宮守の神域   作:銀一色

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県予選。麻雀描写は少ないです。


第13話 圧倒

 

 

 

 

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土曜日。私は盛岡のある会場に足を運んでいた。

 

何故私がそこに行ったかというと、簡単に言えば麻雀大会の予選をしに来たのだ。

 

対局中のルールはインターハイなどの公式ルールと全く同じ。形式は半荘を10回やって、その合計収支で選抜する。他の県はどうか分からないが、岩手では最終的に1人しか全国大会に行けないらしい。

 

参加人数は結構多く、200は余裕で超える。

 

200人中1人しか全国に行けないと思うと狭き門だが、インターハイ優勝に比べればまだ少ない方だ。確か1万分1とか言ってたっけか。

 

今回の大会は誰でもエントリーできるらしい。もっとも、1人しか全国大会に行けないため素人が来たところで偶然全国に行く…何て事は無いだろうが。

 

因みに塞と胡桃を誘ったが「アンタが出る時点でもう無理だから」と断られてしまった。

実際私を極限まで追い詰めたのに…

 

まあ、胡桃は兎も角塞の能力は10半荘も続けさせるのは危険だ。流石に辛いだろう。

 

そんな彼女達だが、今日は私の応援に来てくれている。全国大会にも来てくれるらしい。

 

別にわざわざ私の為だけに来なくていいのに…と思ったが、「シロの頑張るところが見たいからいいの!」と言われてしまえば仕方ない。

 

アナウンスが鳴り、そろそろ対局開始の知らせをする。

 

私は対局開始の5分前に対局室に入り、相手が来るのを待つ。

 

やがて全員が集まり、場決めをして、対局開始のブザーが鳴る。

 

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対局が始まってからは圧倒的だった。

9半荘目を終え、現在私の得点は+626ポイント。1半荘あたり7万点近く稼いでいる計算だ。

当然ぶっちぎりの1位で、2位とは300ポイント以上離れている。

 

 

全国小学生麻雀大会といっても所詮は県予選らしいレベルで、塞や胡桃達でも余裕で勝てるくらいであった。

 

やはり県予選では肩慣らしにもならない。全国大会に期待するしか無いだろう。

 

そう考えながら、最後の10半荘目の対局室へ移動する。

 

私の対局は他の人にも知られているらしく、7半荘目あたりからは対局室で私を視認した瞬間に恐怖する人もいたほどだ。

 

せめて最後の半荘くらいは存分に打ちたい。と思って対局室のドアを開ける。

 

早めに来た私だが、そこにはもう人がいた。

確か、2位の人だっけ。

 

その人は私を睨みつけて前口上らしきものを言う。

 

「…私は、一昨年、去年と岩手の代表として全国大会に出場してきた。今、点差は絶望的だ。しかし、私は諦めない。

…お前、気を抜いていたら承知しないからな?30万点差如き、不可能な差ではない。役満5回の直撃で吹き飛ぶ差だ。」

 

「…そう」

 

「とにかく、最後まで真剣に対局しろということだ。それが礼儀というものだ。」

 

要は舐めプをするなという事だろう。

もとより舐めプをする気など毛頭ない。

 

「当然。そのつもりでいるよ…」

 

そんなやり取りをしている内に、他の2人が対局室に来た。

 

そして今日10回目の開始のブザーが鳴り、対局が始まる。

 

 

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全国小学生麻雀大会 県予選 10半荘目

視点:神の視点

東一局 親:モブA ドラ{一萬}

 

小瀬川 (1位) 25000

モブA (16位) 25000

モブB (38位) 25000

モブC (2位) 25000

 

 

全国小学生麻雀大会県予選。その10半荘目。

1位と2位間には300ポイント以上も点差がある状況でも、諦める気を持つ者はこの場には1人もいなかった。

 

 

 

 

「ツモ」

小瀬川:和了形

{一萬二萬三萬五筒六筒二索三索四索四索五索六索西西} ツモ{七筒}

 

「400-700」

 

 

東一局。この局は小瀬川が平和ツモをあっさり和了。

 

字だけで見るとそこまで凄みはないように見える。しかし、そのスピードが異常。

 

僅か3巡。たった2回のツモで急所の牌を引きいれ、当然の如くその次順での和了。

 

現在2位のモブCもその速さに驚愕していた。

(異常なまでの速さ…ここまで差があるのか…)

 

 

 

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東二局 親:モブB ドラ{九筒}

 

 

この勝負。誰も負ける気などない勝負なのは確かである。しかし、

 

 

小瀬川:捨て牌

{北一萬二索南}

 

モブB

打{二萬}

 

 

「ロン」

 

(((は?)))

 

 

 

小瀬川:和了形

{三萬三萬三萬四萬五萬六萬七萬五筒六筒七筒五索六索七索}

 

 

「断么平和三色同順。7700」

 

 

現実は非情である。気持ちでは負けていない。だが、彼女達と小瀬川には圧倒的な力量差があった。

工夫すればどうにかなるとか、相性だとか、そんな程度ではひっくり返す事はまず無理。

 

 

 

 

(この巡目でそれを張るか…!?捨て牌の手出しが{一萬}だけってことは配牌で一向聴…!)

 

 

 

無論、その事は小瀬川と打っている三人全員が知っていた。しかし、知っているところでどうにかなるものでも無い。

 

この満貫から小瀬川は加速しだす。

 

 

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東三局 親モブC ドラ{五萬}

 

 

5巡目

 

 

「ツモ」

 

小瀬川:和了形

{一索二索三索四索五索六索八索九索南南南北北} ツモ{七索}

 

「3000-6000」

 

 

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東四局 親:小瀬川 ドラ{白二萬三索八筒}

 

 

六巡目

 

 

モブC

打{六筒}

 

 

「ロン」

 

小瀬川:和了形

{三索四索五索六筒} {横三萬三萬三萬三萬} {裏九筒九筒裏} {八筒八筒横八筒八筒}

 

「18000」

 

 

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東四局 1本場 親:小瀬川 ドラ{七索}

 

 

「リーチ」

 

小瀬川:捨て牌

{九索二索八索八索六索南}

{一索北一萬横六索}

 

 

 

「ロン。9600の9900。」

 

 

「え?」

 

 

(まだ何を捨てたか見えてないのに…っ!?)

 

 

小瀬川:和了形

{一萬一萬四萬四萬五萬五萬六筒六筒八筒八筒四索東東}

 

裏ドラ{九萬}

 

モブA:捨て牌

{南九筒二萬三索東北}

{七筒白中} {四索}

 

 

 

(何で切った牌が分かったんだ…って顔してるね。でも逆に分かるようにまでならなきゃ、私には絶対に勝てない…)

 

 

 

 

 

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そこからも小瀬川の猛攻は止まらず、結局、この10半荘目も終わってみれば小瀬川の1人勝ち。

 

大きな番狂わせも無く、小瀬川が1位で県予選は終了。

 

小瀬川は全国大会への切符を手にした。

 

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視点:小瀬川白望

 

 

終わった。ぶっちぎりの1位。さっき智葉も全国大会の出場が決定したとの報告も入った。

 

「シロ!お疲れ様。」

塞と胡桃が迎えに来た。

塞は私に抱きつき、私も優勝に喜ぶ。無論胡桃もだ。

 

「やっぱシロはこの程度じゃ満足しない?」

胡桃が質問する。

 

「そりゃ、こっからだもん…」

 

そう。

全国にはこれまで以上に強い奴もいる。

能力持ちやトリッキーな人もどんどん増えていく。

 

だが、私が最強だという事を証明してみせる。

 

 

そして、全国で優勝してやる。

 

待っていろ、全国。

 

 

 




全国大会の前に1話何か他の話を書くかもしれません。
無理だったらそのまま全国大会になります。
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