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視点:小瀬川白望
あれから一夜明けて、全国大会も(開会式を入れて)3日目に突入することとなる。今日は一回戦の残り半分、計8試合やる予定だ。
昨日は私、竜華、智葉の試合だったが今日試合をするのは洋榎と照だ。
照の試合は第十試合目で朝の10時から、洋榎は第十三試合目で午後1時に始まる。
別に智葉のように応援しに行ってもいいが、2人が手の内を隠すとも限らないため、行かない事にした。楽しみは後に取っておかなきゃね。
そんなわけで今日はホテルでぐっすりと休もう…というわけにもいかず、相変わらず皆が部屋に集まってくる。呼んだ覚えないんだけどなあ…
「ウチらは呼ばれなくともいつでもやってくるから、安心してよかよ。」
哩が私に向かって言う。心を読むな心を。
「それで、今日は何をするんだ?」
やえが皆に問いかける。というより既に何かをするというのは決定されているんだ…
ともかく、私達は何をするかを考える事にした。現在時刻は午後二時。因みに先ほど照と洋榎の準決勝進出が決まった事を知った。
それはさておき、さすがに9人も集まって何もしないという事態だけは避けたい。
だが、何の案も出ないまま時は刻一刻と過ぎ去っていき、沈黙が続く。
そしてこの沈黙がこれからも続くであろうと誰しもが思ったその時、ふと私にある感情が芽生えた。
「…クイズ大会がしたい。」
そう。今何故か無性にクイズがしたくなった。何故したくなったかは分からない。が、クイズをしたいという衝動に駆られたのである。
他の皆も、いきなりクイズ大会がしたいと言われ困惑していたが、代案が出なかった為、クイズ大会を行う事にした。
智葉の合図によって黒服達が人数分のペンとホワイトボードを皆に配る。流石智葉の専属の黒服だ。仕事のスピードが並の速さの何十倍も速い。…智葉に対する愛は鬱陶しいが。
問題を出すのは順々にローテーションしていく事になり、問題者が二周し終わって正解数が一番多い人が優勝という事になった。
因みにこの大会に賞品は何も無い。無論私を自由にしていい権利などもない。であるからそんな殺伐した空気ではないので、のびのびとできる。
じゃんけんによって、最初の問題者は私に決まった。私は問題をホワイトボードに書き、皆に見せる。
*読者のあなたも考えてみてね!
問 ベートーベンの作品「エリーゼのために」は、本来違う名前であった。その本来の名前とは?
「これは…」
皆が思い思いの表情をする。流石に難しいかな?と思ったが、
((((((((クイズっていうより雑学だコレ))))))))
どうやら違ったらしい。皆の表情をよく見たらすぐに分かった。いや、クイズとはいっても雑学もある意味クイズだし。セーフだよセーフ。
クイズ形式は早押しで、一番最初に答えを書いて正解した人が1ポイントという事になる。
しかし、誰も答えを発表しようとする者は現れなかった。そりゃあそうだ。こんなの分かる人間なんて、そうそういないだろう。
だが、
小走やえ:回答
A.テレーゼのために
ここに知識人現る。
「え…正解…」
ざわわ!
私含むこの場全員がやえの方を向く。やえは恰も当然かのように
「フフフ…これだからニワカは相手にならんのだよ。これくらい知ってて当然であろう。」
と、胸を張って言う。何か凄い腹が立ったが、それは皆も同じである。
潰す。
この場全員がその感情を抱いた。そして、皆が自分の中で最も難しいと思われる問題ををやえにぶつける。しかし
塞
問 君が代の「さざれ石の」のさざれ石の正体は?
小走やえ:回答
A.石灰質角礫石
正解。
胡桃
問 地球の自転周期は?
小走やえ:回答
A.二十三時間五十六分四秒。
正解。
怜
問 アンパンマンの友達は?
小走やえ:回答
A.愛と勇気
正解。
竜華
問 南極と北極、寒いのはどっち?
小走やえ:回答
A.南極
正解。
久
問 今何問目?
小走やえ:回答
A.6問目
正解。
哩
問 バーベキューのスペルを答えよ
小走やえ:回答
A.barbecue.
正解。
智葉
問 グーデルマン関数とは何か?
小走やえ:回答
A.双曲線関数と逆三角関数の合成関数。
正解…!これで8問連続正解という化物っぷり。いずれも難易度はメチャクチャで、普通知らないと答えられない問題ばかりのはずだ。なのに何故やえはこんなに正解するんだろう。途中ふざけた問題もあったが。
その後も結局全部正解し、クイズ大会(もとい知識王決定戦)はやえの圧勝であった。「王者なら当然の事」とやえは言うが、王者でもそんなに知識は多くないと思う。
結局今日は皆クイズ大会で疲れたのか、クイズ大会が終わると皆すぐさま帰って行った。無論私も疲れてしまったので、そのまま塞と胡桃と一緒に寝る事にした。
明日は準決勝と決勝。絶対勝たなきゃな…
次回からは準決勝です。
シロVS竜華をお楽しみに。