ーーー千歌視点ーーー
今、私たちは曜ちゃん、と梨子ちゃんそして愛くんとみんなで作ったチラシを持って、宣伝に来ました‼︎
「よーし、気合い入れて配ろう‼︎」
女子高生二人組が歩いていたので二人をターゲットにして
「お願いします」
でも、不発。見向きもしてもらえなかった。
「こういうのは気持ちとタイミングだよ‼︎」
次に曜ちゃんがやると上手くいった。やっぱり、曜ちゃんはすごい。じゃあ、私も‼︎
一人で歩いてる女子高生発見‼︎
気持ちとタイミング、気持ちとタイミング。
よし‼︎今だ‼︎勢いよくその子を壁ドンで追い詰めた‼︎
「ライブやります、ぜひ」
私はチラシを見せながら彼女に近寄ったら…
チラシを持って行ってくれた‼︎
「勝った」
「勝負してどうするのよ」
上手く行ったのに、梨子ちゃんに注意されました。あれ?梨子ちゃん?
「なんで、梨子ちゃんチラシ増えてるの?」
「これは…その…」
「あと、愛くんどこ行ったの?」
「それが…」
「まさか、逃げた?」
私がジト目で梨子ちゃんに迫ると梨子ちゃんは観念して喋り出した。
梨子ちゃんの話を聞くと…
ー回想ー
「なあ、梨子」
「はい⁉︎」
「こういうのってさ、適材適所だと思うんだ」
「というと?」
「知らない男がやるより女の子の方がいいってこと。女の子なら女性は安静するし、さらにその子が可愛いと男は喜ぶ。だろ?」
「そうなの…かな?」
「てことで、梨子。これ頼むな、俺は本屋で今どんなスクールアイドルが人気なのとか調べてくるから」
「えー‼︎」
「大丈夫、梨子は…その…可愛い部類に入るから」
「か、可愛い⁉︎」
「ああ、そうだよ!恥ずかしいから言わせんな。てことで頼むな」
っていうことで梨子ちゃんは愛くんにチラシを渡されてまんまと愛くんを逃してしまったらしい。というか、梨子ちゃん。ちょっと可愛いって言われて嬉しそう…じゃなくて‼︎
「梨子ちゃん‼︎ダメだよ。愛くん逃したら」
「だって…」
もう、帰って来たら愛くん。お仕置きだね
●●●
「ハクション!」
誰かが噂でもしてんのか?まさか、サボったのバレたか?てか、梨子に言ったこと八割ほど本心だから、許してくれ。それより、あの時なんで梨子は顔真っ赤にしてたんだ?風邪でもひいてたわけではなさそうだったけど。まあ、いざとなったら曜がいるし大丈夫だろ。
脳内でオレンジ髮の女の子が「私は‼︎」とか言ってるけどあいつは役に立たないと思う。
色々考えてるうちに本屋に着いたので俺はスクールアイドルの雑誌のコーナーに向かった。
その向かう途中高いところの本を取ろうと頑張ってる女の子がいた。台に乗って手を伸ばすも僅かに届いていなかった。てか、あれ危ないよなと思った瞬間、彼女はバランスを崩し始めた。
「危ない‼︎」
俺は急いで駆け寄り彼女倒れかけたところをなんとか俺にもたれかかったことで倒れずに済んだ。
「大丈夫か?」
「ずら?」
彼女は倒れるのを覚悟して目をつぶっていてらしく俺の声に反応して目を開けて俺の方を見た。
「ずら‼︎」
彼女は俺を見ると驚いて後ろに勢いよく後ずさった。だけど、本棚にあたり複数の本が雪崩のように落ちて来て、何個か彼女の頭に当たった。
「おい、大丈夫か?悪い。驚かすつもりはなかったんだ」
「こちらこそ、すいません。助けていただいてありがとうございます」
俺に謝罪したあと、その子は落ちた本を拾い始めたので俺も拾い始めた。
拾い始めて気づいたけどこの辺にある本、よくわからないけど難しそうだな。この娘、こんなの読むのか?ちょっと尊敬するな。ん?てかこれ!ハードカバーだし!まさか!
「君、ちょっとごめん。…やっぱりか」
俺は彼女の頭を覗くと案の定、大きなこぶが出来ていた。これ終わったあとで、薬局で薬とか買ってくるか。と思ったその時
「ピギィィィィ‼︎」
なんだ?今の奇声は?俺は声のする方を向くと赤髪の女の子が顔を真っ赤にして見ていた。
「ルビィちゃん」
「知り合いか?」
「はい、友達ず…です。どうしたのルビィちゃん?」
「は、花丸ちゃん‼︎」
すると、そのルビィちゃんは全速力でこっちに向かって来たかと思ったら彼女(花丸ちゃんって呼ばれてたな)その子を連れて走り去っていった。
「えっ?」
何が起こったのかわからずひとまず追いかけようと思ったけどまだ、本が散らばっていたので片付けを先にすることにした。あれ?なんでこんなとこにスクールアイドルの雑誌が?あー、あれかあのルビィちゃんって子が落としていったのか仕方ない。俺はそれを拾い片付けを再開した。
●●●
ーーー花丸視点ーーー
「ちょっと待つずら、ルビィちゃん」
いったいどうしたずら?急に連れ出すなんて、あのお兄さんにちゃんとお礼してないのに。
「どうしたの?花丸ちゃん、あの人来ちゃうよ」
「どうしたはまるのセリフ、どうしたの?ルビィちゃん」
「だって花丸ちゃん、あの人にそのナ、ナンパされてたから助けなきゃって」
あーなるほど、ルビィちゃんはまるがあのお兄さんがまるをナンパしてると思ってたのか〜。
「ルビィちゃん、ナンパじゃないよ。それどころか、まるを助けてくれたの」
「助けてくれた?」
「そうずら」
まるは一からルビィちゃんに事の顛末をルビィちゃんに話したずら、そしたらルビィちゃん顔を真っ赤にし始めた。
「ルビィ、あの人に失礼なことしちゃった」
「そういうまるもお礼してないずら」
まるが携帯電話を使えたらあの人と連絡取れたのかな?失敗したずら。
「あれ?花丸ちゃん、あの人って」
「ずら?」
ルビィちゃんの指差した方を見るとさっきのお兄さんが走って来ていた。
「花丸ちゃん、ルビィちゃん。よかった、追いついた」
「どうしたず…どうしたんですか?あれ?」
「ああ、これ。欲しかったんだろ?」
お兄さんに差し出された袋の中を見るとまるが欲しかった本が二冊入っていた。
「これ、どうしたずら…どうしたんですか?」
「買ったんだよ。色々と迷惑かけたからお詫び」
「そんな、まるの方こそ助けて貰ったのにお金払います」
「いいよ、別に。あと、これはルビィちゃんに…ってルビィちゃんは?」
お兄さんがルビィちゃんを見うしなって探している。まったく、ルビィちゃんたらまた隠れたずらか。
「お兄さん、それ貸して欲しいずら」
「ずら?」
「‼︎貸して欲しいです」
「いいけど、どうするの?」
お兄さんは顔をはてなにしながらも袋を渡してくれた。案の定、中にはルビィちゃんが欲しがってたアイドルの本が入ってた。まるがそれを取り出して見せびらかすと…
やっぱり、ルビィちゃん出て来たずら。そこをすかさず、捕獲ずら。
「ルビィちゃん、捕まえた」
「ピギィィ」
「ほら、ルビィちゃん。謝って、ちゃんとお礼いうずら」
「う、うん」
ルビィちゃんはまるの後ろに隠れながら少し顔を出してお兄さんの方を見た。
「あの、ナンパの人と間違えてごめんなさい。それと、雑誌ありがとうございます」
「あー、そういうことか。それで逃げたのか。まあ、知らない男が友達に近寄ってたら勘違いするよな、大丈夫気にしてないから」
これで一件落着ずら。
「あ、あと、花丸ちゃん頭痛くない?一応、色々買って来たんだけど」
ルビィちゃんのことで頭いっぱいになってたけど、お兄さんに言われて思い出したずら。確かに頭が痛いずら。
「あー、痛そうだな。ルビィちゃん、これで手当してあげて」
「は、はい!」
ルビィちゃんに手当して貰って気のせいかもしれないけど少し痛みがひいてきた。
「大丈夫だな?じゃあ俺は、これで」
「あっ、待ってずら‼︎」
「ん?どうした?」
「あの、お名前を教えて欲しいずら…欲しいです」
「俺か?大川愛護。あっ、花丸ちゃん。方言を直そうとするのは自由だけど無理して直すのはやめといたほうがいいよ。特に俺は気にしないから」
「ずら‼︎ばれてた?」
でも、馬鹿にするどころか笑いかけてくれるなんてお兄さんはやっぱりいい人ずら。
「結構、最初からボロが出てたぞ」
「あはは、あれ?お兄さん、どうしてオラたちの名前知ってるずらか?」
「ああ、ルビィちゃんが花丸ちゃんって呼んでたし、花丸ちゃんがルビィちゃんって呼んでたから覚えただけだ。てか、そのお兄さんってなんだ?」
「だって、愛護さん。優しい歳上のお兄さんみたいだったから…もしかして?歳上じゃないずら?」
「いや、確かに歳上だよ。リボンの色から君たち浦の星の一年だろ?俺は浦の星の二年生だから歳上」
「あ、愛護さん。噂の男子転入生ずらか?」
「そうだな、じゃあ学校でな」
「待ってずら‼︎れ、連絡先教えて欲しいずら」
「なんで?」
「今日のお礼をしたいから」
「いや、別にいいよ」
「でも、どちらかと言うとオラたちが迷惑かけたから。だから、ちゃんとお礼しないとオラ…」
「わかった、一応教えるよ」
「ありがとうございます。あっ、オラ携帯使えなくて持ってないから電話番号がいいずら。それなら家の電話で出来るから」
「わかった、なんか書くものある?」
「あっ、はい」
オラは鞄からメモ帳と鉛筆を渡した。そして、愛護さんは電話番号を書いて渡してくれた。
「これでいいか?ちょっと俺そろそろ戻らないと怒られるから。じゃあな、学校で会ったら声かけてくれ」
愛護さんは手を振って走っていった。やっぱり、男の人走るの速いずら。
「ルビィちゃん、大丈夫?」
「花丸ちゃんすごいね、知らない男の人と喋れるなんて」
ずっとまるの後ろに隠れてたルビィちゃんが喋り出した。やっぱり、人見知りしてたみたい。
「でも、優しそう人だったよ」
「そ、そうだね」
ルビィちゃんにも好印象だから少し時間が経てば二人は仲良くなれそうずら
●●●
「やべー、迷った」
花丸ちゃんたちを必死に探し回ってたから正直、自分がどの方向から来たのかも覚えてない。仕方ない、スマホで調べるか。……やべ、めっちゃメール来てる。千歌たち怒ってるだろなー。「♪♪♪」あっ、曜から電話来た。仕方ない、助けて貰うか。
「もしもし」
『ヨーソロー、さて愛くん。まず、言うことは』
「えーっと、ごめん。あっ、頼みがあるんだけど、道に迷いました。助けてください」
『えっ、大丈夫?』
「スマホで調べるからたぶん大丈夫。でもら帰るまで十五分くらい待って」
『わかった。あっ、愛くん帰って来たら覚悟してね』
「あはは」
そうして、電話が切れた。あれだよね、最後のって笑ってるけど目が笑ってないパターンのやつだった。自業自得だけど戻りたくねー、てか、最初はマジメにスクールアイドルのこと勉強するために本屋に向かったんだけど。これは真剣にそうだぞ、梨子にもそう言ったはずなんだけど…まあ、はたから見たらサボりだろうな。
それから、なんとか沼津駅まで帰った俺はこっぴどく説教されました。