連載はしないけどネタを思いついたので投稿してみた作品集   作:グラン

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もし凪沙の同級生に攻魔官の幼馴染がいたら・・・


攻魔官の幼馴染(ストライク・ザ・ブラッド)

「38度か・・・風邪だね」

 

 

ベッドで横になる少年から体温計を受け取った少女がそう呟く

 

 

「始業初日から風邪だなんて運が悪いね。カズ君」

 

「あ、あはは・・・」

 

 

そう言った少女の名は暁凪沙

寝ている少年の名は影山和也

二人の関係は俗に言う幼馴染と言うものだ

彼が風邪を引いたと聞き、心配性の彼女が様子を見に来たのだ

 

 

「あ、もうこんな時間。じゃあ凪沙は学校に行くけど、ちゃんと寝てないとダメだからね」

 

「うん。わかってるよ」

 

 

そう言って出て行く凪沙

 

 

「・・・さて」

 

 

凪沙が出て行ったのを確認した彼は身体を起こす

そして何かをボソボソと唱えると少し赤かった顔は元に戻った

彼が今まで使っていたのは『自身の体温を変化させる術式』

普通はあまり使われない術式なのだが、彼の場合は幼馴染の目を欺くためによく使っている

 

 

「さてと・・・あ、もう大丈夫です」

 

 

着替えた後に、どこかに電話を掛ける

すると玄関のドアが開き、そこにはゴスロリの少女の姿が・・・

 

 

「すまないな。できればお前の手は借りずに済ませたかったのだが・・・」

 

「気にしないでください南宮先生。これも仕事ですから」

 

 

申し訳なさそうにそう言う少女の名は南宮那月。自称26歳

だが、どう見ても中学生である彼の同級生、いや、下級生にしか見えない

 

 

「おい、今何か失礼な事を考えなかったか?」

 

「め、滅相もございません」

 

「・・・まぁいい。じゃあ飛ぶぞ」

 

 

玄関にカギを掛けた直後、二人はとある倉庫に移動した

なぜこんなところに彼が連れて行かれたのか?

それは幼馴染の凪沙も知らないことなのだが、彼は国家攻魔官なのだ

それも最年少で資格を習得した神童と呼ばれている

が、彼の正体を知っている者はほとんどおらず、彼も名乗るときは『シャドウ』というコードネームを使っている

 

 

「しかし、なぜ正体を隠すのだ?事情を言えば、学校は欠席じゃなく公休扱いにできるし、クラスで女の子にもモテるかもしれんぞ?」

 

 

冗談交じりにニヤリと笑いながらそう言う那月

 

 

「あはは、特にモテたいとかは思いませんし、攻魔官しているなんて凪沙にバレたら、あの心配性の幼馴染は『危ない事はやめて』って言うに決まっていますからね」

 

「・・・将来、尻に敷かれるタイプだな」

 

「え?何か言いました?」

 

「いや、何でもない。っと、あそこだな」

 

 

倉庫の中で人の気配

今回の仕事は危険薬物の取引があると言う情報を入手し、その場にいる全員を捕縛・・・なのだが、話によると危険な眷獣を従えた吸血鬼がいるという

人数が分からない以上、那月一人で全員捕まえられるかどうかわからない

かと言って大人数で近づけばバレて逃げられる

よって少人数で一気に取り押さえるという策だ

そしてこの手の案件には彼はうってつけだった

 

 

「準備は良いか?」

 

「はい。『檻』の作成は完了です。誰もここからは逃げられませんよ」

 

 

彼が使った術式は結界の一種

通常の結界は外部からの侵入を防ぐ物だが、彼が使ったのはその逆。外部に出ることを防ぐものである

 

 

「よし、一気に決めるぞ」

 

「はい」

 

 

そう言って二人は倉庫の中に入っていった

 

 

 

  ※数分後※

 

 

「・・・拍子抜けだな」

 

 

そう呟く那月

率直に言えばガセネタだった

たしかに取引は行われていたし、吸血鬼もいた

が、大して強くなかった・・・むしろ弱かった

おまけに人数もたったの5人

これなら那月一人で充分取り押さえることができたのだ

 

 

「わざわざ来てもらっておいてすまなかったな」

 

「いえいえ。安全に終わるならそれが一番ですよ」

 

「あとはこっちでやっておく。お前はもう帰っていいぞ」

 

「はい。では失礼します」

 

 

そう言って彼はその場を離れ、自宅へと帰る

 

 

「しまった、バス代持ってきてないや・・・」

 

 

大通りに出たところでそのことに気付いた和也

戻って那月に借りるかそれとも歩いて帰るか・・・

 

 

「ま、いっか。大して遠くないし、歩いて帰ろう」

 

 

彼は後者を選択

この判断が後に悲劇を生むとも知らずに・・・

 

 

  ※更に数分後※

 

 

 

「ふぅ、やっと着いた。もう13時半か。学校が終わるまで時間があるし、まだまだ余裕だね」

 

 

平日の午前中に中学生が堂々と大通りを歩くわけにはいかない

なのでなるべく人通りが少ない道を選んで帰るとすっかり遅くなってしまった

ドアを開け、中に入る和也

しかしそこである事に気付く

 

 

(あれ?僕、たしか鍵は掛けて出て行ったような・・・)

 

 

鍵が開いていたのだ

 

 

(まさか空き巣?)

 

 

振り返り玄関を見るが靴は自分の物のみ

まぁ靴を脱いで入る泥棒などいるわけないが・・・

気配を消してリビングに近づき、音を立てぬよう中を覗き込む

 

 

「!?」

 

 

和也は目を見開いた

見たところ無くなっている物は無い・・・が、逆にあるはずがない物がそこにはあった

ソファーの横に見覚えのある学生鞄、さらにその鞄『ネコマたん』のキーホルダーがついていた

それは彼が幼馴染の少女にプレゼントした物だ

つまり・・・

 

 

(逃げなきゃダメだ逃げなきゃダメだ逃げなきゃダメだ)

 

 

後退りする和也

しかし、後ろから・・・

 

 

(カチャ)

 

 

ドアにカギを掛ける音

そして・・・

 

 

「・・・カズ君」

 

 

とても冷たい少女の声

ギギギと音を立てながら後ろを振り返る和也

そこには・・・予想通り、凪沙の姿があった

 

 

「な、なんで・・・靴は無かったはず。それにまだ学校が・・・」

 

 

凪沙は無言でシューズクローゼットを開ける

そこには女性物の学生靴が入っていた

 

 

「靴を置きっぱなしだとカズ君は逃げると思ってね。隠しておいて正解だったよ。そしてカズ君の性格なら空き巣を疑ってもすぐには通報せずにまず状況を把握しようとする。全部凪沙の計算通りだよ。それと、忘れたの?今日は始業式だから学校は午前中で終わりなんだよ・・・それで?風邪で学校を休んだのに今までどこをほっつき歩いていたのかな?」

 

 

普段の元気いっぱいの声ではなく、冷たい声で淡々とそう言い放つ彼女

 

 

「そ、それはその・・・熱が下がったのでちょっと散歩を・・・」

 

「・・・凪沙は『ちゃんと寝てないとダメ』って言ったよね?聞いてなかったのかな?」

 

 

凪沙はどこからともなくお玉を取り出ししっかりと握りしめ和也に近づいていく

 

 

「な、凪沙様!お、落ち着いて!これには深ぁぁぁい訳がありまして・・・話し合いましょう!人間とはコミュニケーションをとれる生物です!話せばわかる!まずはその手に握られたお玉を離して・・・あ、待って・・・やめ・・・あぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

凪沙の持ったお玉が和也の頭頂部に直撃し、和也の悲鳴が鳴り響いた

その後、和也は正座させられ、凪沙に小一時間ミッチリと怒られ、最後には『心配させないで』と泣かれてしまった

 

 

(・・・なら、病人の頭をお玉で殴るのはやめてほしいものだ)

 

 

和也は心の中でそう呟くのだった

 




・作者はアニメ知識しかない
・中学生が働いてたら不味くね?

という理由でボツ
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