけだし」

「うん…」

 

 

●●●

 

 

 

曜とマリーとの話し合いから少しして予備予選が始まった。曜も以前よりはハキハキしてて本当に楽しそうにしている。たぶん、マリーが上手いことしたんだろう。

結果は大成功。次に進めるかの結果待ちとなった。梨子の方も上手くいったらしい。

 

しかし…曜に何が起こってマリーが何したのかが本当にわからない。やっぱりサポート役として力不足を感じて俺はならなかった。

 




今回からアニメ同様メンバー内に敬語がなくなってるので
愛護も
ダイヤさん→ダイヤ
果南さん→果南
になってます
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