仮面ライダーW　メイドはU　あとがたり

先日、「仮面ライダーW　メイドはU」が完結しました。

5話の後書きにも書いたように、元々は「仮面ライダーウィング」というライダーを書くつもりでした。没ドーパント案も元々はそれに出す予定だったドーパント達です。しかしWやアクセルとの絡ませ方が分からず挫折。
その後、「だったら敵にすればいいじゃないか」という考えから「メイドはU」の構想が出来ました。

主人公の設定としては、翔太郎と霧彦、フィリップと若菜、照井と井坂といった感じで、亜樹子に対応するキャラクターかつWとは真逆の存在にしたいと考えました。
そのため

・Wは二人　⇔　主人公は一人
・男　⇔　女
・仮面ライダー　⇔　ドーパント
・正義のために戦う　⇔　自分のためにしか戦わない
・自分の意思がはっきりしている　⇔　自分の思いを隠す

といった感じで真逆の性質を集めたのが「二宮初」というキャラクターの基となりました。
そして主人公の立場としても、「さすがに園咲家の一員にするのは厳しい」と考え、女性で園咲家にいてもおかしくない立場を考えた結果、メイドという職に辿り着きました。
また主人公のメモリを決める際にも、「簡単に倒されてはならない」、「かといってバランスを崩すほど強すぎてもいけない」、そしてなにより「特殊な能力の方が面白そう」という考えがあり、Wが「二つのUを意味している」ことから頭文字Uの英単語を考えた結果、「未知(アンノウン)」に決まりました。

主人公の生い立ちに関しても、Wに登場してきた「家族」とは別の形にしたいと考えた結果、「ある意味、家族と呼べる者がいない」設定になりました。正直、朝の子供番組としてこの設定は良いのだろうかと思いますが、そもそも二次創作ですし、園咲家自体がドロドロしているので問題なしです。

ちなみに話を書く上である程度の筋書きは作っていましたが、一部変化した部分もあります。その最たる例が「暴かれるM」です。元々、ここは原作45話にあたる話として、

①ミックは原作通りWが、初はアクセルが担当して戦う。
②あらかじめアンノウンメモリの弱点を知っていたアクセルが圧倒。
③アクセルがマキシマムドライブを発揮する直前に初が変身を解除。
④生身にマキシマムドライブは発動できないため、寸前で止める。
⑤そこに琉兵衛様登場

という流れが有りましたが、問題点として、「そのあと初をどうするか」、そして「この話に初の過去を入れると内容がごちゃごちゃする」ためボツ。

第2案は大まかな内容自体は現在の「暴かれるM」と変わりませんが、相違点として

①初がマキシマムドライブを受ける直前にミックが助ける。
②回収された初は園咲家の地下に監禁され、メモリの実験を受け続ける。

というパターンを考えました。しかしこちらにも問題点が有り、最大のポイントが「あの園咲琉兵衛がそんな生温いことをするのか?」という疑問でした。必要とあれば家族であろうと一切の容赦なく切り捨てるあの方が、計画の最終段階に達している状況で、今更メモリの実験台の為だけに生かすというのが、少し違和感を覚えたのでこれもボツ。

そして現在の第3案として、処刑されるものの奇跡的に命は助かるパターンです。ただこちらにも問題点が有り、「懐いているミックが初を殺そうとする」というのが少し引っかかりました。無論、琉兵衛の命令であれば容赦なく実行するでしょうが、その後で初とミックを関わらせるのが難しくなる。そこで目を付けたのが、もう1人の処刑人「ホッパー・ドーパント」。彼女なら何の問題も無く初に攻撃できます。そのため、ホッパー・ドーパントを生かす必要が出てきており、その影響によって山城博士も生存するというバタフライ・エフェクトとなっています。ちなみに裏設定上はアンノウンメモリが破壊されると同時に、山城博士も失った情報を取り戻しています。

そして最終話。割と初の設定が決まってからはこの終わり方も頭の中にありました。過去に縛られた初が前に進むための鍵が母親という「家族」にしようと思っていたので。ただ、どのような形で主人公と関わらせるか考えた時、

①やはり事件を起こすうえで犯人は必要
②それなら犯人も初と関わりのあるキャラクターにしよう

と考えた際に思いついたのが、使用人の男、そして初の父親です。実は初の父親をドーパントにして復讐という名の八つ当たりの対象として風都にやって来た初の母親を襲撃するというパターンも考えましたが、色々考えた結果、園崎若菜に心酔する執事を選びました。

また、初の新しい勤め先がサンタちゃんのペットショップだったのも、割と初期に決めていました。こうすれば、今後番外編が書きやすそうだったので。



長々と書きましたが、そろそろ締めさせてもらいます。
1年以上に渡り書き続けられたのは皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。
また新作を投稿したら、その時はよろしくお願いします。

日時：2019年04月23日(火) 08:51