「ハクション!」
「ちょっと大丈夫?」
「誰か噂でもしてんのかな?」
「まさか、愛護を狙う者の襲来!?」
「はいはい、とっとと買って帰るぞ」
俺は善子に追いつき今は二人でコンビニに向かって歩いている。
「ていうか、なんでついてきたのよ。じゃんけん負けたの私だったでしょ?まさか、ヨハネに忠誠を使い、リトルデーモンとして契約する気になった?」
「誰がなるか。主人はマリーで足りてるっての。そうじゃなくて流石にここ毎日だから可哀想に思っただけだ。明日もし負けてもついてこねーよ。それより善子、お前ちゃんとメモ持ってるか?」
「持ってるわよ」
「よかった」
俺たちはコンビニに入るとメモを見ながら協力してアイスを集めレジに運んだ。
会計したあと、俺は袋を持ちコンビニを出た。
「ちょっと、私が負けたし私が持つわよ!」
「俺は勝手についてきたんだからそんなに気にすんなって」
「ダメ!」
善子は俺から荷物を奪おうとする。俺はそれに対抗し善子に届かないように荷物持った手を目一杯あげる。
「ちょっと、卑怯よ!」
「だから、俺が持つからいいって」
「だから愛護が持っちゃ意味がないでしょ!離さないなら…」
善子は手を伸ばして奪い取るのを諦めると今度は俺にプロレス技をかけてきた。
「堕天龍鳳凰縛!」
「待て!それはやめろ!色々まずい!わかった、半分持ってくれ。それでいいだろ!」
俺が叫びながら折れると善子はほどいてくれた。
「いくらなんでも、男にプロレス技かける女子高生がいるか!」
「プロレス技じゃなくて堕天龍鳳凰縛!」
「あーそうかよ。はい、こっち側持て」
俺はそう言って片方の持ち手を持たせる。
「それにしても、なんで毎回じゃんけん負けるのよ」
「うーん、完全にじゃんけんは運なところがあるからな」
「やっぱりヨハネの美貌に嫉妬した神のいたずらで運が奪われてるのね」
善子は相変わらずの変わらない設定を口に出す。
「それじゃ、お前は不幸なのか?」
「違うわよ」
「ん?」
「運が悪いからって不幸ってことじゃないでしょ」
善子は当たり前のことを言うみたいな顔して答える。
「ヨハネは"運"が奪われただけで"幸せ"は奪われてないの!」
俺は思ってもみなかった解答がきて驚いた。
「やっぱり、なんやかんや言って善子っていいやつだな!」
「ちょっと!急に何言ってるのよ!」
照れ隠しなのか顔を真っ赤にしながら俺に悪態をつく。
「ほら、さっさと行かないとアイス溶けちゃうでしょ!」
「そうだな」
俺たちはアイスが溶けないよう少し早足で学校に帰った。
●●●
俺は学校に着き、みんなで図書室で扇風機を回して涼んでいた。
「ぴぎぃー」
「ずらー」
「よはー」
1年3人が変な鳴き声とともに扇風機を独占してるのであまり涼めてはいないが。
「そういえば鞠莉ちゃん、今の説明会の参加人数は?」
「待ってね」
鞠莉はパソコンを起動させ現在の参加人数を確認する。
「今のところは…0でーす」
「まだ0かあー。この学校そんなに魅力ないのかな?」
「魅力ないというよりも魅力に気づいてないって感じだろ。そのために、ラブライブ出るんだろ」
「うん!それじゃ練習再開しよ!」
「そうですわね。休憩も十分しましたし」
俺たちは練習を再開することにした。その時、うちのクラスのむつさんたちがやってきた。
「むっちゃん達どうしたの?」
「本を返しにきたんだけど、千歌達の方こそどうしたの?」
「練習!もうすぐ地区予選だし、毎日やってるよ」
「毎日!?」
「うん、これからまた練習。じゃあね〜」
千歌はむつさんたちに手を振り図書室を出てった。それに続きみんなも図書室から出て行く。
俺も最後に図書室に出ようとした時、むつさんに話しかけられた。
「あの、ちょっと良いかな?」
「なんだ?」
「私たちもスクールアイドルになれるかな?」
「それは、Aqoursに入りたいってことか?」
「というよりも、千歌たちが一生懸命に学校守るためにやってるんだから私たちも何か手伝えないかなって。だから、一緒にステージで歌えたら良いし、愛くんはサポートしてるから私たちも違う方法でサポートできないかなって考えたんだけど」
「そうか、その気持ちは嬉しい。でも、ステージで歌えるのって最初にエントリーしてる9人だけなんだ」
「そうなんだ」
「でも、観客席で応援することはできる。だから、むつさんたちも学校を守りたいならみんなにその想いが伝わるようにおうえんしてくれ」
「うん!絶対みんなで応援する!」
「ありがとう、みんなに伝えとく。じゃあ、俺は練習あるから行くな」
俺はむつさんと別れ練習してるAqoursのもとに向かった。
そして、月日が流れ地区予選当日がやってきた。