メモ・窒素酸化物から肥料

窒素酸化物を得る方法。

1・ハーバーボッシュ法

ルシャトリエの原理で、アンモニアを合成する。
ルシャトリエの原理とは、可逆反応が平衡状態にあるとき、外部から平衡を支配する条件(温度,圧力,濃度)を変えると,その影響を緩和する方向へ平衡が移動し,新しい平衡状態となる事。

200度から700度(400度が望ましい)かつ、高圧を維持する。(200気圧から400気圧)
反応を加速させる為に、多孔質である四酸化三鉄・3Fe4O(黒錆)を触媒にする。
触媒に後押しされ、NH3・アンモニアが合成される。

水素と窒素は、圧力を下げようとお互いにくっつく。 つまり、耐圧容器内の気圧が下がり温度が上がる。

※反応3H2 + N2 → 2NH3は発熱反応である。

ローテク代替法・尿を発酵させる



2・オストワルト法

アンモニアを酸化させ、一酸化窒素を作る。
一酸化窒素を酸化させ、二酸化窒素を作る。
二酸化窒素を温水と混ぜ、硝酸と一酸化窒素を作る。
一酸化窒素を回収し、新たに作った一酸化窒素を足し、酸素を注入し二酸化窒素を作る。
以下ループ

※アーク放電で空気中から一酸化窒素を作ることができる。しかし、オストワルト法の方が効率が良いので廃れた。



3・硝酸ナトリウム

水酸化ナトリウム水溶液にNO2を室温で通すと

2NaOH + 2NO2 → NaNO3 + NaNO2 + H2O

の反応で硝酸ナトリウムと亜硝酸ナトリウムの混合物になる。
NaNO2はHNO2と異なり常温で安定する。




4・硝酸カリウム

洞窟の壁面に堆積した結晶、つまり蝙蝠の糞が硝化した結晶から採掘出来る。
水溶性のため、雨等で流されてしまう。
チリの砂漠に莫大な埋蔵量を有する、硝酸ナトリウム結晶石(チリ硝石)を原料として製造されている。

※シュガーロケット……硝酸カリ62%・砂糖38%の粉末を、加熱すると硝化反応が起きる。(茶色くなりキャラメル状になる)
アルミニウム粉末を加えると、燃焼温度が上がりよく飛ぶようになる。
充填した燃料は、棒を突っ込んでコップ状にへこませる。 燃料に着火する場所は表面ではなく最奥。
精度がいらないのなら、安定翼の変わりにロケット花火のように棒をくっ付けるだけでよい。


5・硝酸アンモニウム

加熱すると吸引式麻酔である笑気ガス(亜酸化窒素OH2が発生する)ただし、240度を越えると爆発するので注意する。 不純物は水中で泡立てれば除去できる。





◆混酸……濃硫酸と濃硝酸を3:1の体積比で混合した液体。
◆ニトロセルロース……セルロースを混酸で反応させる。 
◆ニトログリセリン……グリセリンを混酸で反応させる。
◆セルロイド……人類初のプラスチック。 ニトロセルロースに樟脳を混合してつくられる。

※窒素量13%以上ニトロセルロース&ニトログリセリンの混合物をアセトンで練って成形。黒鉛で静電気対策。


ニトログリセリン(nitroglycerin)

1・13mlの硝酸を10℃以下まで冷却する。
2・39mlの発煙硫酸を極少量加え、ゆっくりと混ぜ合わせる。 それを繰り返す。
3・上記の混酸は15度以上にしてはならない。
4・グリセリンを滴下して混合する。
5・30℃以下の状態で反応を進める。 10分程度で反応が終わる。 急激な温度上昇は連鎖反応を引き起こす。
6・重炭酸ナトリウム水溶液と混合し、余剰の酸を中和する。



雷酸水銀(Mercury Fulminate)

溶媒アルコールは、少なくとも濃度95%以上のエチルアルコールでなければならない
1・5gの水銀と35mLの濃硝酸を混合する。
2・水銀が溶解するまで混合物をゆっくりと加熱する。すると溶液が黄緑→緑色に変わり、沸騰する。
3・30mlのエチルアルコールに内容物をゆっくりと慎重に加える。赤や茶色の煙が現れ、煙は有毒で可燃性であるため注意する。
4・30分から40分後、煙が白くなれば反応が完了した証。さらに10分後、30mlの蒸留水を溶液に加える。
5・液体の溶液から水銀の結晶を慎重にろ過する。腐食性で有毒なので、溶液を安全な場所に廃棄する。
7・できるだけ過剰の酸を除去するために蒸留水で数回結晶を洗浄する。


日時:2018年01月28日(日) 22:41

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