見習い執事?とAqours   作:鳥王族

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8話:堕天使ヨハネ

ついに五人となったAqours。だが、ランキングが上がらなくて少し今、みんなのテンションは低い。

 

「新加入の二人は可愛いって言ってくれてるのにな」

「そうなんですか!」

 

ルビィちゃんが嬉しそうにこっちを見てくれた。うん、たぶんその素直な反応のところが好印象なんだろうな。

 

「うん、特に花丸ちゃんが人気」

 

確かにコメント欄を見るとルビィちゃんと比べると花丸ちゃんの方が多いな。勿論、ルビィちゃんのファンもいるけど。

そんな話をしていると花丸ちゃんがパソコンに近づいて来た。たぶん、コメント欄を自分で読みたいと思い俺がスペースを空けると…

 

「これがパソコンずら⁉︎」

 

えっ…そっち…

 

「そっち⁉︎」

 

あっ、曜が代弁してくれた。

 

「これが知識の海に繋がっているという、いんたーねっと」

「そうね、知識の海かはわからないけど…」

 

それにしても、いつも以上にテンション高いな花丸ちゃん。

 

「花丸ちゃん、パソコン使ったことないの?」

 

千歌がルビィちゃんにこっそり聞くと何でも古いお寺の子で家に電化製品がほぼほぼないらしい。

だから、この前沼津に行った時も自動の蛇口とあの風が出て手を乾かすやつ(名前は知らん)でテンション上がってちょっと大変だったらしい。

 

「触ってもいいですか?」

 

すっごい目をキラキラさせて頼んで来た。千歌は快く了承した。まあ、嫌な予感がするんだけどな…

そして、想像どおり花丸ちゃんは光ってるから特別なボタンだと思って、いきなり電源ボタンを押してしまった。そのため、衣装のデータなどが消えてないか急いで確認する曜と梨子。

 

「まる、何かいけないことしました?」

 

少し、目に涙を浮かべる花丸ちゃん。そんな花丸ちゃんに俺はそっと頭を撫でるように手を置いた。

 

「いや、別に気にするな。初心者に何の説明もなしに触らせた千歌が悪い」

「えー、愛くんひどい!」

「で、データはどうだ?」

 

俺は千歌を無視して曜に聞いた。

ちなみに無視したことで千歌は拗ねてルビィちゃんに慰められてる。

 

「大丈夫だよ」

「だってさ、だから気にすることないよ」

「はい」

 

花丸ちゃんも無事だと知り少し安心した。

 

それから、俺たちは練習のために屋上に移動したがやっぱりちゃんとパソコンが触りたかった花丸ちゃんのために曜は使い方を教えている。

まあ、本当なら練習を始めてる時間だから少し梨子は不満の様だが一応納得はしてくれた。

 

「それより、今はランキングだよ。どうやったらいいのかな?」

「毎年スクールアイドルは増えてますしね」

「しかも、こんな何もないところで。地味&地味&地味なスクールアイドルだし」

 

おいトラブルメーカー、何で最後自分差した、お前が地味なら世界中の半分ほどは無だぞ。

 

「やっぱり、目立たないとダメなの?」

「人気は大切だよ」

「もっと派手なことだよねー」

「名前をもっと奇抜なのにするとか?」

「奇抜と言うと例えば、スリーマーメイドとか?あっ、ファイブか」

 

掘り返すのやめてあげて。梨子、顔真っ赤だぞ。

 

「ファイブマーメイドか」

 

あれ?ルビィちゃん好印象⁉︎しかも、なんか設定作り始めたし

 

「それじゃあ、踊れないよ!」

 

お前は入ってくるなよ!

 

「じゃあ、みんなの応援で足に変わるとか」

「いいね、その設定!」

 

話を広げるな!

 

「しかし、その代わり声を失うとか…」

 

どこのリ◯ルマーメイドだ!

 

「それじゃあ、ダメじゃん!」

 

いや、もうこの話終わろう。

 

「それにしても、悲しい話だよね。人魚姫」

 

はあ、もうグダグダだ。千歌はまだ梨子をマーメイドネタでいじってるし。

ため息をついて下を見るとパソコンをいじってた花丸ちゃんがどこかを向いていた。俺もそちらの方を向いて見ると女の子がこちらを見ていた。はっきりリボンが見えないからわからないけどたぶん一年生。その子は恨めしそうな雰囲気でこっちを見ている。

あぁー、屋上でくつろぎたかったけど先客がいるし困ってるって感じかな。

 

「善子ちゃん?」

 

ん?花丸ちゃん知り合いなのか?クラスメイトか何かかな?

すると、その子は見られてるのに気づくと逃げていった。

 

「愛護さん、ちょっといって来ます」

 

そう言うと、花丸ちゃんはあの子を追いかけていった。

 

「あれ?花丸ちゃんは?」

 

花丸ちゃんがいないことに四人は気づくとこと俺に聞いて来た。

 

「なんか、知り合いがいたから追いかけていった」

「えー、今から練習なのに!」

 

いや、今まで遊んでたのどいつだよ。

 

「はあ、わかった。連れて帰ってくる。ちょっと待ってろ」

「できるだけ早くね!」

「はいはい」

 

そうして、俺は花丸ちゃんを追いかけた。

 

 

 

●●●

 

 

 

一年生フロアかあんま来たくないんだよな。

だって、二年生は俺のこともう慣れてるから普通に接してくれるし三年は三年である程度落ち着いてるし、ダイヤさんが目を光らせてるからあんま俺見てキャーキャー言わないけど一年生はパワフルだし…

 

「あっ、先輩だ!」

「一緒に写真撮ってください!」

 

ほら来た。ここで勘違いしてはいけないのは決してモテてるのではなく。物珍しいから何だよな。おかけで一年生はほとんど顔見知りになってしまった。でも、女の子が年頃の男に不用意に近づくのはどうかと思うぞ。

 

「あっ今、人探してるから今度な」

「国木田さんですか?」

「そうだけど、見たのか?」

「はい、あっちの方で見ましたよ」

「ありがとう」

「さようなら、先輩」

「気をつけて帰れよ」

 

後輩たちと別れて俺は言われた方にいって見ると花丸ちゃんは窓の下にある収納スペースの中を順番に覗いていた。

すると、その一つから女の子が飛び出して来た。さっきの子だ。

なるほど、あの子が隠れてたのか。何でだかは知らんが。

すると、その子は花丸ちゃんに何か言い寄っている。険悪なムードはないからいいんだけど一応連れて帰ってこいって命令だし声かけるか。

 

「どうしたんだ花丸ちゃん?」

「あっ、愛護さん。どうしたずら?」

「連れ戻しに来た」

「あっ、ごめんなさい。練習の途中で」

「まあ、いいけど。時間かかりそうか?」

「わからないです」

「そうか」

「ちょっとずら丸!私を無視しないで!ていうか、何で男がいるのよ!女子校に入ってくるなんて不審者じゃないこの男!」

 

ん?俺のこと知らないのか?

すると、花丸ちゃんが俺の肩を叩いて耳打ちしてくれた。

 

「善子ちゃん、入学式以来学校来てなくて」

 

なるほど…それで俺を知らないのか。

 

「ちょっと、無視しないでよ!」

「あっ、悪い」

「あんたじゃないわよ、てかやっぱり何で男がいるのよ!」

「あっ、それなら俺がここの生徒だからだ。ちゃんと学生証もあるぞ」

 

俺は善子ちゃんと呼ばれてる子に学生証を見せた。

 

「嘘でしょ!まさか、この学校は悪魔や堕天使たちに改変されてしまっ……‼︎」

 

自分の言ってることが変なことと気づいたのか彼女はこっちを向いた。花丸ちゃんはと言うとジト目をしているので俺も真似してジト目をした。

そして、俺は理解した。この子マリー(残念な美少女)か。

 

「ねえ!クラスのみんな何か言ってた?」

「何か?」

「ほら、さっきみたいなこと自己紹介でも言ったじゃない。それでみんな「変な子だね」とか「堕天使だって、プップ」とか」

 

なるほど。それが不登校の理由か。確かに痛いな。

 

「みんな、何も言ってないよ。それどころかみんな何で学校来ないんだろうとか悪いことしたのかな?って心配してるよ」

 

まじかよ、浦の星の子めっちゃいい子だな!

 

「本当?」

「うん」

「よし、ならまだいける!」

 

立ち直り早!

 

「ずら丸、ヨハネたってのお願いがあるんだけど」

 

すごい形相で花丸ちゃんに迫る善子ちゃん。たぶん、ヨハネは中二ネーム的なやつだな。

ていうか、それが人にものを頼む態度かよ。

 

 

 

●●●

 

 

次の日、朝マリーと登校してると昨日会った善子ちゃんが登校してるのが見えた。

 

「あっ、あの子」

「あれが昨日言ってた一年生?」

「ああ」

「大人びて綺麗な子ね、愛護ああいう子が好きなの」

 

からかうように俺に言うマリー。

 

「まあ、マリーみたいな子よりはいいかな」

「ちょっと、それどういう意味よ」

「そのまんまだ」

 

それにしても、善子ちゃん猫被りというかキャラ変えすぎだろ。清楚系の女の子をイメージしてるのかわからないけど。誰だよあの美少女!レベルだぞ。本性知らなかったらたぶん気になる女の子にはなってるぞ、たぶん…

 

「まあ、あれならなんとかなるか」

「どうしたの?」

「なんでもない」

 

特に声をかける必要もなかったので俺とマリーは自分たちの教室に向かった。

 

しかし…

 

「なんで止めてくれなかったのよー」

 

部室にやって来て、止めてくれなかった花丸ちゃんに善子ちゃんの文句が響いた。なんでも、趣味の話題になった時に勢い余って堕天使道具で盛大にやらかしたらしい。

 

「まさか、あんなものを持ってきてるとは思ってなかったずら」

「確かに本気で普通にしたいなら持って来なきゃよかったと思うぞ」

「それは、ほらヨハネのアイデンティティというかあれがないと私は私でいられないっていうか」

 

ポーズを決める善子ちゃん。

 

「出てるぞ」

「あっ!」

 

しまったという顔をする善子ちゃん。

 

「それにしても、無意識か…こりゃ治したいんであればそうとうな努力が必要だな」

「そうなんですよ、今も時々ネットで占いやってますし」

 

ルビィちゃんはそういうと善子ちゃんの動画を検索し再生させた。

これにはみんな少し呆れ顔である。

 

「でもこれ、可愛いかもな」

「「「「「「えっ‼︎」」」」」」

 

俺の発言に六人が反応して一斉に俺の方を向いた。

 

「ちょっと、どういうこと!」

 

善子ちゃんの顔を真っ赤になり、みんなはジト目でこっちを見ている。

 

「どういうことって衣装だよ。アイドルのとはちょっと違うけどこれ明るい色にして装飾変えたらアイドル衣装としても使えそうだしいいなって」

「あー、そういうこと。相変わらずの女子力というかなんというか…」

「曜、それ褒めてんのか?」

「褒めてるよー」

 

でも、やっぱり褒め言葉とは思わないんだが。

 

「てっきり、善子ちゃんに言ってるだと思った」

「ん?両方だけど、いくら衣装が良くても本人に似合ってなきゃ意味ないし。ほら、コメントにも書いてある」

 

俺がそう言うと曜は俺の足を無言で踏んづけた。曜は座ってたから大したことはなかったが痛いもんは痛い。

 

「何すんだよ!」

「女子力あっても乙女心はわからないんだなーって」

 

周りを見ると全員俺が悪いみたいな雰囲気なので反論するのはやめた。

 

「でも、可愛いよ」

 

そんな中、千歌はもう一度動画を見ながら呟いた。

 

「これだよ!」

「千歌ちゃん?」

「津島善子ちゃん!いや、堕天使ヨハネちゃん!スクールアイドルやりませんか?」

 

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