見習い執事?とAqours   作:鳥王族

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7話:夢の続き

 

 

「これでよし!」

 

体育館にある部屋を部室として使うことを許されたスクールアイドル部はさっそく部室に来て千歌が看板をセットした。

 

「まさか、本当に承認してくれるなんてね」

「部員足りないのにね」

「理事長がいいって言ったんだからいいんじゃない?」

「いいって言うどころか…」

「ノリノリだったけどね」

 

そうだよなー、マリーの「しょーにん♪」が頭から離れないぐらいノリノリだったな。

 

「それにしても、なんで理事長は私たちの肩を持ってくれるのかしら?」

「スクールアイドルが好きだからじゃない?」

「それだけかしら?」

「愛くんは何か知ってる」

「さあな、マリーが何考えてるか何ていつもわかんない」

「そうだね…」

「そんなことより、中の掃除しないと活動なんて出来ないぞ」

「えー、これ全部やるの?」

「仕方ねえだろ、誰もやってくれる人なんていないんだから」

「そうね」

「そうだよ、千歌ちゃん」

「そうだけど〜…ん?」

 

千歌がホワイトボードに何か書いてあるのを見つけた。

 

「歌詞かな?」

「どうしてここに?」

「わからない、それにしても…」

 

今度は大量に積まれていた本を手に取った千歌

 

「これって、図書室の本だよね」

「そうだな」

「それ持っていかないとダメだよね」

「まあな」

「あー‼︎」

「別に本返しに行くぐらいなら俺一人でやっとくぞ」

「ううん、みんなでやろう」

 

そう言うと千歌は置いてあった本を四等分にしたが流石に俺と彼女らが同じ量ってのもあれだから俺は三人から二冊ずつ取って持つことにした。

 

「愛くん、本当に大丈夫?」

「大丈夫だから、いくぞ。時間ないんだから」

「うん」

 

俺たちはそうして図書室に向かった。

 

 

●●●

 

 

 

図書室に着くと花丸ちゃんがカウンターに座っていた。花丸ちゃんって本好きなのは知ってたけど図書委員だったんだな。

 

「あっ、花丸ちゃんだ!そして、ルビィちゃん!」

 

千歌が指差した方をみると扇風機の裏に隠れているルビィちゃんがいた。

 

「ピギィ、こ、こんにちは」

「可愛い」

 

ルビィちゃんを見て目を輝かせる千歌。

 

「おい、本来の目的果たすぞ」

「はーい」

 

俺たちはカウンターの上に本を置いた。そして、花丸ちゃんに見てもらいやっぱり図書室の本らしい。

てことで、部室に戻ろうとした時…

 

「スクールアイドル部へようこそ!」

 

千歌、お前何やってんの?花丸ちゃんたち引いてるぞ

 

「結成したし、部も出来たし決して悪いようにはしませんよ」

 

どこの悪徳勧誘だよ。

 

「二人が歌ったらキラキラする間違いない‼︎」

「あの〜」

「やめろ‼︎二人とも戸惑ってるだろ」

 

俺は千歌の頭を軽くポンとおく程度の威力でチョップをした。

 

「二人ともごめんな、でも確かに二人とも可愛いし千歌もこう言ってることだし少し考えてみてくれないか?」

「でも、まるそういうの苦手っていうか…」

「ルビィも…」

「うん、わかった。でも、やりたくなったら来てくれよ歓迎するから。ほら、掃除もあるし練習もするんだろ?」

「はーい」

「千歌ちゃんダメだよ。強引に迫っちゃかわいそうだよ」

「はーい。じゃあね、ルビィちゃん、花丸ちゃん」

 

そして、俺たちは部室に帰っていった。

 

 

●●●

 

 

ーーールビィ視点ーーー

 

 

「スクールアイドルやりたいんじゃないの?」

 

今、ルビィたちは学校からの帰り道です。今日図書室にスクールアイドル部のみなさんが来られたんですけど、その時勧誘されてそのことについて花丸ちゃんとお話ししてます。

 

「ダイヤさんが?」

「うん、お姉ちゃんは昔はルビィと一緒にμ'sの真似するぐらい好きだったのに、高校に入ってしばらく経った頃…」

 

ルビィは思い出しました。ルビィがアイドル雑誌を見ていたら、お姉ちゃんが急に片づけてって、見たくないって言ったことを…

 

「そうなんだ…」

「だからね、本当はルビィも嫌いにならないといけないんだ」

「どうして?」

「だって、お姉ちゃんが嫌いって言ってる物を好きになんてなれないよ。それに…」

「それに?」

「花丸ちゃんは?興味ないの?」

「まる⁉︎ないない、運動苦手だし、ほら、おらとか言っちゃう時あるし」

「じゃあ、ルビィも平気」

 

そう、ルビィは平気。

 

 

●●●

 

 

俺は今、マリーに連れられてダイビングショップに来ている。だが、二人きりで話したいけど、話の内容は理解してほしいという意味わからん頼みのせいで俺は石垣にもたれてテラスで話してるマリーとマリーの会いたかった果南って人の話を聞いている。

 

「どうしたのいきなり」

 

はあ、いきなり不穏な空気なんだが…

 

「果南をスカウトに来たの」

「スカウト?」

「休学が終わったら、一緒にschool idolをやるわよ。浦の星で」

「本気?」

「本気じゃなかったら帰って来ないよ」

 

マリーがそう言うと果南さんが最後に何か言ったけどそれは聞こえず、そして二人の会話は終わり果南さんは店に戻っていった。

 

「相変わらず頑固親父なんだから」

「相変わらずこっちはお前のせいで状況が理解できないんだが。マリー、スクールアイドルするのか?」

「そうよ」

「千歌たちとか?」

「うーん、どうだろう」

「はあ、まあなんか考えがあって来させたんだと思うから今は詮索しないでおく」

「ありがとう愛護でもいつか、愛護の力が必要な時が来ると思うの。だから…」

「わかった。さあ、帰るぞ」

 

 

 

●●●

 

 

 

「はあはあ、無理よー」

「でも、μ'sも毎日階段登ってたって」

「でも、こんなに長いなんて」

「こんなの毎日続けてたら、体がもたないわ」

 

今日から練習に階段ダッシュが加わった。理由はμ'sも階段ダッシュをしていたから。まあ、足腰を鍛えるのと体力をつけるにはもってこいだな。でも、曜を除く二人は今までろくに運動してこなかったからもうダウンしている。まあ、今日に限っては曜もダウンしているけど。

 

「それにしても、愛くんすごいね。やっぱり男の子だね」

 

曜がそんなことを言って来たがそんなわけない。俺だってもうギリギリだし、女の子の前で体力切れでダウンなんて出来ないからプライドで立ってるだけだよ。

 

「あれ?千歌?」

 

誰かが千歌を呼ぶ声がしたのでその方向を向くと上から果南さんが降りて来るところだった。

なんでも、果南さんは日課のランニングの帰りらしい。ていうことは、毎日この階段を登り下りしてるってことだよな。すげーな。今も息が全然切れてないし、俺のプライドもズタボロだぞ。

 

「あれ?君は?」

「果南ちゃん、愛くんだよ」

「愛くん?」

「うん、最近こっちに引っ越して来た。男の子だけど特例で浦の星の生徒になったんだよ」

「へー」

 

そういえば、果南さんは俺とは初対面か昨日俺は隠れてたし

 

「あっ、じゃあ私もう行くね店開けないといけないし」

 

そう言って果南さんはどんどん走って行った。すげーな、やっぱり毎日走るだけで違うんだな。

 

「すごい、息一つきれてないなんて」

「上には上がいるんだね」

「はあー、私たちもいっくよー」

 

いつもとは違い全く覇気のこもってない声で千歌が言うと、みんな立ってゆっくりとはいえ走り出して行き、俺も三人のペースに合わせて走った。

 

 

 

●●●

 

 

 

放課後いつも通り、練習しようと思った時ルビィちゃんと花丸ちゃんが体験入部をしたいということで部室にやってきた。これには千歌たち三人は大喜びしている。

 

「やったよ、やったー、これでラブライブ優勝だよ、レジェンドだよ!」

 

一人は全く別ベクトルで盛り上がってたわ。

まったく…

 

「千歌、あくまで二人は体験入部、今日やって見ていけそうなら入ってくれるし合わないなら見送りってところだから」

「そうなの?」

「色々あって」

 

花丸ちゃんが少し苦笑いで言った。なんか、訳ありらしく、その理由を曜が聞いたらルビィちゃんのお姉さんの生徒会長が関係してるらしい。まあ、なんかあの人は厳しそうだよな。ていうか…

 

「ルビィちゃん、生徒会長の妹さんだったのか!」

「あれ?愛くん知らなかったの?」

「ああ」

 

でも、あれだよな。言ったら悪いけど似てないよな。共通点といえば美少女ってところか。

 

「これでよし」

 

ん?俺たちが会話をしてる時、千歌が何かしてるなあーとは思ってたけど何してんだ?

千歌は何かを書いていたのでそれを覗き込むとポスターに「新入部員国木田花丸ちゃん、黒澤ルビィちゃん」と書いてあった。

 

「千歌ちゃん、人の話聞こうよ」

「体験入部だって言ってるだろ」

 

はあ、まあ気を取り直して練習スタートと思いきや

 

「運動場も中庭も埋まってるね」

 

練習場所がないらしい。いつもの砂浜もいいんだが、梨子曰く練習時間確保のため移動時間のいらない学校でやりたいらしい。

 

「屋上はだめですか?」

 

俺たちがいい案を思い浮かばず止まっているとルビィちゃんがアドバイスをくれた。なんでもμ'sは屋上で練習してたらしくそれを聞いた千歌は早速屋上に向かった。

屋上は誰もいなく、ダンスをするにも十分なスペースがあった。そして、練習場所がここで決まり練習を開始した。

練習は天気も良く順調に捗り、花丸ちゃんとルビィちゃんにもかなり好印象のようだった。一旦練習を終え、部室に帰ってもルビィちゃんは練習したステップを何度も確認していたからよほど好きなんだろう。

そして、場所を変えて俺たちはあの階段のある神社まで来ていた。

 

「これ、一気に登ってるんですか?」

「もっちろん」

「いつも途中で休憩しちゃうんだけどね〜」

「でも、ライブで何曲も歌うには頂上まで走りきるスタミナが必要なの」

「てことで、μ's目指してよーいどん!」

 

千歌の合図でみんな走り出した。俺はいつも通り何かの時に備えてしんがりを勤めることにした。

走ってから少し経つと花丸ちゃんはやはり慣れてないのか遅れ気味になって来た。

 

「大丈夫か?」

「愛護さん、先行っててください」

「いや、俺の場合一番後ろにいるのが仕事だから気にしなくいいよ。自分のペースで走って」

「わかりました」

 

でも、花丸ちゃんは前の四人に追いつくことなくどんどん離されていった。そんな時、見かねたルビィちゃんが逆走して花丸ちゃんのとこまでやってきた。

 

「ルビィちゃん?」

「一緒にいこ」

「だめだよ」

「えっ?」

 

花丸ちゃんの予想外の言葉に驚くルビィちゃん。確かに雰囲気が変わった気がする。

 

「ルビィちゃんは走らなきゃ」

「花丸ちゃん?」

「ルビィちゃんはもっと自分の気持ち大切にしなきゃ、自分に嘘ついて、無理に人に合わせても辛いだけだよ」

「別に、合わせてるわけじゃ」

「ルビィちゃんはスクールアイドルになりたいんでしょ?だったら、進まなきゃ。ほら行って」

 

花丸ちゃんが笑顔でそう言うとルビィちゃんは真剣な顔つきになったあと、笑顔を返すと言われた通り花丸ちゃんを置いて走って行った。

 

「よかったのか?」

「はい、ルビィちゃんは素晴らしい夢もキラキラした憧れも全部胸にしまっちゃう子なんです。だから、その胸の扉を思いっきり開かせてあげたいと思ってたんです。その中にあるいっぱいの光を…世界の隅々まで照らせそうな輝きを…大空に放ってあげたかったんです。それがまるの夢だったんです」

 

そう言うと、花丸ちゃんは俺に一回お辞儀をするとゆっくりと階段を降りて行った。

 

 

 

●●●

 

 

 

次の日、ルビィちゃんはスクールアイドル部へ入部した。なんでも、昨日階段を降りたところに生徒会長がいてその時に自分の気持ちを打ち明けしっかりと許可をもらったらしい。まあ、呼んだのは花丸ちゃんだろうし生徒会長だって反対する気はさらさらなかっただろう。あの人の心の奥底はスクールアイドルが嫌いどころか大好きだからな。

まあ、そんなこんなでルビィちゃんが入部したわけだが、俺は少し気になったことがあるというかやり残したことがあるというかそんな感じで今は図書室にいる。

そして、ついに俺の待ち人花丸ちゃんが図書室に入ってきた。

 

「よっ!」

「愛護さん⁉︎」

 

花丸ちゃんは俺を見てかなり驚いた。まあ、そうだろうな図書委員でもないのにカウンターの椅子に堂々と座ってるんだから。

 

「どうしてここに?」

「夢の続きを見に」

「夢の続き?」

「そう、花丸ちゃんの」

「どういうことず…ですか?」

「これ」

 

俺はカウンターの引き出しの中に入っていた。星空凛さんのページが開かれた雑誌を取り出した。

 

「見るつもりはなかったんだけどね、半開きになっていたから見えてしまって」

「それは、たまたま読んでただけずら。まるはアイドルとかは…」

「俺はさ、さっきも言ったけど花丸ちゃんの夢の続きが見たいんだ。ルビィちゃんの心の扉を開くのが花丸ちゃんの夢。素晴らしいことだと思うでもその先、夢の続きについて考えたことあるか?」

「夢の…続き…」

「そう、それは今度はルビィちゃんとあの三人が見せてくれるんじゃないか」

 

俺がそういうとルビィちゃんが図書室に入ってきた。

 

「花丸ちゃん!ルビィ、花丸ちゃんのこと見てた。ルビィのために無理してるんじゃないかってでも、練習の時もみんなと話してる時もすごく楽しそうだった。だから、花丸ちゃんも好きなんだって、ルビィと同じくらいスクールアイドルが好きなんだって」

「そんな、まるはそんな…」

「じゃあ、なんでそんなにそれを読んでたの?」

「…でも、そうだとしてもまるは出来ないよ。体力ないし向いてない」

「そこに載ってる凛ちゃんもね、自分はスクールアイドルに向いてないってずっと思ってたんだよ」

「えっ、」

「でも、やっと見たいと思った」

 

梨子たちも図書室にやってきて会話に入った。

 

「最初はそれでいいと思うけど」

 

千歌が花丸ちゃんに手を差し伸べる。しかし、まだ踏み出せない。

 

「ルビィやりたい!花丸ちゃんと一緒にスクールアイドルがやりたい!」

「でも、できるかな」

「私も一緒だよ。大切なのはできるかどうかじゃない。やりたいかどうかだよ」

 

千歌はそういうと再度手を差し伸べる。そして、花丸ちゃんはゆっくりと手を伸ばし千歌の手を握った。それから、みんなも手を重ねていった。

 

「愛護さん、まる見てみたい。ルビィちゃんと千歌先輩たちと一緒に夢の続きを」

「ああ」

 

こうして、花丸ちゃんも入部をすることが決まった。花丸ちゃん、頑張れよ。

 

 

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