『マジカル・ジョーカー』完結と裏話と自分語り・その1

 このたび、『魔法科高校の劣等生』を原作とする二次創作『マジカル・ジョーカー』が無事完結しました。最後まで読んでくださった方も、途中まで読んでくださった方も、ありがとうございます。

 ネタバレを含むので、この活動報告は本編を最後まで読み切ってから読むことをお勧めします。

 また、サブいクソデカ感情の自分語りのオンパレードなので、読後感を重視する方には読むのをお勧めしません。でも最後の項目だけは見てほしいです()

①執筆裏話A・投稿スタイルについて
 この作品のウリは何といっても、「投稿開始時点ですでに執筆が終わっている」ことだと思っています。投稿に飽きない限り、エタることは絶対にありえません。高校生の頃、「小説家になろう」でも投稿していまして、当初は一話書き終わるたびにすぐ投稿というスタイルでやっていました。ある日思い立って、完結まで書ききってから投稿と言うスタイルを試してみたところ、滅茶苦茶楽だったので、本作でもそのスタイルを取ることにしました。

 しかし問題点もあります。一度投稿してしまうと多かれ少なかれ読んでくれる人がいるから続き書かなきゃ、という形で良くも悪くも執筆の原動力があるので筆は進むのですが、完結まで書いてから、というスタイルだと、原動力が「楽しいから、書きたいから」しかありません。気分じゃないときや時間の捻出ができないときは全く筆が進まないんです。作品内のあとがきでもしばしば書いていたことですが、数か月~1年ぐらい全く進まないということもありました。そういうこともあって、本作を書き始めたのが2016年春ごろだったのに、書き終わってして投稿開始するのが2019年夏ごろ、3年以上も執筆終了までかかってしまいました。2016年の書き始めが大学一年生、今が四年生で卒業目前と考えると、この作品は僕の大学生生活と密接にかかわっているのかもしれません。

 ただ、この長さと言うのは実にメリットがあって、間隔を空けずとんとん拍子に進めていたら、今よりも面白くなくなっていたのではないかと思います。のんびりと書いていたおかげで思いついた展開はいくつもありますしね。そのほとんどがかなり重要な部分だったりもします・例えば、文也対『蓋』というオリジナル展開については、当初は予定していなかったんです。思いついたのは、なんとそのひとつ前、文雄対呂剛虎を書いている途中でした。そこで数か月全く筆が進まない時期があったのですが、その間に、『蓋』との戦いと、克人との訓練でギャグ一発芸のためだけに使う予定だった魔法ライフルの使用を、思いついたわけです。あと二年目九校戦も、招かれざる者編の途中で数か月筆が止まっている間に思いつきました。そのために、あとから本編をいじくりまわした箇所もいくつもあります。主に三高生徒について語られているところは、五十川沙耶以外については全部その時に追加した設定です。間隔を大きく空けてる間に思いつく、後から本編をいじくりまわす、そのどちらも、完結まで書いてから投稿と言うスタイルでないとできないことだと思います。これから投稿する予定がある方は、これをお勧めします。





②執筆裏話B・本作のコンセプトについて
 基本、僕が連載物を執筆するときは、最初は思い付きのまま手成りで書き始め、それでだんだん方向性を固めていくというスタイルをとっています。本作もそれにたがわず、最初は手成りで書き進めていきました。第一話なんか、トランプとクリントンの選挙戦がまだ決着していないころで、なんとなくその場のノリで時事ネタを放り込んでいますからね。

 ただ、最初から決まっていたコンセプトがあります。それは、

「パロディギャグ一杯のコミカルな話にする」
「達也・深雪兄妹に、小物なオリ主と原作で兄妹の噛ませ犬にされたキャラで勝利できるか」

 です。一年目前半の噛ませ犬代表・駿、九校戦から今まで何かと達也の引き立て役になりがちな将輝・真紅郎・あずさ、そして達也と能力が被っているが何かと勝っている部分がなく司波兄妹の下位になりがちな文也。こういったメンバーを組ませていって、大正義司波兄妹に勝ってみよう、というコンセプトです。冷静に考えたら「俺TUEEEEE」作品の最強主人公にオリ主が勝つというクソみたいな話ですが、その点は自覚していたので、あまりイヤミが無く司波兄妹になるべくヘイトが向かない展開を心掛けるようにしました。その犠牲に真夜にヘイトが向く展開になりましたが、そこはまあ、原作も割とそんな感じなので、多少はね?

 それを軸に展開を組み立てていったわけです。あと、原作は多少茶化す程度にとどめ、基本はリスペクトする、というのもそうです。なるべく天気などのオリキャラ追加のバタフライエフェクトでどうにもできない要素は原作と同じにしましたし、「ご都合主義で主人公が覚醒するのはどうかと思ったので最初から強くした」という原作者のスタイルを踏襲して文也も噛ませ犬キャラのはずがかなり強くなりました。展開の自由度を高めるために自前で魔法開発もできるし適性魔法も万能で何でもできて『パラレル・キャスト』で同時発動も好きなだけ可能、ってとんでもないキャラ設定ですよね。「主人公最強」タグをつけようか最後まで迷ったのですが、原作主人公が強すぎてそのタグはつけられませんでした。

 その後に、色々コンセプトが加わっていきます。「原作リスペクトなので、原作生存名前在りキャラは殺さない」「あまり長く書くと飽きるし、二年目以降の司波兄妹は強すぎるので、本編は来訪者編で終わりにする」「パロディはその時の気分で、サブいのを承知でガンガン組み込む」「司波兄妹とのラストバトルは緊張感を持たせるために本気の殺し合いにする」あたりは、手成りで書き始めた勢いのまま進んだ一年目九校戦編の序盤までの間に決まってきました。

 そして何よりも重要な、作品のタイトルについて。僕はアニメ漫画映画問わず、近代文学作品は何よりもタイトルを重視しています。読解するときはまずその内容がタイトルにどのような論理で収束していくのか、というのを重視しますし、作るサイドに回る時も、タイトルはかなり気を遣います。そんな僕ですが、なんと『マジカル・ジョーカー』というタイトルに決定したのは、なんと天地上下編を書いている途中です。そこから、今まで書いた部分に何度も修正を加えて、最初から最後にかけてタイトルに収束していく構造になるようにしました。



③執筆裏話C・オマケの九校戦/仇抗戦編について
 当初は文也たちの転校、それに語られざるエピソードたちで終わる予定だったのですが、招かれざる者編の途中でかなり執筆の間が空いている間に思いつきました。この作品、間が空いている間に思いついてる事ばっかだな?
 4-5で唐突に挟まる三高メンバーの紹介は、九校戦/仇抗戦編で数々登場する、最強たる一高に対抗するために生み出したキャラの事前紹介という意味合いがあります。優等生と悪戯小僧編のみの登場になる予定だった五十川沙耶も、九校戦/仇抗戦編をするためにたくさんキャラ付けされました。他、このためだけに魔法科高校の優等生を買ったりもしました。各キャラの詳細については、下記にて行います。

 また競技については、割と試行錯誤がありました。九校戦/仇抗戦編でやりたいことが死ぬほどあったので、それに適合するよう、競技のルールは書いてる途中に何度も変えましたし、なんなら競技そのものの変更もありました。

『トライウィザード・バイアスロン』は、実に三回ほど形を変えています。当初の名前は『チキチキ魔人もうレース』だったりします。両校で男女ペアを3組作り、それぞれの組で森林・水上・平原をリレー形式で走るというものだったんですね。最後の平原コースで、文也あずさペアVS達也深雪ペア、にするためだけのルールでした。どうあがいても文也あずさペアが敗北するに決まっているので、そこから試行錯誤を経て、一番無難な今の形になりました。ちなみに、『モノリス・コード』でもそうですが、装備はフルフェイスヘルメットです。原作『モノリス・コード』は顔を守るものがないのが気になるんですよね。目とか危ないでしょう?

『ロアー・アンド・ガンナー』については、主人公の何よりの見せ場だと気づいた瞬間に、即採用になりました。また、本作で射撃の名手と化した駿にも女の子と青春させたいと考え、男女ペア部門も追加しました。あと、一年目九校戦で展開のために活躍が完全に奪われた明智英美を大活躍させたいという意思もありました。

『デュエル・オブ・ナイツ』は、本作で見せ場を奪われ続けてきたレオとエリカのフォローのためだけに『シールド・ダウン』のルールを大幅に変えて作りました。剣が加われば、この二人は桐原と並んで一高三巨頭だと思います。

 その2に続きます。


日時:2020年02月18日(火) 01:54

<< 2年目九校戦・選手当て企画(6-2より) 『マジカル・ジョーカー』完結と裏話と自分語り・その2 >>


返信

    現在:0文字 10~1000文字