【習作】千佳ちゃん並のトリオンモンスターが普通に戦ってみる話   作:枝豆豆腐

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千佳ちゃんのトリオンが実は38より多いという話を聞いてしまってどうしようかと悩み中です
本当なんだあのトリオンモンスターは……修なんて2だぞ2

あと、作者の無計画さのせいで想像以上に長くなってしまい、これ以上長くなるのに短編枠はどうかという問題が発生してしまった為、次話投稿時に細かい部分を修正して連載に変更しようかと思います。


副作用

ーーー

 

 

 

「来たか……」

つい先程までの青空とは打って変わり分厚い雲に包まれた空を見上げ、町中から響く警報の音を耳にして遂に大規模侵攻が起こったことを悟る。

 

端末からの緊急呼び出しを確認し、学校を出て本部へと向かう。幸いウチの高校は警戒区域からかなり離れているため危険は少ないだろう。しかしそれは逆に俺が戦闘区域から大きく離れてしまっていることを意味する。

 

全力で本部へ向かっているが、まだかなり時間がかかりそうだ。

限界まで広げた俺の副作用が警戒区域内での数十ものゲートと数え切れないほどのネイバーの発生を伝えている。

敵の数が余りにも多過ぎる。迅さんの予知を聞いていなくてもわかる、これはマズイ。

 

 

 

ーーー

 

 

 

!?

 

ようやく警戒区域の近くまで辿り着いたところで、副作用が本部に大きな反応……確か以前にも感じたことのある、イルガーと言ったか、あの爆撃用のネイバーが向かっているのを感じた。

そしてその直後に巨大な爆発音……ッ!?

暫く後に更に爆発音と大きなトリオン反応を感じる。

 

副作用の感覚から本部が落とされていないことはわかるが、状況はわからない。

堪らず本部と連絡を取る。

 

「こちらB級隊員の刈谷です。警戒区域周辺まで到着しました。本部の方から爆発音が聞こえましたが、何があったんですか?状況は?」

 

『刈谷君か、先程本部への攻撃があったが迎撃した。こちらは大丈夫だ。それで位置は……南部の辺りだな。』

 

「はい。もうすぐ警戒区域内に入ります。」

 

『敵にトリガー使いを捕獲することを目的とした新型が確認されている。単体でもかなり強力な相手だ。南部ではB級隊員を集めB級合同部隊として対応している。沢村君、彼に新型のデータを。』

 

『はい。』

 

本部から送られてきたデータを確認する。確認できている情報だけでも硬い装甲に高い近接戦闘能力、そしてなにより人間をキューブにして捕獲する機能、これでは緊急離脱でも安全とは言えないか。

 

「……成る程、B級では1部隊で当たっても危ないかもしれませんね。それで、自分もB級合同部隊に合流すれば良いのでしょうか?」

 

『いや、君には単独で動いて新型を撃破して欲しい。』

 

『忍田本部長っ!?それは危険過ぎるのでは!?』

 

この声は、鬼怒田さんかな?

心配してくれているんだろう。鬼怒田さんも俺のトリオン量は知ってるだろうに、心配性な。いや……知っているからこそ狙われる危険を考えているのかもしれない。

 

『元々彼は有事には私や玉狛の隊員達の様に1人で1部隊としての活動が認められています。先日ポジションを戻して以降のデータを見ても、戦力として問題はありません。それに彼の副作用はこういった状況には非常に有用です。』

 

『【トリオン感知体質】か……』

 

【トリオン感知体質】

俺の副作用の名前だ。能力はその名の通り、トリオン反応を感知すること。範囲はその日の体調なんかにもよるが、最低でも2km以上。ちなみに今日は絶好調だ。

とはいえ、大きなトリオン反応なら知覚範囲外でも感じることもあるし、逆に小さい反応なら範囲内でも距離があると感じられなかったりもする。所詮人間の感覚である、案外適当だ。

 

また、トリオン反応だけで大雑把だが個人の判別もつくし、1度見たトリガーなら何のトリガーが発動しているのか区別出来る(効果がわかる訳ではない)。

 

この副作用のおかげで、俺にはほぼ奇襲や不意打ちが通用しない。狙撃なんかも攻撃前から感じられるので、基本的にあまり意味がない。

相手の能力が不明でも奇襲が通用せず、この新型とやらなら間違いなく力押しで押し切れる俺は確かにこの状況で動くには危険の少ない駒だろう。火力は元から十分だから、変にフォローする仲間がいない方が動きやすいくらいだ。

 

『うーん……しかしだなあ……』

 

『彼なら大丈夫です。刈谷君、行ってくれるか?』

 

「了解しました。単独で新型の撃破に向かいます。大丈夫ですよ鬼怒田さん、俺は強いですから。」

 

なんとなく、昔の俺ならこう言うだろうと思った口調で答えた。

それに俺としては寧ろ好都合だ。迅さんの予知の内容を考えれば、団体行動より単独行動している方がやりやすい。

 

 

 

ーーー

 

 

 

本部からの指示受けた後、俺は国近のオペレートに従って新型の撃破に向かっていた。

 

『そっちの方角に真っ直ぐね〜。というか、もう刈谷君の知覚範囲内だよね?』

 

「ああ、感じてるよ。……これは香取のとこの部隊か。相手は新型2体。2体相手に逃げられないのか、香取の性格からして逃げないだけか、まあどっちにしろ香取隊にあの新型2匹相手は厳しいだろう。急ぐぞ。」

 

『せいか〜い。相変わらずオペレーターいらずだね〜。』

 

逆に言えば、オペレーターがいれば俺の副作用の大半は意味がない物でもある。そもそもトリオン反応って普通にレーダーに映るから、位置なんてオペレーターに教えてもらえばいいだけだし、機械の方が範囲は広い。オペレーターに教えて貰うより早く反応出来るのが利点と言ったところだ。

カメレオンが完璧に効かないから風間さんの部隊なんか相手にしたら相性抜群だが。

 

仮にも同じSランクの副作用に分類されている迅さんの未来予知のチート具合を思うと、ちょっとどうなんだと言いたくなる。

まあ、力押しがメインの俺には相性良いのは間違いない。

 

「……そろそろか。」

 

香取隊と新型が戦闘しているのが見えてきた。案の定、香取が新型に突っかかって若村と三浦がフォローに回っている。これがあいつらの基本スタイルだが、あの感じだと間違いなく香取が逃げる気なくて戦闘になったな。

 

もう射程に入るが、あいつらが新型と近過ぎる。

 

『香取、若村、三浦、こちら刈谷だ。救援に来た、全力でアステロイドを撃ち込むから下がれ。巻き込むぞ。』

 

「ええ!!刈谷さん!?」

 

「刈谷さんがアステロイド!?ヤバいぞ、香取!下がれ!」

 

「……ッ!」

 

流石にB級でも上位な部隊だけあって判断も早いし行動もスムーズだ。

……昔俺があいつらをボコボコにしてたせいだとは思いたくはない。

 

香取隊が新型から離れたのを見計らって撃ち込む。

 

「『フルアタック・アステロイド』」

 

俺の撃ち込んだ弾幕に対し、新型の内一体は咄嗟に両腕を上げて防御体制に入ったものの、抵抗が全く無いかの様に飲み込まれた。

残った一体も俺に脅威を感じたのか大きく距離を取る。

 

「国近、この感触ならフルアタックまで使わなくても問題なさそうだ。」

 

『うわ〜お、相変わらずバ火力だね。』

 

国近の返事を確認してから、新型に注意を払いながら香取隊の3人に声をかける。

 

「お前達、よく2体も止めておいてくれたな。しかしあんまり無茶するもんじゃないぞ。」

 

「……チッ」

 

俺に説教されるのは非常に不愉快だと言わんばかりの表情を全く隠さずに香取が舌打ちする。

 

お前が俺のこと嫌いなのはよーく知ってるが、流石にちょっと傷付いたぞおい。

 

「そ、それより刈谷さん!新型が、まだ!」

 

ああ、そうだったな。けど問題ないぞ三浦。

あそこはまだ俺の射程圏内だ。

 

俺が三浦の方へ向いたのを隙と見たのか、残った新型が俺に飛び掛かり攻撃を仕掛けてくるが、この距離ならトリオン反応だけでも相手を完璧に捕捉できる。

 

「『ハウンド』」

 

そしてトリオン反応を追いかけるハウンドと俺の副作用の相性は抜群だ。

俺から放たれたハウンドは全て食らいつくように敵の新型へ命中し、数発でその装甲を大きく削り、最後にはそのまま打ち砕いた。

 

「ハウンドでもいけるが、中々硬いな。できればアステロイドでやる方が良さそうだ。」

 

『他の人たちは部隊で火力集中させてもどうかって感じなんだけど……アステロイドどころかハウンドでも余裕とか、これは酷い。』

 

呆れたような物言いをしてるが、巫山戯てるだけだなこいつ。

 

「余裕じゃないって今言ったろ。というかさっきから太刀川さんもガンガン切りまくってるみたいなんですが……。それより次の相手は、北東の方かな。西のやつはこのまま太刀川さんが行くだろ?」

 

『そうだね〜。という訳で太刀川さん、そのまま進んで西の新型もよろしく。』

 

『どういう訳かは知らんが、西に獲物がいるんだな?了解だ。』

 

こういう時は本当に優秀な人なのである、太刀川さんは。とある英単語をダンガーに訳す大学生と同一人物とは本当に思えない。

 

『なんか言ったか?刈谷。』

 

「いえいえ何も。気の所為じゃないですか?」

 

戦闘民族特有のシックスセンスも兼ね備えていたらしい。

さっさと話を切り替えるべく香取隊の3人に声をかける。

 

「そんな訳で俺はもう行くから、お前らはそのまま東さん達に合流しろよ。本部から指示きてるんだろ?」

 

「はい、さっきはありがとうございました。」

 

若村と三浦はそう言って頭を下げるが香取は相変わらず俺に目を合わせようともしない。

流石にマズイと思ったのか若村と三浦は香取に何か言っているようだが、まあしょうがないと言えばしょうがない。

俺も忙しいしな。

 

「いや気にしなくていいよ。新型を2体も止めておいてもらって俺も助かったし。それじゃこっちも急いでるから、お前達も気をつけてな。」

 

そう言い残してその場を後にした。

 

 

「……ふん」

 

 

本当お前可愛げがないなあ香取。

 

 

 

ーーー

 

 

 

「隊長、測定不能のトリオン反応を感知しました。」

 

「何、玄界のブラックトリガーか?」

 

「いえ……この反応はノーマルトリガーです。」

 

「新たな神候補、発見することができるとはな。それで……雛鳥ではないんだな?」

 

「はい、戦闘員のようです。」

 

「しかしこれまで集めたデータでは、戦闘員にそこまでのトリオンを感知したことはなかった筈だが。まあいい、まずはターゲットの情報を集めるぞ、ミラ。」

 

「はい、ハイレイン隊長。」

 

 

 

ーーー




という訳で今回は大規模侵攻導入回兼副作用の説明回ですね。
超大雑把に言うとドラゴンボールの気を探る能力みたいな物ですね。
迅さんとは別の意味で風刃と相性が良すぎるので適合しないことにされたました。具体的には障害物の有無に関係なく数km全てが射程圏内になって風刃の弾数がほぼ無制限になります。

一回でいいから千佳ちゃんの分割無しメテオラの威力が見たい。見たくない?
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