見習い執事?とAqours   作:鳥王族

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特別編で今までの話とは繋がっていません。

ダイヤさんたち三年生も入っているしメンバー間も敬語がほとんどありません。


特別編
特別編:ダイヤの誕生日


今日は、1月1日。

世界中が新年を迎え幸せオーラの中俺は今、黒澤家の大きな居間でダイヤさんの親戚の男性陣に睨まれて絶賛不幸中です。

こうなった経緯は5日前にさかのぼる。学校も冬休みに入り、昨年最後の練習が終わった時だった。

 

 

 

●●●

 

 

 

「あの、1月1日空いてませんか?」

 

ルビィちゃんがAqoursのメンバーに質問した。ちなみに今、ダイヤはいない。

 

「1日はちょっと…」

 

その質問に梨子が申し訳なさそうに断る。

 

「うちも帰省するから1日は厳しいな」

「私も…」

 

梨子に続くように曜、果南そして俺を除くメンバー全員が空いてないと言った。まあ、普通に考えたら無理だな

 

「何かあるのか?」

 

俺はなんで1日なのか気になり、質問してみた。

 

「お姉ちゃんの誕生日なんです」

「えっ!」

 

俺はびっくりして叫んだ。そして、その声にルビィちゃんが驚きいつもの「ピギー」が小さく聴こえた。

 

「あっ、悪い。思いもよらない理由だったから。で、えっと、本題に戻るけどということは一緒に祝って欲しいとかそういうことか?」

「はい、お姉ちゃんいつも家族や親戚の人には祝ってもらえるけど日にちが日にちなので友達に直接祝ってもらったことがないので今年はみんなで祝いたいなーって」

「なるほどな。それで、1日空いてるか聞いたのか」

「はい。やっぱりみんな予定入ってるよね」

 

しょんぼりするルビィちゃん。

ルビィちゃんの想いはわかった。でも、やっぱり毎年の決まった予定だしみんな変えられないよな。

 

「あれ?そういえば、愛くんは無理だって言ってないよね」

「まあ、別に俺の場合100%無理ってわけじゃないからな。母さんが別に無理して帰ってこなくていいとか言ってるしな」

「じゃあ、愛護。ダイヤのために行ってあげて」

「は!?俺一人で行くのか?」

「だって、みんな予定が入ってるし」

「いや、そういうのはみんながいるからいいんだろ。一人二人ならまだしも無理なやつの方が多いじゃねえか」

「ルビィちゃん、愛護一人でも大丈夫?」

「大丈夫、絶対お姉ちゃん喜びます」

 

ルビィちゃんはブンブンと首を縦に振った。

 

「じゃあ、決定。それじゃあ、明日ダイヤのberthday presentをみんなで探しに行きましょ。そして愛護に当日渡してもらいましょう」

 

マリーのこの一言で俺は行くことが決定した。

 

 

 

●●●

 

 

 

で、結局来たわけだが勿論、ダイヤとルビィちゃんの親戚も来ていて絶賛尋問中というわけ。特に伯父様方に…(親戚間の挨拶などがあると思って夕方にきたからもう伯父様たちは酔っているので結構面倒くさい)

 

「お前、どっちの彼氏なんだ?ルビィちゃんか?ダイヤちゃんか?」

「そうだ!答えろ!」

「えっーと、どっちも違…」

「どっちもだと!ふざけるな!」

 

俺の言葉を勘違いし遮って怒ってきた。やべ、これしんどい。普段の生活からマリーには慣れてるけど少しタイプが違うし対処方がわからん。

そんな俺が困ってるとダイヤとルビィのお母さんが助けてくださった。まあ、俺が絡まれてる原因を作った人でもあるんだが、俺を見た瞬間ダイヤが彼氏連れてきたって騒ぐからこんなことになったんですけどね(ちなみにダイヤたちのお父さんとお爺さんはショックで気絶したらしい)。

まあ、そんなこんなでお母さんに助けてもらい、伯父様方はその後、酔いつぶれて眠り部屋はだいぶ静かになった。

 

「はあ、助かった」

「大変だったわね」

 

お母さんがあったかいお茶を入れて持ってきてくれた。

 

「ありがとうございます」

 

俺は両手で湯のみを持ちお茶を飲み、リラックスした。その時、ダイヤとルビィちゃんが入ってきた。

 

「随分と疲れてますわね」

「大丈夫ですか?愛護さん」

「ああー、弁明してくれるお前らがいなくてだいぶ苦労したぞ」

 

俺はあえて皮肉気味に言った。

 

「仕方がないですわ、人がいるということはそれだけ洗い物などが増えるんですの。少しでも、手伝いませんと」

「ごめんなさい。ルビィもお手伝いしてました」

「それはわかる。だから、俺も手伝うって言ったんだよ」

「お客様にそんなことさせられませんわ」

「俺は気にしないって」

「そういうことではありませんの。常識ですの」

「…わかったよ。その代わりこれからは側にいてくれよ」

「わかりましたわ」

「はい」

 

そう言って俺の隣にダイヤが座りそのまた隣にルビィちゃんが座った。その様子を見ていた。お母さんがクスクスと笑っていた。

 

「どうしたんですか?」

「いやだって、これからは側にいてくれってプロポーズみたいな言葉だなと思って」

「なっ…そういう意味でしたの!」

「な訳あるか」

「そうですわね」

「でも、実際仲良いわよね。ルビィが親戚以外でここまで男の人に普通に接するなんてなかったもん」

「まあ、何かと一緒にいましたからね」

「そうですわね。昨年は色々ありましたもの」

「うん、千歌ちゃんがスクールアイドル部を作ってそのメンバーになってすごく充実してた」

「俺はここに引っ越して来たしな。気づいたら女子校に通わされてた」

「本当にあの時はびっくりしましたわ。まあ、思っていたよりほーんの少しぐらいは誠実だったのでよかったですわ」

「それはよかった」

「へー、楽しそうね。あっ、晩御飯の用意しなくちゃ大川くんも食べていきなさい」

「いやでも」

「大丈夫、ここのおばさん達は反対しないから、おじさん達はどうせ私たちに勝てないから」

 

やはり、どこの家も女性が強いらしい。

 

「てことで、私は行くわね。一人だけサボってられないしダイヤとルビィも休んどいていいわよ。大川くん一人じゃ可哀想でしょ」

「わかりましたわ」

「はーい。あっ、じゃあ愛護さん。ルビィとお姉ちゃんの部屋に行きませんか?」

「それはいいですわ。ここじゃ落ち着けないでしょうし」

「ああ、二人に任せる」

「じゃあ、行きましょう!」

 

そして、俺はルビィちゃんに手を引っ張られ部屋に連れて行かされた。部屋に入ると目に入ったのは大量のアイドル雑誌が少し散らかってることだった。

 

「すげー量だな」

「あっ、片付けとくんだった」

「だから読み終わったら片付けなさいといつも言ったのですわ」

「ごめんなさい」

 

そうして、ルビィちゃんは急いで雑誌を拾い片付けた。そのあと二人に言われ適当に座った。

 

「あっ、ダイヤ。誕生日おめでとう」

 

俺は持ってきていたAqoursメンバーと俺の誕生日プレゼントをまとめて渡した。

 

「ありがとうございます。開けてもよろしいんですの?」

「うん。いいぞ」

 

そうして、中身を見ていくと様々な物が出てきた。曜からのと思われるストラップとコスプレ用のナース制服…それ喜ぶのお前だけじゃね。

 

「これ、いつ着たらいいんですの?」

 

だよな。

そして、次に出て着たのは可愛らしいリボンと…黒がベースのリトルデーモン的な衣装。…あいつだな。

 

「だから、いつ着るんですの」

 

次に出てきたのはこれまた可愛らしいハンカチと…ダイビングショップの割引券…ちゃっかりしてんな。

てか、さっきからなんで真面目なプレゼントとネタ的な物入れてるんだよ!

 

「はあ、仕方がありませんわね。今度久しぶりに行って来ますわ」

 

微笑みながらため息をつくダイヤ。呆れてはいるがやっぱり嬉しいらしい。

 

そして、四つ目はというとマフラーとみかんが3、4個スーパーの袋に入っていた。一緒に手紙も入ってたらしくダイヤが読み上げると「これ、すっごく美味しいよ!」って書いてあった。…はい。

 

「あとで、いただきますわ」

 

続いて、手袋が出て来た。見た感じ手編みっぽい。

 

「あっ、それルビィと花丸ちゃんとで作ったのお裁縫は好きだけど編み物は初めてだったから花丸ちゃんと協力して作ったの」

「ありがとうルビィ。花丸ちゃんにもお礼を言わなければなりませんわね」

 

早速、付けてみるダイヤ。やっぱり、少し変なとこもあるような気もせんでもないが頑張って作ったのがわかる良いものだった。そして五つ目を見ようと思った時、ルビィちゃん達のにもう一個プレゼントがあるのに気づいたダイヤはそれを出してみると中から…のっぽパン全種類一個ずつ。

 

「これもあとでいただきますわ」

 

そして、五つ目に出て来たのは梨子のだと思われるマグカップ。それオンリー。いや、それが普通か。

 

「なんていうか、ここまでのを見てるともう一個何か入ってるのかと思ってしまいましたわ」

「俺もだ」

「ルビィも」

 

そして、次にダイヤが取り出したのにはなんかすごい高価な雰囲気をかもし出していた。

 

「マリーですわね。嬉しいんですけど、高価なものを渡されても逆にマリーの誕生日の時にお返しが困るからやめてほしいって前に言いましたのに」

 

そう言って中を開けるとダイヤの指輪が入っていた。

 

「少し怖いですわね金額が」

 

うん、たぶんそれめっちゃ高いぞ。

 

そして、最後俺のプレゼントはというと

 

「あら、可愛らしいですわね」

 

俺のプレゼントはネックレス。だからってマリーとは違い雑貨屋で買ったネックレス。

 

「ありがとうございます。愛護さん」

「あっ、俺からもう一つプレゼント。ちょっと待ってろ」

 

そう言って俺は部屋を出て台所に向かった。そして、ダイヤたちのお母さんに許可をもらい冷蔵庫を開け、冷やさせて貰っていた箱を取り部屋に戻った。

 

「お待たせ、もう一つのプレゼントはこれ」

 

俺が箱を開けるとプリンが顔を出した。

 

「プリン!」

 

大好物のプリンを見てダイヤはテンションマックスな声を出した。

 

「ああ、今日の朝作って来た。どうぞ、食べてくれ」

 

俺が進めてスプーンを差し出すと一口食べた。すると、嬉しいことに最高の笑みを浮かべてくれた。

 

「美味しいですわ。また作って欲しいほどですわ」

「それはよかった。じゃあ、また今度な」

 

それから、ダイヤはルビィちゃんに一口あーんをして食べさせるとルビィちゃんもとても喜んでくれた。

 

それから、三人でいろんな話をした。基本的にはルビィちゃんの雑誌を開きながらルビィちゃんとダイヤがスクールアイドルのことを教えてくれた。

しばらくすると、ダイヤたちのお母さんに食事だと呼ばれ部屋を出ていった。

 

ご飯の時、ダイヤが隣に座ったのでまたまた伯父様方に絡まれてダイヤが照れたりしたのはそれはまた別の話。




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