宮守の神域   作:銀一色

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愛宕回。そして書きたかっただけの蛇足回。
恒例化してしまうのではないかという今回。仕方ないだろう、書きたかったんや……!
あと、アンケートやってます。今のところ豊音がトップですかねー


第125話 大阪編 ⑪ ドッキリ

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視点:小瀬川白望

 

 

「おーい、風呂沸いたから入ってきや」

 

 

美味しい夕食を終え、また部屋で談義に花を咲かせていた私たちは、コンコンという音と共に部屋に入ってきた愛宕雅枝にそう言われる。常々思うが、時間というのはおかしなものだ。ついさっき夕食を食べたと思ったらもうお風呂に入る時間か。

 

「せやな……誰から入る?」

 

愛宕雅枝さんの言葉に対し、洋榎がそう言って私と絹恵の方を見てくる。そういえばお風呂の順番とか全く考えていなかったけど、どうすればいいのだろうか。まあ、ここはよそ者の私が口出しする場面ではないな、と悟った私は黙って絹恵と洋榎の決定に従う事にした。決して自分で決めるのがダルいからというわけではない。決して。

 

 

「・・・よし。シロちゃん、先入っててくれへんか?」

 

そうして二人の事を傍観していると、洋榎が私に向かって指をさしてそう言う。客人だからなのか、一番風呂は私がいただく事になった。私は立ち上がり、着替えの下着とパジャマを持って愛宕雅枝さんに連れられて風呂場の脱衣所へと行った。

 

「白望さん、洗濯物とかはこのカゴに入れときな」

 

愛宕雅枝さんはそう言って私にカゴを渡す。明日にはここを出るのに、間に合うのかという旨を愛宕雅枝さんに伝えたら、

 

「あー、夜の内に洗濯して、その後部屋干ししとくから安心しとき。」

 

と返された。成る程、そういうことなら大丈夫なのだろう。そう言って愛宕雅枝さんは部屋から出て行き、扉が閉められる。脱衣所、とは言ってもいつもとは違う光景を見渡す。やはり私の家のところよりも広い、というのが私の最初に出た感想だった。まあ、智葉のところはもっと凄かったのだが、もはやあれは比較していいものかという疑問が頭の中で駆け巡る。

そういったことを考えながら、私は服を脱いで先ほど渡された洗濯カゴの中に入れる。いくら室内といっても、今の季節は冬。流石に服を脱げば素肌に直接冷気が触れて、一気に寒くなってきた。私は早くこの体を温めるべく、風呂場と脱衣所を繋ぐ扉を開けてそそくさと入った。

 

 

〜〜〜

 

 

(あー……温かい……)

 

 

風呂場に入った私はまずシャワーのお湯を全身で浴びる。冷えた体がどんどんお湯によって温められ、体温が上昇していくのが分かる。

 

(あれ……そういえばシャンプーって何処に……)

 

そんなシャワーのお湯を堪能していた私は、ふとそんなことを思った。そういえば愛宕雅枝さんにシャンプーの位置とかを教えてもらってない。そう思って辺りを見渡した。が、そんな思いとは裏腹にシャンプーはすぐに見つかった。隣にはボディーソープもリンスもある。

そうしてシャンプーの配置を確認した私は、頭をシャワーで濡らす。

 

 

〈ちょ、何するんや!?お姉ちゃん!〉

 

 

(ん……?)

 

 

すると、ドア越しに絹恵の声が聞こえてきた。何かは言っているのだろうが、シャワーの音によって絹恵が何を言っているのかは分からなかった。絹恵に何があったのかは分からないが、濡れた状態のまま外に行って確認するのもできない。仕方ないので、とりあえず私はシャワーを止めて、さっき私が確認した位置にあるシャンプーを使おうとした。

 

 

 

 

その瞬間、ガララッという音がドアの方から聞こえてきた。何が起こったのか、と思う前に半ば脊髄反射で私はドアの方に向かって振り向いた。

 

 

 

「え……」

 

 

 

「いや、この……これはな、シロさん……」

 

 

 

するとそこには裸の絹恵が顔を真っ赤にしながら立っていた。よく見ると、絹恵の後ろには洋榎が絹恵がさっきまで着ていた服一式を持っていた。

 

 

 

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視点:愛宕絹恵

 

 

 

シロさんが入浴しているお風呂場にウチが突入するその数分前、オカンに連れられ風呂場へ行ったシロさんを見送り、部屋でお姉ちゃんと二人きりになったウチは、ふと隣にいたお姉ちゃんにこんなことを言われた。

 

 

「あ、そういえば……シロちゃん、自分の下着だけ用意しないで行ったんとちゃう?」

 

「ウソやろ?さっき持って行かんかったか……?」

 

「いや……多分パジャマだけだったと思うけどなあ……?」

 

なんというミス。シロさんらしくないなとも思ったが、やはりさっきの麻雀のせいだろう。あれが終わった直後、お姉ちゃんでさえ立ち上がれないほど疲弊していた。いくら夕飯を挟んだといえども、疲れは溜まっているようだ。それなら忘れても仕方ないだろう。

 

 

「・・・じゃあ、ウチが行ってくるで。お姉ちゃん」

 

「お、助かるで」

 

そういってウチは立ち上がる。だが、ああ言ったものの、本当に持って行っていいのかという疑問が今になっている浮上してくる。下着を忘れたのだから持っていくという行為自体は仕方ないのだが、シロさんの下着を持って行くということは、ウチがシロさんの下着を見て尚且つ触るということだ。別にお姉ちゃんのとかだったらまだ別にどうって事はない。だが、それがよりにもよってシロさんの下着……謎の背徳感が自分を襲うが、言ってしまった以上やるしかない。ウチはシロさんが持ってきたバッグの中を探す。

 

(ハア……軽々しく言うもんやないなコレ……すまんなシロさん……)

 

さっきやるしかないとか言ったものの、ウチは探している今も罪悪感と背徳感でいっぱいである。もっと自分のやる事の意味を考えてからモノを言うものだ、と改めて思い知らされる。ウチは心の中でシロさんに向かって謝りながら、バッグの中を詮索する。

 

(あ……これか?)

 

そして探すこと数秒、シロさんの下着とブラを発見する。麻雀を打っている時のシロさんと同一人物とは思えないほど、下着は年相応のものだった。

見つけた最初こそ、本当に触っていいのか逡巡するが、これで困ってしまうのはシロさんだ。と言い聞かせて、それを持ってお風呂場に行くべく、部屋のドアを開ける。

 

 

 

(ここやな……)

 

そしてウチは風呂場の脱衣所のドアの目の前までやってきた。深く深呼吸した後、ウチはそろりとドアを開ける。

ドアを開け、足音を立てないようにしてシロさんのパジャマがあるところに下着を置こうとする。が、そこで問題が生じる。

 

(ある……?)

 

 

そう、何故かは分からないが、シロさんのパジャマの上には既に下着が置かれていた。一体どうしたものか、と思っていると、脱衣所と廊下を繋ぐドアが閉められた音がした。

 

「ドッキリ大成功、やで!絹」

 

振り返るとそこにはお姉ちゃんが立っていた。なんだ、そういう系のドッキリか。全く、狙ってやっているのか、それとも偶然なのかは分からないが、心臓に悪いドッキリだった。そうして、ウチはシロさんの下着を持ったまま脱衣所から出ようとするが、それをお姉ちゃんが阻む。

 

「・・・お姉ちゃん?」

 

ウチはお姉ちゃんの事を呼びかけるが、お姉ちゃんは一向に退こうとはしない。なんだと思ったまさにその刹那、お姉ちゃんがウチの服を剥ぎ取った。

 

「んなッ……」

 

 

ウチが何かを言うよりも速くお姉ちゃんは無言で服を剥ぎ取る。一体どうしたというのだ。状況を何も飲み込めていないウチを気にも留めず、お姉ちゃんの手は止まることはなかった。

 

「ちょ、何するんや!?お姉ちゃん!」

 

そうお姉ちゃんに言うものの、お姉ちゃんは聞く耳を持たない。あっという間に服を全て剥ぎ取られたウチは、お姉ちゃんにぐるりと体の向きを変えられる。そうしてウチが向いた方向は、なんと脱衣所と風呂場を繋ぐドア。まさか、と思うよりも前にお姉ちゃんはウチに向かってこう言う。

 

 

「楽しんでこいや!」

 

そう言った後、お姉ちゃんはそのドアをガララッ、と開けてウチを突き出す。ドアの向こうには、シャワーによって全身が濡れている真っ白な肌をしたシロさんがいた。

 

「え……」

 

「いや、この……これはな、シロさん……」

 

そんなシロさんは、今まで見たことがないほど驚いた表情をした。ウチの顔が熱くなる。それと同時に一気に頭が真っ白になり、頭の中は完全にぐちゃぐちゃになっていた。

 




爽に引き続きまたもや裸の付き合い(意味深)
私のリビドーが抑えきれんかったのです。その癖R-18は書けない無能。はっきりわかんだね。
あと、この世界線にはパンツはあります。ノーパンなんてそんなオカルトありえません。
むしろあった方が良いという新見解。

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